2022-05-13

ロシア、米国、ウクライナ戦争——自己欺瞞の時代における死の舞踏

冷戦時代の敵同士が、戦争に向かって行進している。老いぼれたエリートたちにとって、それは文字通り最後の砦なのだ

ジャーナリスト、クリス・ヘッジズ
(2022年5月3日)

「老いぼれた帝国の好戦的な軽薄さ」に目がくらみ、米国はロシアとの戦争に向かっている。オースティン国防長官が米国の目標は「ロシアの弱体化」だと公言し、バイデン大統領がウクライナに330億ドルの軍事・経済支援(ロシアの2021年軍事費の半分)を要求したことを、他にどう説明すればいいのか。

アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、ソマリアでの失敗で国家から何兆ドルも流出させ、ベトナムの悪夢から何も学ばなかった将軍と政治家は、自分たちが全能だという幻想に酔いしれる。彼らは外交的解決には関心がない。武器販売で何十億もの利益を得られる。政治的なポーズをとることもできる。

戦争の支配者には敵が必要だ。ジョージ・オーウェルが『1984年』で示したように、敵が見つからないときは、敵を作り出せばよい。敵は論理や地政学的な必要性とは関係ない。永続的な戦争の燃料となる恐怖と憎しみを煽ることに意味がある。

アフガニスタンからの屈辱的な撤退と、中東での20年にわたる軍事的惨事は、ウクライナで魔法のように償われた。米国はまだウクライナの地に軍隊を置いてはいないが、アフガニスタンでソ連と戦うために資金支援したムジャヒディンと同じように、ウクライナ人の所有権を手に入れた。

武器が増えれば、戦いが増える。戦いが増えれば、死と破壊が増える。死と破壊が増えれば、ロシアとの敵対関係が強まり、ロシアとの開戦にますます近づく。ロシアは、核戦争のリスクは非常に「現実的」であり、ウクライナへの外国の直接介入は「電光石火」の反応を引き起こすと警告した。

フィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟を議論する中、ロシアはNATOのさらなる拡大を危険な侵略行為と呼んだが、もちろんそれは事実である。ロシアとNATOの直接対決の引き金となる飛行禁止区域を求める圧力が高まっており、NATOの武器輸送隊をロシアが攻撃するような事態も考えられる。

軍国主義者には不倶戴天の敵が必要だ。その敵を率いるのは常に新しいヒトラーだ。新しいヒトラーとは、かつてはサダム・フセインだった。今はプーチンである。明日は習近平だろう。飽くことを知らない戦争屋を養うために国民を消耗させ、貧しくするには、たとえ幻影でも恐れさせなければならないのだ。

(次より抄訳)
Russia, the U.S. and the Ukraine war: Dance of death in an age of self-delusion | Salon.com [LINK]

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