2022-05-04

これらの国々は、ロシア・ウクライナをめぐる米国の怒りは覚悟の上

「グローバル・サウス」諸国はおびえることなく、制裁や非難について西側につくことをますます拒んでいる
ジャーナリスト、スティーブン・キンザー
(2022年5月2日)


中南米の二大国、メキシコとブラジルはロシアへの制裁や貿易縮小を拒否している。アフリカの経済大国である南アフリカも同様だ。しかし、親ウクライナ陣営への参加に対する抵抗が最も堅固かつ広範なのはアジアである。

世界の人口の3分の1以上が住む中国とインドは、最も強力な反対派だ。両国とも国連でロシア非難決議を棄権し、米国が支援する制裁を拒否している。国連での投票の直後、ブリンケン米国務長官は、米国が「人権侵害の増加など、最近のインドにおけるいくつかの懸念すべき動向を監視し始めた」と発表した。

人口2億人の核保有国であるパキスタンは、国連で投票を単に棄権しただけではない。米国から反露連合への参加を要請された際、同首相は「我々はあなた方の奴隷か」とあざ笑った。4月9日に解任されたカーン氏は政権復帰を目指すと宣言し、「傲慢で脅迫的な」米国に対抗するキャンペーンを展開している。

ソロモン諸島が中国と締結した新たな安全保障条約についても、米政府はほとんどパニックに陥っている。ソガバレ首相は、米国がソロモン諸島に「主権問題を管理する資格がない」と決めつけるのは「非常に侮辱的」だと答えた。報道ではクーデターやオーストラリアからの侵攻が取り沙汰されている。

他のアジア諸国も米国の勢力圏から離れる方向に動く。ベトナムは国連でのロシア非難決議を棄権した後、ロシア軍との共同作戦を次々と発表している。今年のG20サミットを主催する人口第4位の国インドネシアは、プーチンを孤立させようとする米欧の努力にもかかわらず、彼の招待を主張している。

サウジアラビアのムハンマド王子は、バイデン大統領と石油増産に関する協議を拒む一方で、プーチン大統領とは長電話をし、中国の習近平主席には近々リヤドを訪問するよう招待したと報じられている。アラブ首長国連邦は「どちらかの味方をすれば、さらなる暴力につながる」としてロシア非難を拒否した。

ロシアの侵略を支持する世界の指導者はほとんどいない。しかしセルビアを爆撃し、イラクに侵攻し、アフガニスタンを占領し、リビアを攻撃した米国が、どうして侵略反対を主張できるのか。CIAによる拉致や秘密監獄での拷問に慣れ親しんだ米国が、「ルールに基づく秩序」を支持すると言っても虚しい。

バイデン大統領がプーチンに戦争犯罪の裁判を受けるよう要求したことは、報道された残虐行為によって正当化されるかもしれないが、偽善とみなされる恐れがある。米国はハーグの国際刑事裁判所への加盟を拒んでおり、もし同裁判所が米国の戦争犯罪を調査したらオランダに侵攻するとまで脅した。

次の世紀を形づくるのは欧州ではなく、アジアの力である。多くのアジア諸国は、自国の利益が大陸の巨人であるロシアや中国の利益と一致すると考えている。これらの国々はかつてのように簡単に脅すことはできない。米国の威嚇と警告は、アジア諸国をさらに遠ざけかねない。

(次より抄訳)
These countries are willing to risk US ire over Russia-Ukraine - Responsible Statecraft [LINK]

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