2022-05-16

闇市のぼろ儲け――米国の兵器はウクライナやその周辺に死と破壊をもたらす

スプートニク
(2022年5月15日)

米国の兵器はシリアやアフガニスタンで悪人の手に渡った長年の記録があると、米調査ジャーナリスト、ダニエル・ラザールは言う。

膨大な量の西側兵器がウクライナに流入しているが、戦争の霧の中で行方不明になっている。同国政府は欧州で最も腐敗した政府であるため、その一部は国際的な不正な武器取引に関わる第三者の手に渡ることは間違いないだろう。戦闘がなくなれば、残った武器の多くが闇市場に流れることが予想される。

ウクライナ東部で紛争が始まって以来、ドニエプロペトロフスク、ハリコフ、オデッサ、キエフの各都市には犯罪ネットワークの重要な物流拠点があり、違法市場の役割は強まる一方だという。2013~15年にウクライナから消えた30万丁以上の小火器のうち、回収されたのはわずか13%程度である。

2019年にはウクライナ兵士2人がRGD-5手榴弾40個、RPG-22ロケット15個、銃器カートリッジ2454個を売却しようとした。2020年にはウクライナ保安庁(SBU)が軍事基地から盗まれたRGD-5手榴弾18個、F-1手榴弾12個、対戦車用地雷2個をオデッサで発見したという。

米ケイトー研究所によれば、米国内の兵器輸送の責任者が、ウクライナに送られた兵器の最終用途の監視に失敗していることを示す実質的な証拠がある。米国はすでに2000年にはウクライナに対し軍事装備と訓練の提供を始めていたという。

代理戦争は武器の管理が不十分になる。傀儡国の政府・軍に供給された武器はしばしば紛失し、意図しない形で転売・再利用される。2013年以降、CIAはシリアの反政府武装勢力に推定10億ドルの武器、弾薬、軍事訓練を提供したが、この勢力はアルカイダとISIS(ダーイシュ)に支配されていた。

ISISの戦闘員は、シリアの反体制派やイラクの治安部隊から高度な武器を入手し、テロ組織と戦う国家、地域、多国籍軍に脅威を与えている。不正市場への横流しにより、武器の追跡がほぼ不可能になっている。

2015年、イラク治安部隊はモスル崩壊後、米国から供給された2300台のハンビー装甲車を失った。この米国製装甲車はダーイシュの戦闘員に捕獲され、即席の爆発装置を搭載した自動車爆弾に再利用された。

2017年10月には、シリア国防省が、ダーイシュやアルカイダと連携するヌスラ戦線を含む多数のテロ組織から押収した弾薬の映像を公開した。それらの武器は米国またはその親密な同盟国によって製造されたとしている。

ウクライナでも同じことが起こり、東欧以外の犯罪集団や非合法集団が、最終的に米国製の最新兵器を手に入れることになると考える理由は十分にある。

(次より抄訳)
Black Market Bonanza: US Weapons Will Bring Death and Destruction to Ukraine & Beyond, Journo Says - 14.05.2022, Sputnik International [LINK]

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