ジャーナリスト、ケイトリン・ジョンストン
(2022年5月2日)
アメリカ帝国のプロパガンダと検閲、シリコンバレーのアルゴリズム操作は、最も急を要する問題である。他のすべての問題に注意を向けられなくするからだ。そしてあらゆる兆候が示すように、事態はさらに悪くなろうとしている。
ウクライナに関する検閲は、これまでとはまったく違う種類のものだと改めて強調する必要がある。今回は人命救助や民主主義を守るといった建前すらなく、「この戦争について人々が考えることをコントロールする必要がある」というだけのことだ。
「デマ」や「誤報」が何かをまず判断しなければ規制できないし、その区別をする権限を誰かに与えなければ判断できない。しかし現実を客観的に裁定してくれる、慈悲深く公平無私で全知全能の存在などない。いるのは自己の利益のために行動する、欠陥のある人間だけだ。
新型コロナに関する真偽を決める権限を得た次の瞬間、同じ政府、メディア、ハイテク企業が、戦争に関するプロパガンダと検閲を始めた。ウクライナに関する情報封鎖は問題ないというコンセンサスは、ロシアが侵攻した日にすでに形成され、準備されていた。その権限を持つのは当たり前だと思われていた。
この2年間、政府とつながった独占企業がコロナ対策に関する言論を制限すべきではないと言おうものなら、「反ワクチン」やそれ以上の罵声を浴びた。しかし、これら警告を発した人々は100%正しかったことがわかった。
強力な機関に真偽を区別する権限を与えたら、ウイルスに関する誤報よりもはるかに危険であることは、現状を見れば明らかだ。帝国が「偽情報」管理委員会を設置する一方で、ロシアへの攻撃を日増しに激化させ、遠くない将来に中国にも同様の攻撃をしようと準備している。私たちの文明全体は、米国がプロパガンダ戦争に勝つために組織化されている。
言論の自由によって、社会は真実に向かい、道を踏み外せば軌道修正し、権力は責任を負わされる。だから検閲は悪いことなのだ。これは検閲を行うのが政府であろうと、ハイテク業界の新興財閥であろうと同じである。
もし現状維持の権力を支持する人々が有力な言論手段をすべて利用できるのに、権力を批判する人々ができないとしたら、言論の自由を守るという目的が失われる。言論の自由の保護は、縛られない言論で権力に歯止めをかけるために設けられたのだ。
人々はまだ新興SNSのGabやTRUTH Socialで既成のウクライナ物語を批判できるから大丈夫だと言うのは、人々はまだ地面に穴を開けて政府批判を話せるから大丈夫だと言うのと同じだ。言論の自由は実現されていない。
何が「誤報」かを決める権限を権力に許したとき、私たちは今の言論状況に対する同意を与えてしまったのだ。しかし、同意を取り消すのに遅すぎるということはない。私たちの声を支配者の手から引き離す戦いは、厳しいものになりそうだけれども。
(次より抄訳)
Western Civilization Is Being Organized Around Winning US Infowars – Caitlin Johnstone [LINK]
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