ジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン
(2022年5月8日)
バイデン米政権はウクライナ戦争の終結交渉を妨げ、経済制裁の緩和など平和の確保に役立つ措置に関し、ウクライナに外交交渉の権限を一切与えていない。これは純然たる事実だ。米政府の上級外交官は、ロシアの相手方とのいかなる対話にも一貫して欠席している。
実際、米政権幹部(ブリンケン国務長官)の発言からは、この戦争の長期化を期待していることが見て取れる。死と破壊を最小限に抑えるための迅速な戦争終結は、アメリカ帝国にとって興味がないだけでなく、望ましくもないのだ。
これはただの戦争ではない。世界の二核大国の一方が他方に行う代理戦争なのだ。イラクよりもベトナムよりも深刻だ。ロシアには国家としての存在が脅かされていると信じるに足る理由がますます増えている。これは地球上の全人類の死という結果を容易にもたらしうる戦争なのだ。
米国の「国防」長官(オースティン)は、戦争でロシアを「弱体化」させることが米国の目標だと公言している。バイデン氏自身、ロシアの政権交代を求めるとしか解釈できないような発言をしている。米当局は、米情報機関がロシアの将官の殺害と軍艦の沈没を直接手助けしたとマスコミにリークしている。
米国の情報カルテルは、ロシアの侵攻を防ぐ方法を知っていた。ウクライナをNATOに加えないことを約束する。ゼレンスキー大統領がミンスク合意を守り、ロシアと和平を結ぶなら、彼を殺すと脅すファシスト党派から保護すると約束する。こうした低コストの作戦をいくつか実行すればよかったのだ。
世界が核戦争にこれほど近づくのを許したことで、バイデンはすでにブッシュ以来、最悪の米大統領になっている。それ以上かもしれない。歴史は、バイデンが歴代の大統領の中で最も邪悪な大統領であることを示すかもしれない。
核戦争を防ぐことは、米大統領にとって最も重要な仕事だ。あまりにも重要なので、それについて話す必要さえない。しかし現政権は日々、核戦争へのサイコロを振っているようなものだ。
たとえ人類がこの膠着状態(そして次に来る中国との膠着状態)を生き延びたとしても、バイデンはこの核戦争への接近を許したことで、許しがたいほど邪悪な大統領であることに変わりはないだろう。地球上のすべての生命体に対し、気軽に核戦争のサイコロを振ることに弁解の余地はない。
この世界に核戦争をもたらすわずかな可能性でも、もてあそぶことは許されない。それは実際の核戦争を除けば、誰もが犯しうる最悪の犯罪だ。人類が永久に自滅する前に、奥底にある小さな正気の火花が発火することを願うばかりだ。
(次より抄訳)
Ukraine Alone Makes Biden The Worst US President In A Long Time – Caitlin Johnstone [LINK]
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