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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2020-04-08

悪魔の取引

昔から人々は不安に襲われると、安全の代わりに自由を差し出す悪魔の取引に進んで応じた。米国で第一次大戦中、ウィルソン大統領は言論の自由を弾圧。大恐慌中、ルーズベルト大恐慌は補償なしに財産を没収。9/11テロ後、愛国者法は不合理な捜索押収を行い、監視国家を生んだ。
Freedom in a Time of Madness, by Judge Andrew P. Napolitano | Creators Syndicate

私たちの権利は人間性に由来するもので、政府に与えられたものではない。愚かな人々が犠牲にしてよいのは、彼ら自身の自由であり、他人の自由ではない。自由が制限されうるのは、政府が裁判で責任を証明したときだけである。この保護を適正手続と呼び、憲法で保障されている。
Beware a Government of Fear, by Judge Andrew P. Napolitano | Creators Syndicate

米NY州のクオモ知事は人々を教育・脅迫して常識ある行動を取らせ、ウイルス拡大を食い止めようとしている。しかし彼も州議会も合法的には、旅行や平和な集会の権利に介入はできない。これらの自由は憲法で保障されているからだ。利益がどれほど大きくても、介入は許されない。
Taking constitutional rights seriously during COVID-19 pandemic - Washington Times

国家非常事態宣言を受け、米国民は深く考えもせず、集会の自由が狭められるのを受け入れるようだ。市民は恐怖に見舞われると、安心安全と引き換えに、憲法上の貴重な権利をたやすく手放そうとする。非常時には憲法上の権利を停止しなければならないと言う人々に気をつけよう。
Carl Snowden: A state of emergency does not suspend our constitutional rights - Capital Gazette

危機の最中、政府権力がつねに拡大するのは、万人が認める真理である。また、政治家・官僚がチャンスをとらえては自分の任務と権力を拡大させるのも、万人が認める真理である。コロナウイルスの脅威に関する政府の行動を評価する際には、これらの政治力学を忘れてはならない。
Coronavirus Is Setting Dangerous Precedents For American's Civil Rights | The National Interest

国際紛争に平和的なケリをつける手段としての「決闘」

世界は国際的な緊張が絶えない。最近では南米ベネズエラのマドゥロ大統領に対抗して暫定大統領就任を宣言した野党指導者のグアイド国会議長を米国が強力に支援。トランプ大統領は軍事介入もちらつかせる。中国は貿易問題や南シナ海の領有権、台湾の独立問題などをめぐって、米国と激しく対立する。日韓関係悪化も然りだ。

国家間の緊張は、戦争に発展するリスクをはらむ。多数の人命を奪い、国土を破壊する戦争が悲惨であることは言うまでもない。外交交渉でも国家間の争いごとをうまく解決できない場合、なんとか戦争以外の方法でケリをつけられないだろうか。

絶大な麻雀力を秘める女子高校生が繰り広げる世界史


そのヒントになるマンガがある。大和田秀樹『ムダヅモ無き改革 プリンセスオブジパング』(竹書房)だ。出版元から想像できる通りの麻雀マンガだが、ただの麻雀マンガではない。ほとんど実在の人物そのままの国家首脳たちが、あらゆる争いをなぜか麻雀の勝敗でカタをつけるという、奇想天外すぎる物語なのだ。


主人公は絶大な麻雀力を秘める女子高校生、御門葩子(みかどはこ)。彼女はその姓が示すとおり、ミカド(天皇)の血を引く皇室系女子である。物語の初めでは、昭和の終戦直後、そのミカドが連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー元帥と自ら交渉し、日本国民の安全を保障させた舞台裏を描く(第1巻)。交渉手段はもちろん、麻雀だ。

2020-04-07

連邦制の叡智

中世欧州の都市国家は、分権化によって自由と繁栄が維持された。市民がある都市で重税や汚職に我慢できなくなれば、他の都市に移動できた。この歴史を参考に、米国は高度に分権化された連邦制を採用した。憲法の原型である連合規約では中央政府に徴税権を認めなかったほどだ。
Secession Fever in Today’s America: What Would Lincoln Think? - LewRockwell

米国はそもそも中央政府への権力集中に反対する連邦制であり、米国のナショナリズムとは国家主義が生んだ神話にすぎない。それはほぼ無制限の中央政府の優位を認め、州の権利や連邦からの分離独立を悪とみなす。これは独立革命の成果を覆し、英国と同じ制度を導入する試みだ。
Deceived in Liberty: The Curse of American Nationalism - LewRockwell

米南北戦争と同時代の欧州言論人は、奴隷制には強く反対したが、南北戦争は奴隷解放とは無関係と考える人もあった。英作家ディケンズは、主因は関税と見抜いた。当時、綿花を輸出する南部は自由貿易を望み、英国製工業製品と競合する北部は関税による保護貿易を主張していた。
How Europeans Viewed the War | Abbeville Institute

米大統領リンカーンは南北戦争で南部を攻撃して85万人もの死者を出し、生前憎まれた独裁者であるにもかかわらず、その死後、高潔なる国家の象徴に祭り上げられた。そのおかげで米政府のやることは、インディアンの虐殺や世界大戦への介入など、何でも立派ということになった。
Trump vs. Lincoln: What’s a Republican To Think? - LewRockwell

危機における自由

政治家が都市を封鎖し人々に在宅勤務を命じることができるのは、それ以前に民間の投資で高速のインターネットが行き渡っていたからだ。政府に巨額の財政支出ができるのは、それ以前に民間で経済が成長し、無駄な支出が可能になったからだ。コロナ危機は自由の大切さを教える。
Why the Crisis Should Turn Everyone Into a Libertarian – AIER

米国の病院がマスクを購入できるのは、政府機関のCDCとFDAの両方から公認されたメーカーからだけだ。多くの外国メーカーは公認されておらず、米国民は輸入マスクを手に入れられない。認可を受けたメーカーも、何週間もかかるお役所手続きを踏まなければ、注文に応えられない。
Life Is Completely Different, Except for the Bureaucrats – AIER

コロナ危機に対応し、医療の許認可をなくそう。品質を気にするのはもっともだが、誰もがつねに高級車並みのサービスを受ける必要はない。最低限度の措置ができる専門家を国外から招き、合法的に活動してもらおう。多数の人命がかかっているときに、規制とは贅沢品でしかない。
May this Crisis Shock Us Into Embracing Freedom – AIER

新型コロナ感染者数が「指数関数的」に増加するという表現は正しくない。複利運用や生活水準の向上が無限に加速するのに対し、感染者の増加は上限がある。どこかの時点で感染者はそれ以上増えなくなるし、人々が社会的距離を保てばなおさらだ。「S字曲線」と呼ぶのが正しい。
The Coronavirus Pandemic Is Not Exponential – AIER

1000年以上続いたタブーでも実業は変えられる~女性を解放した起業家たち

女性の生理は古来、国を問わず社会でタブー視されてきた。月経が不浄なものと見られ、女性たちは不衛生で不便、不快な経血処置を強いられた。しかし近年、そうした状況は一変し、世界中で多数の女性が歴史的な不便から解放されようとしている。

その原動力となったのは、タブーを恐れず事業を立ち上げた起業家たちだ。最近、実話に基づいた、彼らの奮闘を描いた映画とマンガがともに注目されている。

映画のほうは、すでにあちこちでレビューされているインド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』(R・バールキ監督)である。

インドの田舎町で小さな工房を共同経営するラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、新妻のガヤトリが生理の際に古布を使っていることを知る。不潔な布は不妊の原因になる場合があり、命にかかわる病気につながる恐れもある。妻は、市販のナプキンは高すぎて使えないと言う。そこでラクシュミは安くて清潔なナプキンを作れる機械の研究を始める。

ところが研究に没頭するあまり、いろいろ常識外れな行動をしてしまい、町の人々から非難され、助けてあげたい妻にまでやめてほしいと言われてしまう。諦めきれないラクシュミは一人都会に旅立ち、そこで成功の糸口をつかむ。ついにナプキンの製造を実現させ、妻だけでなく、インドの多数の女性を衛生面の危険から救う。

ラクシュミのモデルとなったアルナーチャラム・ムルガナンダムさんは2014年、米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、2016年、インド政府から国民栄誉賞に当たるパドマシュリ賞を授与されている。

著者 : 小山健
KADOKAWA
発売日 : 2018-06-11

一方、日本の女性起業家の活躍を描くのは、マンガの小山健『生理ちゃん』(KADOKAWA)である。ウェブメディア「オモコロ」に掲載されて人気になり、昨年6月に書籍化された。

人気の一番の理由は、女性の生理を「生理ちゃん」というキャラクターに仕立てた奇抜な発想だろう。仕事がどんなに大変でも、部活がどんなに忙しくても、必ず月に一度、女性の自宅に「どーも生理です」と訪ねてくる。そしていきなり強烈なパンチをお見舞いし、巨大な注射器で血を抜き取る。つらい生理痛や貧血の比喩だ。厄介なお客だが、悩む女性を慰めたり、理解のない男性を懲らしめたりもしてくれる。

このマンガに「おばあちゃんと生理ちゃん」というエピソードがある。

2020-04-06

日本の構造問題

日本が今後、世界同様、コロナ感染拡大に見舞われたとしても、本当の変化は経済によって起こるだろう。量的金融緩和は他国と同じく失敗しつつある。観光と消費で構造問題は隠せない。政府債務は増加し、税は上がり続ける一方。ケインジアン政策は役立たずをさらけ出している。
Japan Has Avoided a COVID-19 Panic. But the Global Recession Will Hit Hard | Mises Wire

日本でアベノミクスへの失望が明らかになってきた。バブル崩壊から30年続き、安倍政権下で加速した拡張的な財政金融政策は、経済回復を実現していない。実質成長率は1990年から年1%前後、実質賃金は1998年から平均年0.5%低下。本来我慢強く礼儀正しい日本人もいら立っている。
Japanization: 30 Years of Failed Economic "Stimulus" | Mises Wire

バブル崩壊後、日本は経済介入の弾薬を使い果たし、何も達成できないどころか、結果は逆効果で失望するものだった。理由は明白。この30年、構造改革が実行されず、経済の自由化も、労働市場の自由化も、種々の規制緩和も、広範な減税も、財政支出の削減もされなかったからだ。
The Japanization of the European Union | Mises Wire

日本の経済成長と生産性の低下は、少子高齢化が原因ではない。過去30年に及ぶ超拡張的な財政金融政策が投資家の不確実性を高め、市場による生産資源の効率的な配置を妨げ、資本の基盤を侵食したことによる。労働市場の厳しい規制もグローバル化加速の中で資本の逃避を招いた。
Japan’s Productivity Has Been Slashed By Government Meddling, Not Demographics | Mises Wire

カリフォルニア社会主義共和国?

米国を社会主義の天国にしたいのなら、まずカリフォルニア州が独立国になって試してみよう。国民皆保険、グリーンニューディール、大学無料化、手厚い生活保護。生産力は衰え、増税は必至だ。富裕・中間層は国外に去る一方、無料の特典を求めて非生産的な貧困層が押しかける。
Let's Give Bernie-Syle Socialism a Try in California First | Mises Wire

米オレゴン州南西部の農村地域の郡の住民らが、隣のアイダホ州に編入し、北カリフォルニアの一部を含む「大アイダホ州」の創設を求める請願を準備している。これはバージニア州農村地域の住民らが同州の銃規制に反対し、ウェストバージニア州への編入を求めたのに続く動きだ。
Greater Idaho Movement Is the Latest Indicator of a Shift toward Decentralization | Mises Wire

米国ではしばしば、最も問題のある州に合わせて全国的な政策が決定される。銃や麻薬の規制がそうだし、新型コロナ対策もそうなるだろう。これは州の独立性が低いからだ。一方、欧州連合のように国が分権化されていると、政策競争を通じ、優れた国の制度が他の国の手本になる。
Coronavirus: The EU Is No Longer a Border-Free Zone for Member Countries | Mises Wire

スイス憲法の特徴は、市民に連邦所得税と付加価値税を課す中央政府の権限が、ほぼ10年ごとに期限切れになることだ。権限延長は国民投票で承認を得なければならない。20世紀半ばに中央政府がこれらの課税権限を得た際、有権者は有効期限と最高税率を憲法に書き込むよう求めた。
The US Constitution Needs an Expiration Date | Mises Wire

専業主婦バッシングはなぜ誤りか 経済に貢献しないというウソ

主婦の半数以上が「後ろめたさ」を感じている


最近、専業主婦に対する風当たりが厳しい。昨年12月13日放送の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で紹介された、しゅふJOB 総研が専業主婦・主夫を対象に実施したアンケート調査によると、「専業主婦・主夫であることに、後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことがある」と答えた人は25.4%、「少しはある」も31.2%に上った。つまり、専業主婦・主夫の半数以上が罪悪感を感じているというわけだ。

罪悪感を感じる人は、共働きが当たり前になった若い世代ほど多く、「収入がないことに常に後ろめたさを感じていた」といったコメントが目立つという。

このアンケートとは別に、専業主婦に対しては「税金を納めていない」「国内総生産(GDP)の増大に貢献しない」という批判もときどき聞かれる。


しかし、こうした批判は正しくないし、専業主婦が罪悪感を抱く必要もない。金銭的な収入がなく、税金を納めず、GDP増大に貢献しないからといって、専業主婦に社会的な価値がないなどということはない。

2020-04-05

在宅教育の発達

米国では在宅学習の技術がこれまでになく発達している。グーグル・クラスルーム、カーンアカデミー、デュオリンゴ、ズームなどのオンライン教育サービスが在宅・非学校教育で長年使われてきた。これらのサービスは学校でも使われ、コロナ拡大に伴う在宅学習で活用されている。
Homeschooling Is Changing My Child—In a Good Way - Foundation for Economic Education

米非営利組織シティ・スクールハウスは、個人の寄付と地域慈善団体の支援を得て授業料を補助する。大半は無料。生徒の多くは低所得の母子家庭からだ。午前はIXLやカーンアカデミーなどオンライン教育で学び、午後は問題解決学習。学校の勉強の遅れを短期で取り戻す子もいる。
The Innovative School That’s Helping Low-Income Families Educate Their Children - Foundation for Economic Education

コロナ拡大に伴う在宅学習では、学校教育を再現しようとしてはいけない。親は子供が学校よりもずっと少ない時間で必要な学習を終えるのに気づくだろう。子供は他の経験や洞察から多くを学ぶことができる。遊びは学びの大切な手段だから、遊びの時間をたっぷり取ってあげよう。
I Homeschool My Kids. Here Are 6 Ideas For Parents While Schools Are Closed | Cognoscenti

1665年、ペスト流行で英国の大学は休校となり、ケンブリッジ大の学生だった24歳のニュートンは故郷に帰った。大学教育から自由になった彼は研究に没頭。微積分を発見し、万有引力の理論を築き、光学を探究する。ニュートンは後年、当時は勉学にとって最高の時だったと語った。
How Isaac Newton Turned Isolation From the Great Plague Into a “Year of Wonders” - Foundation for Economic Education

国境を引き直す

経済学者ミーゼスによれば、移民問題の解決策は、既存の固定された国境間における移動の自由ではない。民族自決の原則に従い、国境を引き直し続けることにある。そうなって初めて、資本主義が求める世界的な労働力の再配置は、政治対立を招くことなく、平和に行われるだろう。
Mises on Nationalism, the Right of Self-Determination, and the Problem of Immigration | Mises Wire

国境が正当化されるのは、市民の自発的同意に基づく場合だけである。国境をできるだけ正当なものにするには、分離独立の権利を保護しなければならない。より大きな国から飛び出し、自分たちの独立国をつくる権利だ。分離独立を認めなければ民族自決は絵に描いた餅でしかない。
Mises, Rothbard, and Catalonia | Mises Wire

欧州連合(EU)は創設当初から、自由貿易や自由競争を好まなかった。そうでなければ、何万ページもの規則や規制は必要ない。生産性と企業の成功を罰し、怠惰と失敗を賞し続ければ、結果は悲惨だ。経済危機が頻発し、最後は崩壊するだろう。英国の離脱はその始まりにすぎない。
Put Your Hope In Radical Decentralization | Mises Wire

欧州文明の重要な特徴は、政治権力の分散だ。内部に境界の少ない大国はたしかに、取引コストの小さい大市場になりうる。だが権力の集中はリスクをもたらす。規制、課税、ときには財産没収による取引の抑圧だ。中世の欧州は国家と教会、王と貴族の勢力争いで権力が分散された。
"Political Anarchy" Is How the West Got Rich | Mises Wire

売春の規制とセックスワーカーの権利 性産業の市場経済を考える

フランスでは初となるセックスワーカー(性労働者)のための祭典が11月初め、パリで開催された。セックスワーカーたちの権利向上とともに訴えたのは、政府の規制強化に対する批判だ。

フランスは2016年4月の売春法改正で、買春した客に最高1500ユーロ(約19万円)の罰金を科す罰則を導入した。再犯なら倍額以上の罰金が科される。

AFPの報道によれば、セックスワーカーの労働組合「STRASS」の広報担当者は「この法律によって性労働者たちは収入が減り、暴力にさらされやすくなった」と批判。法改正のためにセックスワーカーたちが警察署から離れた人目につかない場所で客と会わざるをえなくなり、暴力の被害に遭いやすくなっているという。

女性の権利を守れと叫ぶ人々は、しばしば売春を「性の商品化」「性的奴隷」などと非難し、政府に規制を求める。しかし、フランスのセックスワーカーが訴えるように、売春を規制すれば、貧しく、他に生活手段のない女性をかえって苦しめることになる。



2020-04-04

政府の役割

古典的自由主義では、政府の目的・役割とは、個人の生命、自由、市民が正当に取得した財産の保護と考えられている。これには公平で平等な法の支配を含む。この義務と責任を超えるいかなる政府の行為も、自由な個人の行動と意思決定に対する政治権力による侵害を必然的に伴う。
Leaving People Alone Is the Best Way to Beat the Coronavirus – The Future of Freedom Foundation

コロナ危機で今すぐ必要な改革。⑴危機克服に必要な製品への関税の全廃⑵疾病検査と医療革新における国家独占の廃止⑶病院とベッドに対する制限の撤廃⑷買いだめと品不足をもたらす「便乗値上げ禁止法」の廃止—。国民の安全を保ちつつ、経済を回復させるあらゆる手を打とう。
Economic Theory in Time of Crisis – AIER

大衆の欲求を押さえつけ、共通の大義のために命令・統制すれば、望んだ目標を首尾よく達成できるかもしれない。しかしその代わりに何が犠牲になるのか。他に採りうる手段はないのか。それらについて話すことは道徳的判断の欠如を意味しない。むしろ思慮深い道徳的思考である。
The Planner's Problem and the Allocation of Essential Supplies During a Crisis - Coordination Problem

政治家が「便乗値上げ」規制で防ごうとする価格の上昇は、メーカーがもうひと働きして製品の生産を増やし、市場で売る励みになる。一方で価格上昇は、消費者が製品をより慎重に使うよう仕向ける。だから規制による価格引き下げは、むしろ製品が入手困難になるのを手助けする。
Florida Cracks Down on “Price Gouging” at the Worst-Possible Time – AIER

起業家に自由を

起業家は驚くべきことをやってのける。それには自由な市場が必要だ。米国では国民の安全を守るという理由で正当化された規制により、コロナ危機の中、ウイルス検査の実施が妨げられた。規制が一部解除されると、すぐさま起業家が参入し、たちまち目覚ましい成果をもたらした。
Entrepreneurs Can Solve Our Biggest Challenges—If Government Gets out of the Way - Foundation for Economic Education

起業家になるチャンスは誰にでもあるわけではない。一連の基本スキル、知識、習慣を身につけるには長い年月がかかる。リスクを取り、長時間働き、重要な判断を行うには一定の育てられ方が必要だ。子供時代に家族や親戚と働き、実践知識を学べば起業家になるうえで有利になる。
The Entrepreneurial Advantages of Building Human Capital While Young | Mises Wire

新古典派経済学が前提とする完全競争の下では、新しい生産方法や新商品が市場に出現することはありえない。現実の競争ではチャンスをつかむ者も逃す者もいる。市場の状況をよく知っている起業家も知らない起業家もいる。消費者の変化にすばやく反応できない起業家は失敗する。
Why Entrepreneurs Miss Market Opportunities | Mises Wire

経済は工場の管理とは違う。経済にとって重要なことは、生産工程がうまく稼働する前に起こる。今見える生産活動は、氷山の一角にすぎない。市場作用が絶えず働き、非効率で不適切な生産方法を淘汰した結果、残ったものだ。利益と損失は、どの生産方法が生き残るかを左右する。
The Economy Is Not a Factory—Nor Should We Try to Make It One | Mises Wire

台湾の知恵

コロナウイルスの震源地、中国に近い台湾が感染症封じ込めに成功している理由は、一つには昨年12月末と早くから情報開示を行った点。隔離はほぼ市民の自主判断に任せており、政府が強制はしない。イタリアやスペインとは違い、感染拡大を防ぐために経済活動を妨げてはいない。
Why Taiwan Hasn't Shut Down Its Economy | Mises Wire

米国ではペンシルバニア、ニューヨーク、カリフォルニア、ニュージャージー、コネチカット州などでほぼすべての企業が閉鎖されている。国民に現金を配っても、商品の供給がなければお金は役に立たない。企業活動を自由にし、商品不足を避けないと、社会不安を起こしかねない。
Back to Work by March 30: A Coronavirus Imperative | The American Spectator

コロナウイルス拡大の下で、自宅にとどまり、店舗を休業し、医療機器を寄付すれば、たしかに人の助けになるかもしれない。だがそれらを強要するのは財産権の侵害である。それは単純明白な犯罪である。罪のない人を家に閉じ込めたり、事業をやめさせたりする権利は誰にもない。
What Would Rothbard Say About the COVID-19 Panic? | Mises Wire

コロナウイルス感染拡大が、金融エリートのめざす現金廃止に利用されようとしている。現金にはウイルスを運ぶシラミが付着するので危険だという。馬鹿げた話だ。ウイルスはクレジットカード、デビットカード、スマホ、ATM、その他さまざまなキャッシュレス機器にも付着する。
Coronavirus Being Used to Scare You Away From Using Cash

党派と特権(アダム・スミス)

アダム・スミスによれば、あらゆる党派は権力と特権を手に入れ、手放すまいとする。最有力の党派は思想的な熱狂に突き動かされ、憲法の全面改造を決定し、その実現へ暴力を使う。統治者はあたかも巨大な将棋盤に駒を並べるように人間を管理しようとし、悲惨な結果をもたらす。
Adam Smith on the dangers of faction and privilege seeking (1759) - Online Library of Liberty

アダム・スミスによれば、社会の中低位層が暮らすには法を破ってはならない。つまり他人の財産権を尊重し、不正な行為を慎まなければならない。一方、社会の最上位層である政治家や軍人は法の制約なしに振る舞う。詐欺、虚言、陰謀、殺人、暗殺、反乱、内戦で権力を手にする。
Adam Smith thinks many candidates for high political office act as if they are above the law (1759) - Online Library of Liberty

17世期英国の思想家アルジャーノン・シドニーによれば、絶対君主の下では、人々はまるで牛の群れのように扱われる。人々が養われるのはただ、君主にとって利益になるように、役に立つようにである。すなわち、丈夫でよく働くようにするためか、屠殺して食肉にするためである。
Algernon Sidney on how the absolute state treats its people like cattle (1698) - Online Library of Liberty

米社会学者サムナーによれば、19世紀後半の米国を支配した富豪階級は、実直な労働ではなく、金力と政治力を使って利益を得た。大物は保護主義者と、公共事業で高額な契約を結ぶ大手の業者だ。小物は政府から税金を財源とする仕事をもらったり、ロビー活動で特典を得たりする。
William Graham Sumner on the political corruption which is “jobbery” (1884) - Online Library of Liberty

「投機」とは何か? 本質的には誰もが投機家であり、人生とは投機の連続だ

投機と投資の違いを知っていますか


投機という言葉は評判が悪い。マネー系のコラムなどでよく見るのは「投機と投資は違う」という解説だ。「長期での収益拡大を見込んで資金を投じるのが投資、短期的な値動きに着目して利益を得ようとするのが投機」などと区別し、リスクの大きな投機でなく、堅実な投資を心がけましょうとお説教する。

けれどもこの解説は、長期と短期の区別が曖昧だし、投機は投資よりリスクが大きいとも限らない。東証1部上場の有名企業の株を長期投資で10年持ち続けたら巨額の不正経理が発覚して倒産し、株が紙切れ同然になって財産が吹っ飛んでしまう場合もあるだろう。午前に買って午後売るデイトレードなら、損をしてもたかが知れている。


このように投機は、曖昧な根拠に基づいて、なんとなく悪いものとされる。それと同時に、相場師やヘッジファンドの運用者、デイトレーダーなど投機をなりわいとする特殊な人(投機家)が行うもので、普通の市民には縁のないものと考えられている。

しかし、その考えは正しくない。人は誰でも自分の意思を持って生きている限り、広い意味では投機家である。なぜなら、未来は常に不確実だからだ。

2020-04-03

ブラック企業をなくす最善の方法とは? M&Aとハゲタカファンド

ブラック企業叩きで損をするブラック企業社員


今、世の中で一番の嫌われ者といえば、ブラック企業だろう。ネット上で叩かれない日は珍しいくらいだ。先日も台風の中、出社を強制するブラック企業があるといってさかんに非難されていた。

最初に断っておくと、労働条件の悪い会社を安易にブラック企業と呼び、やたらとバッシングする風潮を私は良くは思わない。


もちろんそこで働く人は不満や怒りを抱えるだろう。しかし外野からブラック企業のレッテルを貼られてイメージが悪化し、客離れが起きて業績が悪くなれば、割を食うのはすでにそこで働いている社員自身だ。待遇が悪くなることはあっても、良くなることは決してない。

最悪なのは、世間のブラック企業叩きを受けて、政府が規制に乗り出すことだ。労働は政府の画一的な規制にはなじまない。

労働時間ひとつとっても、人がどの程度の長時間労働を受け入れるかは、仕事の性質ややりがい、ライフスタイル、健康状態や家計の状況などによって千差万別だ。一律に制限すれば、それ以上働きたいという人の人生設計を狂わせるだけでなく、経営効率が悪化し、海外企業をはじめ、競合との戦いが不利になって、結局は大幅なリストラを強いられかねない。

ブラック企業の社長に就任し、業務改革を進める魔王たち


ブラック企業のもっと良いなくし方はある。政府の力に頼らず、会社自らが変わることだ。ただし、それには必要なことがある。ベニガシラ他『魔王などがブラック企業の社長になる漫画』(一迅社)を読むと、そのヒントがわかる。

ツイッターで話題になり、15万リツイート、20万いいねを獲得したという「魔王がブラック企業の社長になる漫画」など全9編を収める。魔王をはじめ、現実にはあり得ないさまざまなキャラクターがブラック企業の社長に就任し、大胆な業務改革を進める。

魔王社長は、仕事が終わらないと徹夜を覚悟する社員に対し「愚かなり人間」と一喝。仕事に優先順位をつけたうえで「体調を万全にして戦うのは常識である」と帰宅を命じ、魔法で瞬時に自宅まで送り届ける。会社の業績が大幅にアップすると、「成果には対価を与える。これは上に立つ者の義務である」と人間たちにボーナスをはずむ。

外国からやって来たお姫様社長は、古いパソコンをすべて最新機器に取り替えたうえ、それまでのサービス残業分の給料を自分のポケットマネーで払ってくれる。人間を孤独に陥れようとたくらむ「邪神ちゃん」社長は、大勢の社員が集まるだけで内容に乏しい会議を、世代間交流を深めるための儀式と誤解。会議の廃止を命じ、報告は文章で簡潔に行い、打ち合わせは極力少人数で済ませよと指示する。

2020-04-02

「お金が社会を分断する」は嘘。むしろお金は人の絆を結ぶ

似たり寄ったりのお金論に一石を投じた作品


佐藤航陽『お金2.0』(幻冬舎)がベストセラーになるなど、お金に対する関心がこれまでになく高まっている。終わりの見えない超低金利、福祉政策への不安、仮想通貨のブームなどが背景にあるようだ。

さまざまな文化人、著名人がお金について論じる。けれどもたいてい似たり寄ったりだ。「お金だけで幸せにはなれない」「お金は貧富の差を作り出す」「お金のない社会のほうがいい」といった否定的な意見か、逆に「愛だって金で買える」「結局は金を持っているものが勝ち」というワルぶった主張である。どうも素直でない。


そうした中で、ユニークなお金論がマンガで登場した。高田かや『お金さま、いらっしゃい!』(文藝春秋)である。

 

作者が育ったお金のない“カルト村”とは?


デビュー作『カルト村で生まれました。』で注目された作者は、農業を基盤とした生活共同体で生まれ、19歳まで育つ。所有の概念を否定しユートピアを目指すその村には、お金が存在しなかった。村の中では物は共有で、お金のやりとりは一切必要なし。子どもの小遣いも存在せず、抜き打ちの引き出しチェックでお金を隠し持っているのが見つかると即没収された。

日常的にお金が近くにない生活をした作者は「特別な物」「滅多にさわれないすごい物」としてお金に憧れ、やがてお金が大好きな大人になる。作者にとってお金は常に不動の上位にあり、その価値は揺るぎようがなく、「お金リスペクト」は変わらないとはっきり書く。本心ではお金が大好きなくせにお金に対し屈折した物言いしかできない文化人などに比べ、自然体で好感が持てる。

19歳で両親とともに村を離れ一般社会に出た作者は、病院の調理補助のパートで働き始め、初めてもらった13万円の給料に感激する。それ以降、東京・新宿の百貨店を回って気に入った服を納得いくまで選んだり、結婚してからは下町の八百屋や魚屋で安く買い物したり、お金の賢い使い方をエンジョイする。

そんな作者はお金について、とても深い洞察をしている。

2020-04-01

モンゴル帝国のユーラシア・ネットワーク

2019年9月12日、ロシア極東ウラジオストクで、モンゴルのバトトルガ大統領が中国の習近平国家主席と会い、「モンゴル・中国・ロシア経済回廊」の建設推進をあらためて確認した。

モンゴル・中国・ロシア経済回廊は、3カ国にまたがる交通インフラ整備プロジェクト。モンゴルは2014年、モンゴル国内での高速道路や送電線網、パイプラインの敷設などを柱とする「草原の道」構想を策定したが、2016年、これを中国が進める経済圏構想「一帯一路」とロシアの大陸横断交通に結合することで合意した。

経済回廊とは、国を横断したり国境を越えたりして、人や物が活発に移動できるように道路や鉄道などのインフラを一括して整備する構想を指す。ユーラシア大陸に位置するモンゴル、中国、ロシア3カ国は現在、その実現に向けて動いているわけだが、歴史をさかのぼれば、今よりも自由に人や物が互いの地域を移動できる時代があった。モンゴル帝国の時代である。

13世紀の初め、モンゴル高原北部のモンゴル族の中でテムジンが勢力を伸ばしてモンゴルの諸部族を統合。有力首長の会議クリルタイで君主(ハン)に選ばれてチンギス・ハンと称し、大モンゴル国(モンゴル帝国)を建てた。

機動力に富む軍を組織したチンギス・ハンは、華北を支配していた金を攻撃し、ついで西方でトルコ系騎馬遊牧民のナイマンを滅ぼして併合。さらに西トルキスタンからイラン高原で勢力を伸ばしていたホラズム朝を瓦解させ、軍を東に返して西夏を滅ぼした。その結果、中央ユーラシア世界の東部と中央部の騎馬遊牧民の大部分はチンギス・ハンのもとに結集した。

チンギス・ハンの死後、彼の息子や孫、弟たちの子孫に率いられたモンゴル人は東西で征服活動を続け、支配領域を拡大。13世紀の後半には、ユーラシア大陸の過半を支配する大帝国が出現した。

各地域には、チンギス・ハンの孫で大ハンを名乗るフビライ・ハンが支配する東部の大元ウルス(元)のほか、カザフ草原・南ロシア草原のキプチャク・ハン国、イラン高原のイル・ハン国、中央アジアのチャガタイ・ハン国などが形成された。これらハンたちは互いに争うこともあったが、おおむねフビライ系の大ハンの権威を認め、緩やかな連携を保った。

モンゴル帝国が短期間に急拡大した理由として、敵と見れば殺す残忍さで征服を繰り返したためと言われることがある。しかし最近の研究によれば、そうした見方は正しくない。モンゴル史が専門の杉山正明氏は、実際のモンゴルは情報戦・組織戦を重視してなるべく実戦せず、流血を避ける「戦わない軍隊」だったと述べる。


モンゴルにとって戦争は仲間を増やし、領地や戦利品を手に入れる機会だった。降伏した敵軍はモンゴルの戦力に、都市・農村の商人や農民は財源・労働力になったので、なるべく敵味方とも損害を出さないよう計画を練って征服活動を行なった。このためバグダッドに立てこもったアッバース朝カリフを処刑したように、抵抗した者には厳しかったが、みずから進んで服従した者には従来の権利や地位を保証し、支配層に加えて「モンゴル」として待遇した。

2020-03-29

リスクの最小化

自由な社会が繁栄してきたのは、個人に危機対応のさまざまなやり方を認めたからだ。あるものは成功し、あるものは失敗する。その結果、リスクが最小化される。政府による単一の対応策は、リスク最小化を困難にする。これは馬鹿げたやり方だ。誰にも未来はわからないのだから。
COVID-19: The "Experts" Have No Crystal Ball | Mises Wire

コロナ対策には他にもっと穏健な手段があるのに、政府はなぜ店舗の閉鎖に熱心なのだろう。理由の一つは、法的・政治的コストが安いからだ。店舗閉鎖に対し法的・政治的手段で組織的抵抗を試みる人々はほとんどいない。恐怖は政治家の強力な道具だから、危機を無駄にはしない。
Fear Makes It Easy for Governments to Expand Power | Mises Wire

コロナ感染拡大の下で自主的隔離を行うのはもっともだ。理解できないのは、カリフォルニア州などのように店舗を閉鎖させ、違反には罰金を科すことだ。これでは雇用を増やしたアマゾンも操業できない。インフルエンザと同じく、手洗いとうがいを励行し、人混みを避ければ済む。
The State Has Seized Many New Powers. It Won't Let Go of Them Easily. | Mises Wire

コロナ対策で多くの国が店舗の閉鎖を命じているが、これは大量倒産への道だ。経済の停滞と失業は人命を危うくする。今直面する厳しい選択は、短期間での多くの死と、貧困がもたらす長期間でのさらに多くの死のどちらを選ぶかだ。一刻も早く、普通の企業活動に戻る必要がある。
The Government's Pandemic Strategy Is a Reckless One | Mises Wire

2020-03-27

わかりやすくて単純な答え

あらゆる複雑な問題には、わかりやすくて単純な答えがあるものだ。そしてそれは間違っている。(米ジャーナリスト、H・L・メンケン)
*何でもかんでも一斉一律の自粛要請とか。

政治の目的とは、次々と果てしなく現れる怪物で大衆を怖がらせ、安全を求めさせることに尽きる。怪物のほとんどは張りぼてなのだが。(米ジャーナリスト、H・L・メンケン)
*今日のコロナ騒動を見越したような。
 
善良な政治家というのは、正直な泥棒と同じくらいありえない。(米ジャーナリスト、H・L・メンケン)
*ふだんよからぬことばかり考えている政治家が、非常時に限って立派になるわけがない。

あらゆる選挙は、盗品を前もって売りに出す競り市のようなものである。(米ジャーナリスト、H・L・メンケン)
*当選した政治家は税金を巻き上げ、それを何らかの形で支援者に分け与えるから。

12 Naughty Quotes from H.L. Mencken on Government, Democracy, and Politicians - Foundation for Economic Education

2020-03-26

文明の終わり

アダム・スミスが指摘したように、分業は経済発展のカギである。ところがコロナ対策で、世界中の政府は分業をやめさせようとしている。貿易に依存するアフリカなどには大打撃だ。人間はコロナウイルスを克服できるが、分業なしには生きていけない。それは文明の終わりである。
The End of Civilization? | Mises Wire

コロナウイルス拡大に対する政府の基本姿勢は、最悪のケースを想定して行動することだという。これは政府当局者が直面する誘因に照らせば、完全に論理的である。市民が感染症で死ねば、当局は非難される。けれどもコロナ対策のせいで経済が崩壊しても、責められることはない。
The Costs Are Mounting in this Government-Imposed Economic Collapse | Mises Wire

コロナ対策の各種規制は短期間だと政府は言う。しかしもし長引けば、経済への打撃ははかりしれない。本当の脅威はコロナウイルスそのものよりは、コロナ対策がもたらす多くの倒産や失業である。政府が救済に乗り出せばインフレを招き、貧困と健康状態の悪化をもたらすだろう。
Diseases Are Bad. Government-Forced Shutdowns Are Often Worse. | Mises Wire

コロナウイルス発生に対し中国の官僚は問題の解決より隠蔽を優先した。西側諸国もほめられたものではない。イタリアの社会主義的な医療制度は経済の供給ショックに備えがなく、崩壊した。シンガポールとチェコでは政府が値上げ規制に乗り出し、マスクの供給がほぼなくなった。
We're Learning Why Governments Can't Be Trusted with Health Crises | Mises Wire

2020-03-25

社会主義というウイルス

あるジャーナリストいわく「感染爆発のときには我々はみな社会主義者だ」。ご免こうむりたい。コロナウイルスより悪質な社会主義というウイルスを喜べるわけがない。彼によれば、医療で利益を追求するのは誤りで、政府にすべて任せればより良い医療をタダで享受できるという。
A Virus Worse Than the One from Wuhan - Foundation for Economic Education

コロナウイルスは経済に悪影響を及ぼしうるものの、感染拡大が一時的で経済が強ければ、心配はいらない。ウイルスが制御されれば、経済は立ち直る。問題はリーマンショック以降、政府の銀行・企業救済策で歪んだ経済の構造だ。米政府・中央銀行が直面するのはこの構造問題だ。
COVID-19 Isn’t the True Culprit of the Coming Recession - Foundation for Economic Education

コロナウイルス危機で明らかになったのは、人々の有益な行動を阻む、奇妙で理解しがたい障害の存在だ。医療関係者の州外での活動を禁止する法律、不必要な職業免許、ほとんどあらゆる経済活動を規制する官僚主義。これらの障害を一掃すれば、国民に現金を配るよりずっといい。
Flexibility Is Needed for Economies to Cope With COVID-19, Not $2,000 Checks - Foundation for Economic Education

人が自発的に協力し合う能力は、信じられないほど大きい。大人数の集会を禁じた地域もあるが、純粋に自発的な社会距離拡大は米国中に広がっている。通信技術がそれを助ける。寛容な多数の個人が、高齢者や持病を持つ人に野菜を届ける。コロナ危機を過度に悲観しなくてもいい。
Humanity Is Rising to the Challenge of the Coronavirus - Foundation for Economic Education

値上げ規制の害悪

物価高は不愉快だし不人気だが、それ自体が問題ではない。本当の問題は需要に供給が追いつかないことだ。価格上昇は一時的な苦痛を起こすけれど、メーカーに供給不足を知らせる。一方、「便乗値上げ」の規制は政治家の点数稼ぎにすぎず、品不足とそれに伴う苦しみをもたらす。
Price-Gouging Laws Will Do More Harm Than Good During the Coronavirus Pandemic – Reason.com

政治家が非難する便乗値上げとは、単に供給と需要の結果にすぎない。価格はつねに上下する。米国の多くの州の値上げ規制法には「過度の値上げ」の定義すらない。あいまいな法律は政治家に危険な権力を与える。献金をせず、言うことを聞かない経営者を罰することに利用できる。
Why Price Gouging Laws Are a Bad Idea – Reason.com

ボトムアップを本質とする価格機構は、トップダウンの管理なしに、多数の消費者と生産者の活動を調整できる。「便乗値上げ」規制で値上げが妨げられたら、必需品の不足が長引き、店頭に長蛇の列ができ、配給が行われるだろう。その結果、闇市場、犯罪、暴力がはびこるだろう。
Let Prices Rise to Combat the Coronavirus - Foundation for Economic Education

自発的な取引は、売り手と買い手のどちらも得をすると思うから成立する。買い手が高い値段でも払うのは、それ以上のメリットを期待するからだ。コロナ拡大でトイレットペーパーの需要が高まったのに、値上げが規制されたら、不要不急の分まで買い込む人が増え、品不足になる。
Anti-Gouging Laws Are the Reason There Is a Toilet Paper Shortage | Mises Institute

2020-03-23

小さな政府はどこに

米政府のコロナウイルス対策を受け、NYタイムズは「小さな政府の時代は終わった」と書いた。しかし連邦・州・地方の政府支出は1980年にGDPの32%で、2018年には37%。オバマ政権の経済対策で39%のピークをつけ、その後31%を下回ったことはない。新自由主義なんてどこにもない。
Never Let a Good Crisis Go to Waste | Mises Institute

中国政府のお粗末なコロナ対応は、管理主義、秘密主義、中央集権の弱点を明らかにした。中国経済では価値創造より政府とのコネが物を言い、事業の優先度を決める際に消費者の意向はほとんど無視される。金融緩和政策のせいで、生産力過剰な赤字の工場やゾンビ企業がはびこる。
The Chinese Regime Has Made China's Woes Much Worse | Mises Wire

米国で実施されたコロナ検査がこれまで国民100万人あたり23件なのに対し、韓国は同4000件以上だ。早期発見・隔離の効果で死亡率は0.7%にとどまる。2015年のMERS流行を教訓に改革を行い、非常時には民間で開発された検査方法を政府がほぼただちに認可できるようになっている。
Coronavirus Testing Delays Caused by Red Tape, Bureaucracy and Scorn for Private Companies | Cato Institute

米国でコロナ拡大に対し「パニックにならず冷静に」と呼びかけると、お堅い評論家から叩かれる。催しや会合を完全にやめさせることが本当に必要か。憲法違反ではないか。対策のコストは適正か。過剰反応ではないか。こんな疑問を口にしようものなら、怒りと嘲りの標的になる。
Coronavirus Panic: From Trillion-Dollar Paternalism to "Cash for Bunkers" | Mises Wire

イラク戦争のコスト

イラク侵攻直前の2003年3月16日、チェイニー米副大統領は戦争の費用を1000億ドル、期間を2年と見積もった。17年後の今も費用は膨らみ続けている。米議会予算局の2007年の試算では2.5兆ドル。経済学者スティグリッツらによる2008年の試算では控えめに見ても3兆ドル以上という。
17 Years Later: The Consequences of Invading Iraq - Truthdig

米政府は実質破産している。1兆ドルの財政赤字を抱えるうえ、コロナ対策で1兆ドルの支出を検討中だ。すでに6.4兆ドルも費やした中東での終わりなき不毛な戦争に、さらに税金を浪費するのはやめよう。イラクで米国人がまともな目的もなくこれ以上死ぬ前に、今すぐ撤退しよう。
On Iraq, is Donald J. Trump Morphing Into George W. Bush? | The American Conservative

米軍がイラクから撤退を求められているのに同国にとどまれば、国際法違反なうえ、イラク政府や国民の支持もない状態が続く。非協力的なイラク政府と、間に合わせの爆弾だけでなく今やイランのミサイルでも武装する敵対的なシーア派勢力により、米兵の生命は危機にさらされる。
It’s time to leave Iraq once and for all - The Washington Post

イラク議会が全会一致で米軍の撤退を求めたところ、米政府はこれを拒否。イスラム国(IS)と戦うため、望まれなくてもとどまると返答した。イラクに民主主義を建設するために巨額の資金を投じてきたのに、イラク議会が自分の意に反するや否や、民主主義に興味を失ったようだ。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : A Million Iraqis Asked Us to Leave. We Should Listen.

コロナと政府の失敗

コロナウイルスの危険に関する情報開示や検査体制の遅れは、市場の失敗ではなく、政府の失敗である。中国政府は警告を発しようとした医師を黙らせ、習近平国家主席を擁護した。米国では政府機関のFDAやCDCが、未認可であることを理由に、開発された検査キットの使用を妨げた。
To Kill Markets Is the Worst Possible Plan – The Future of Freedom Foundation

米疾病対策センター(CDC)は新型肺炎を解決できないどころか、解決の妨げとなっている。民間の研究室は長々とした認可手続きを経なければ何もできない。韓国は迅速な検査で早期治療とコロナウイルスの封じ込めに成功し、米国に協力を申し出たが、CDCからはとくに反応がない。
Government Is No Match for the Coronavirus | The American Spectator

米政府の規制のせいでコロナウイルスの検出作業は無駄に数週間も遅れた。連邦政府以外の研究室は当初ウイルス検査の開発が妨げられた。政府機関CDCの検査は判定に2〜7日もかかったうえ不正確。規制緩和で民間に開発を認めたところ、わずか8時間で判定できる方法が開発された。
A Government Monopoly Led to Botched COVID-19 Test Kits, but Private Labs Are Now Saving the Day - Foundation for Economic Education

コロナウイルス危機で消費者がマスクなどの買いだめを始めたら、小売店は値上げしなければならない。そうすれば消費者が本当に必要な量以上に購入するのを防げるし、メーカーが市場への供給を増やす励みにもなる。非常時だからこそ、市場には価格統制ではなく、自由が必要だ。
When demand soars, prices should too - The Boston Globe

経済制裁の非道

米国によるイランへの経済制裁は、コロナ感染の悪影響を加速させている。制裁が人道支援を妨げないというのは形式上は正しくても、実際には米欧の企業や銀行は禁輸違反の危険を恐れ、人道物資の輸出やそれに関する融資を避けている。イラン国民は必須の医薬品を入手できない。
Coronavirus Is Killing Iranians. So Are Trump’s Brutal Sanctions.

形式上、医療品は米国による経済制裁の対象外とされている。それは幻にすぎない。ベネズエラもイランも医療品をたやすくは輸入できない。コロナ流行下の禁輸は戦争犯罪であり人道への罪だ。イランはコロナ対策のアプリを開発したが、グーグルは制裁に配慮し販売中止を決めた。
Why Sanctions During a Pandemic are Cruel - CounterPunch.org

経済制裁という皆殺し政策は、国民と政府を同一視し、政府の罪を理由に国民を罰する。米国の経済制裁によって、イラクが国際市場で原油売却を妨げられた結果、原油価格が高騰し、米国の石油会社を潤した。経済制裁で利益を得るのは、互いに結託した政府と利益団体だけである。
Evil of Sanctions, The | Mises Institute

経済制裁の標的はその国の国民であり、政府ではない。1979年のイラン革命以来、禁輸が続いても、イランの政権は倒れなかった。キューバでも1960年から続く禁輸で政権は倒れずにいる。もちろん貧困の主因は社会主義だが、禁輸はそれを悪化させた。無意味な制裁はもうやめよう。
Trade Sanctions Are Both Immoral and Ineffective | Mises Wire

2020-03-20

便乗値上げは悪くない

災害時の「便乗値上げ」を規制すれば、希少な資源は消費者の購入の意志ではなく、店舗への物理的近さなどに基づいて分配されることになる。ハリケーン時のガソリン価格規制に関する研究によれば、消費者が規制で節約した代金より、待ち時間などの見えないコストが大きかった。
Coronavirus Outbreak: Government Should Not Set Price Controls | National Review

新型コロナに良い点があるとしたら、現代経済の仕組みについてじっくり考えるきっかけになることだろう。経済の繁栄は、専門化した多数の労働者による、調和のとれた日々の活動が生み出す。富とは簡単に作れるものでも、どこかに永久保存されて分配を待っているものでもない。
The Top Economic Takeaway of the Coronavirus Panic – AIER

政府が経済に介入しないまともな世界では、経済の減速は自動修正される。個人が消費に慎重になり、その結果、企業の使える資本が増えるからだ。平時でさえ政府の介入が役に立たないなら、有事にはますます役に立たないのは明らかだ。経済における唯一の不安要因は政府である。
Look Inward Politicians, the Only Economic Insecurity Is Government | RealClearMarkets

マスクなどの高値転売が許せないなら、どのような基準で物を配分すればよいか。必要に応じて? 自分の子に水を分けるなら、それでいい。でも他人の必要の大きさはわかりにくい。水を手に入れるチャンスが、必要の大きさを信じてもらえるかどうか次第だとしたら、なおさらだ。
The Ethics of Price Gouging - Bleeding Heart Libertarians

中国人敵視の誤り

中国が新型コロナの発生源だとしても、中国の人々のせいではなく、地方の医師らの警告を隠した中国政府の責任だ。それなのに国外で中国人や中国系市民が敵視される。彼らは毛沢東の社会主義による飢餓を生き延びた、勤勉な英雄だ。中国と戦争するのでなく、平和を取り結ぼう。
War on China? - LewRockwell

グローバル化で経済の相互依存が強まり、世界は平和になった。新型コロナをきっかけに、中国に製造拠点が偏らないよう見直すのはもっともだが、中国を世界経済から締め出すのは現実的でないし、経済的にも愚かだ。サプライチェーンの見直しは政府でなく企業自身が行うべきだ。
Commentary: Curbing globalization would compound coronavirus damage | Business | northwestgeorgianews.com

新型コロナの脅威は、経済的・政治的利益を得る人々によって誇張されている可能性がある。高齢者や持病のある人は用心するべきだが、似た状況は以前に何度もあった。政府は危機を大げさに言い立て、国民の自由を奪う口実にする。だが危機が去っても、自由を返そうとはしない。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The Coronavirus Hoax

米FRBは2008年の金融危機以来、大規模な金融緩和を行い、できることはもうない。新型コロナに対する破れかぶれで無力な試みが示すように、中央銀行は市場原理に基づく金融機構に置き換えなければならない。貨幣の価値、利率、銀行の行動や収益性は市場参加者に決めさせよう。
The Financial System Is Now Totally Dependent on Government Intervention | Mises Institute

経済危機の元凶

中央銀行が無からお金を作り出し社会に供給すると、市場経済では生まれないような活動を生み、偽りの好景気をもたらす。その間、経営資源は非生産的な活動に浪費され、経済を弱める。新型コロナはそれを加速させるだけであって、主因ではない。中央銀行こそ危機の元凶である。
The Coronavirus Won't Be the Cause of the Next Bust, but It Will Make It Worse | Mises Wire

金利はお金の貸し手が負うリスクと不確実性を埋め合わす。マイナス金利は中央銀行・政府の介入なしにはありえない。お金を人に貸して利息まで払う者などいない。文明には貯蓄と生産が必要だ。社会であまりに多くの人が借金し、生産を上回る消費をするとき、文明は壊れていく。
Negative Interest Rates are the Price We Pay for De-Civilization | Mises Wire

新型コロナは工場閉鎖など供給面にショックを及ぼす一方、需要面にも悪影響があり、金融危機を招く恐れがある。だが危機の真の原因は、不十分な預金準備を許容する部分準備制度、過大なリスクを取らせる預金保険、放漫経営につながる金融機関救済といった不適切な政策にある。
The Impotence of Monetary Policy Exposed yet Again | Mises Institute

新型コロナの影響で欧州経済が悪化すれば、イタリアやギリシャの国債格付けは引き下げを迫られるだろう。欧州中央銀行は保有債券に多額の損失が生じ、ユーロの信認は揺らぐ。ドイツや北欧諸国の一部は金を裏付けとする新通貨によって「新ハンザ同盟」を結成するかもしれない。
Could the Coronavirus Be Fatal for the EU? | Mises Wire

政権転覆の末路

NATOがリビア内戦で支援した反乱勢力の多くは、イスラム過激派に牛耳られ、暴力的な人種偏見を抱いていた。NATOはリビアの政府を崩壊させて国を不安定にし、アフリカ系移民が奴隷市場で売られる今の状況を生み出した。米欧主流メディアはNATOと米国の責任に口をつぐんでいる。
Whitewashing the West's Disastrous War in Libya | The American Conservative

米軍は10年以上もソマリアでイスラム過激派アルシャバブなどの武装勢力と戦っているが、米軍自身の監察によれば、東アフリカにおける武装勢力の脅威は衰えない。ブルキナファソ、マリ、ニジェールなど西アフリカはより深刻で、過激組織による暴力は過去2年間で3.5倍に増えた。
Pentagon Map Shows Network of 29 U.S. Bases in Africa

米軍がイランのソレイマニ司令官をテロリストとして殺害する発端となった、イラク軍基地への攻撃。米国はイラン系武装組織カタイブ・ヒズボラの仕業と責めたが、NYタイムズによれば、攻撃したのはカタイブ・ヒズボラではなく、過激派組織「イスラム国」(IS)だった疑いがある。
Lies, Missile Strikes and a Whole Lot of History - Antiwar.com Original

米国防総省は国家安全保障会議で、イラン革命防衛隊のテロ組織指定に反対し、もし国家組織である革命防衛隊をテロ組織に指定すれば、イランが対抗して米軍やCIAの高官をテロリストに指定するのを止められないと主張した。ところが会議の記録が改竄され、言い分は無視された。
How John Bolton and a Phony Script Brought Us to the Brink of War | The American Conservative

価格規制の害悪

危機における自然な価格上昇は、社会の利益を最大化する商品、サービス、資金を確保するのに欠かせない。政府が価格上昇を妨げれば、それは知らず知らずのうちに必需品の不足を生み出していることになる。そうした政府の介入は、人々が新型コロナから身を守るのを困難にする。
Supply and Demand, Hoarding, Price Gouging -- and the Coronavirus, by Veronique de Rugy | Creators Syndicate

新型コロナ拡大でマスクなどの価格が高騰するのは、社会にとって有益だ。過剰な購入や買いだめを抑えるとともに、シャープがマスク生産に参入したように、将来の供給増加を促進するからだ。価格高騰によって利益獲得の公算が高まれば、より多くの新規参入や増産が期待できる。
Coronavirus Anti-“Price Gouging” Madness | Cato @ Liberty

中国は独裁だからコロナ対策が見事だと言われる。それは間違いだ。迅速で強制的な行動が誤った情報に基づいていたり、人の生命や自由を尊重しなかったりすれば、悲惨そのものだ。分権的な意思決定は中央集権に勝る。情報収集にも地域の状況に応じた行動にもたけているからだ。
No, Authoritarian Governments Do Not Outperform "Open Societies" in a Crisis | Mises Institute

政府の権限拡大はたいてい、危機とそれへの対応に由来する。臨時の危機対策は危機が去ってもなくならず、恒久的な政策となる。新型コロナの感染拡大により、政府は移動と集会への規制を強めるだろう。そしてウイルスの危険が過ぎ去った後も、規制を残し、利用し続けるだろう。
Coronacrisis and Leviathan | Mises Institute

2020-03-14

コロナ以上の脅威

新型コロナとの戦いは、中国が監視とデータ収集の力を総動員するのに絶好の口実となった。問題はその後だ。伝染病が治まったとき、中国政府は新たに得た力を引っ込めるだろうか。歴史の教訓は明らかだ。どんな政府もいったん権力の拡大を認めたら、押し戻すのは不可能に近い。
Coronavirus vs. the Mass Surveillance State: Which Poses the Greater Threat? – The Future of Freedom Foundation

米政府は国民の健康を守るために、人をその意志に反して監禁することが認められるか。認められる。ただし憲法は法の適正な手続を求めている。つまり政府は、監禁されるあらゆる人のために裁判を開き、本人が感染し、他人への感染が差し迫っている証拠を示さなければならない。
Can the American government forcibly quarantine to protect the public from the coronavirus? - Washington Times

イタリアの医療は税金で賄われ無料だが、大病院だと診察までに数カ月も待たされ、病院数は減少を続けている。一方、韓国の医療は世界有数の自由市場だ。私立病院が急増し、1000人あたりベッド数は10とOECD平均の2倍以上。イタリアの3倍近い。医療価格は米国より30〜85%安い。
Markets vs. Socialism: Why South Korean Healthcare Is Outperforming Italy with COVID-19 | Mises Wire

カナダの医療はすべて税金で賄われ、患者の自己負担が一切ない。その代わり、治療を受けるのに時間がかかる。ローラという白血病の少女は、骨髄を提供するドナーが多く見つかったのに、病院から移植手術は1カ月に5件しかできないと言われた。ローラは待っているうちに死んだ。
Socialism Always Fails | Mises Wire

2020-03-13

在宅教育の大実験

新型コロナは在宅教育の意図しない大実験につながりそう。オンライン教育とともに注目されるのは、住宅を使う対面のマイクロスクール。生徒は複数年齢で、一度に最大でも8〜12人だ。プレンダ(Prenda)は米アリゾナ州で80校以上(生徒数約550人)を展開。州外進出も計画中だ。
Coronavirus May Lead to “Mass Homeschooling” - Foundation for Economic Education

ナイジェリアのラゴス州には1万4000校の安価な私立学校があり212万人の子供が通う。幼稚園児・小学生の70%だ。インドでも都市部で少なくとも70%、農村部で30%の子供が私立校に通い、その比率は年々高まっている。同国では9200万人の子供が45万校の低価格私立校に通っている。
Low-Cost Private Schools Are Revolutionizing Education for Millions of Children in Developing Nations - Foundation for Economic Education

19世紀半ばまで教育は幅広く多様で、画一的な学校教育が中心ではなかった。在宅教育が一般的だったが、それだけではない。米国の植民地・革命時代には、小さな「おばさん塾」や近所の台所を使った幼稚園が普通だった。家庭教師や徒弟奉公も盛んで、識字率はきわめて高かった。
Coronavirus Reminds Us What Education Without Schooling Can Look Like - Foundation for Economic Education

政府の補助がなければ貧しい子供は学校に行けないという主張がかりに本当だとしても、政府自身が学校を運営する必要はない。資金を提供し、私立学校への通学や在宅教育を可能にすればよい。公立学校とは、低所得者向け食費補助をやめ、政府が食料品店を経営するようなものだ。
Abolish Government Schools | Mises Wire

2020-03-12

中央銀行は社会主義

中央銀行は社会主義だ。社会主義経済の本質は政府による経営資源の配分である。その手段は、工場などの生産手段を直接支配するか、価格を固定するかだ。中銀は金利の操作でお金の価格を固定しようとする。それは金利が投資家に発するシグナルをゆがめ、偽りの好況をもたらす。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Central Banking is Socialism

新型コロナによる経済の供給ショックは、利下げや財政出動という需要サイドの政策では解決できない。バブルに油を注ぎ、GDPを人為的に膨らませるだけだ。中期では新たな経済危機を招くだろう。2009年、ユーロ圏では債務危機に対し大規模な財政支出を行い、危機拡大を招いた。
The Fed Panicked, and Its Rate Cut Is Making the Economy Worse | Mises Wire

新型コロナは、英国のEU離脱や貿易戦争と同じように、楽観的な経済成長見通しを下方修正する口実に利用されるだろう。すでに2019年10〜12月から欧州や日本、中国の経済は悪化していた。政府はウイルスという外敵を非難し、借金による支出拡大を景気対策として売り込むだろう。
Governments Are Using the Coronavirus to Distract From Their Own Failures | Mises Wire

新型コロナへの対応で金融緩和や財政支出より望ましいのは、税金・関税をはじめ商業・貿易に対する障害を今すぐ取り払うことだ。マスクなど必需品の値段は、便乗値上げなどと非難せず、上昇を認めなければならない。そうすれば利益の最も高い分野で生産が増え、需要を満たす。
Economic Policy Must Prepare for Pandemic Disease – AIER

国防予算の闇

米会計検査院によれば、国防総省は深刻な財務管理上の問題がある。昨年度は不完全な監査でも1300件以上の新たな問題が明らかになった。それでも同省は支出を大幅に増やした。24省庁のうち国防総省と住宅都市開発省だけが、浪費の調査以前に、資金使徒の確認さえできなかった。
The National Debt Is ‘Unsustainable’ and the Pentagon’s Finances Are a Total Mess, Federal Audit Says – Reason.com

米国の国防予算は、国防総省以外に振り分けられた分を合わせた実質値では1.21兆ドルで、公表値の2倍に達する。エネルギー省管轄の核兵器開発のように、多くは無駄遣いが指摘される。より多くの税金を国防に注ぎ込めと主張される一方で、国内インフラなどには予算が回らない。
Tomgram: Mandy Smithberger, Letting the Pentagon Loose With Your Tax Dollars | TomDispatch

歴史上最も高額な戦闘機であるF35は、製造元のロッキード・マーチンによれば、45の州で12.5万人の雇用を生んだとされる。実際に生まれた雇用はその半分未満だ。そのうち半分以上はカリフォルニア、テキサスの両州に偏っており、実のところ、雇用の多くは海外で生まれている。
Trump Is Trying to Ride the Pentagon Gravy Train to Reelection | Mises Wire

財政赤字の削減は誤った政策になりかねない。経済にとって重要なのは財政赤字の規模ではなく、政府支出の規模だ。政府が3兆ドルの支出を計画し、税で2兆ドルを賄えば、1兆ドル足りない。その分は他の方法で調達しなければならない。国債、通貨の増刷、新たな課税のどれかだ。
How Government Spending Destroys Wealth | Mises Wire

2020-03-10

監視社会のコスト

エドワード・スノーデン氏が暴露したように、米国家安全保障局(NSA) は米国民の電話通話に関するメタデータ(通話開始時刻、通話時間、電話番号)を収集している。2015年から2019年には1億ドルもの税金を費やしたにもかかわらず、役に立つ情報はほとんど提供できなかった。
The Costs of Spying - The Atlantic

ジニ係数など所得の不平等を測る尺度の多くは、特定の時点を対象としており、個人の人生における所得の変化を調べない。上位1%の金持ちに関する議論は、所得が一生変わらないことを暗黙の前提としている。地位で所得が決まる封建社会はそうでも、市場経済には当てはまらない。
Decrying Income Inequality Is a Tactic to Gain More Power for Government – AIER

NY市は3月1日からスーパーなどでプラ製レジ袋の提供を禁止した。だがプラ製のレジ袋や包みが市のゴミ全体に占める割合は1%弱でしかないし、プラスチックのごく一部にすぎない。5セントで買う紙袋は4回使わないとプラより環境負荷が軽くならないのに、たいてい使い捨てられる。
The Useless Ban the Useful - LewRockwell

警察の言い分によれば、街中に多数のカメラを設置し、車のナンバーを読み取ることで誘拐、車泥棒、テロ、殺人容疑者などに対応できるという。たしかに市民の安全は良いことだ。しかしそのコストはいくらなのか。個人の自由はどれだけ犠牲になるのか。憲法に脅威とならないか。
Big Brother grows alarmingly bigger - Washington Times

核戦争の危機

1962年のキューバ危機以来の核戦争の危機は、1983年、NATOが行った大演習「エイブルアーチャー(有能な射手)作戦」である。演習のふりをした先制攻撃かとソ連が疑い、核戦争の寸前まで行った。今年、NATOが準備中の演習「ディフェンダー2020」は同様の危機を招く恐れがある。
Threat of a US and Russian Nuclear War Is Now at Its Greatest Since 1983 - Antiwar.com Original

米国がロシアの脅威を煽る背景はカネだ。非営利団体NATO委員会は、1990年代に防衛大手企業ロッキード・マーチンの副社長、ブルース・ジャクソンがNATOの東方拡大を目指して創設した。2014年のクリミア危機で、米軍事産業は探し求めていた新たなロシアの脅威を大喜びで祝った。
The New Cold War With Russia Is All America’s Fault - Antiwar.com Original

米国はベトナムにきわめて重要な利益などなかったし、ベトナムの未来はその国民に任せるのが最善だった。ジョンソン大統領と側近たちにそれがわかっていたら、ベトナム戦争の悲劇は避けられただろう。今の中東での軍事介入も同じだ。中東の未来はその住民たちに委ねるべきだ。
Gene Genovese and Our Criminally Reckless Wars | The American Conservative

英名誉革命後、1689年の権利の章典は「議会の同意なしに、平時に常備軍を徴募し、維持することは法に反する」と明記した。革命で追放されたジェームズ2世の常備軍は、市民への攻撃に使われるのではないかと懸念されていた。後に常備軍を巡る意見対立でホイッグ党は分裂する。
Writings on Standing Armies | Liberty Fund

2020-03-09

アフガン戦争の教訓

長く不毛なアフガン戦争の教訓は明らかだ。すなわち、米軍の正しい使命は抑止と防衛である。もう二度と、自分好みの政治秩序を打ち立てるというあいまいな期待に基づいて、はるか遠くの国の政権を転覆することを、米軍の目的にしてはならない。それは終わりなき戦争への道だ。
Op-Ed: The American defeat in Afghanistan - Los Angeles Times

アフガニスタンのような広大で人口の少ない国を制圧するのはたやすくても、占領を何年も続けるのは別の話だ。ラムズフェルド、チェイニーらブッシュ政権の高官たちはアフガン制圧を急ぐあまり、占領のコストと困難を安く見積もりすぎた。その結果、勝てない戦争に身を投じた。
Afghanistan: Imagine There's No Future - Antiwar.com Original

米連邦政府は23兆ドルもの債務を抱える。福祉給付は予算をすべて食いつぶすだろう。アフガン戦争という徒労に注ぎ込む金はない。タカ派はこのコストを正当化しようと、かつては民主主義を世界に広めると言い、今は国際的混乱を食い止めると主張する。だがもう国民は信じない。
What We've Lost in Afghanistan | The American Conservative

米軍はアフガニスタンからもっと早く、むしろただちに、全面撤退するのが望ましい。介入主義の権力層が、敗れた戦争から急に撤退するのは非効率で危険だと不平を言っても、信用してはならない。占領を永遠に続けるためのごまかしにすぎない。進軍したなら、撤退だってできる。
Happy Afghanistan Surrender Day! - Antiwar.com Original

2020-03-08

正戦の条件(トマス・アクィナス)

中世の神学者トマス・アクィナスは戦争が正義にかなうための3条件を論じた。⑴君主は宣戦布告の正しい権限を有するか⑵損害の回復という正しい理由を有するか⑶善の推進または悪の回避という正しい意図を有するか—。これらはめったに満たされることのない厳しい条件である。
St. Thomas Aquinas discusses the three conditions for a just war (1265-74) - Online Library of Liberty

米社会学者サムナーは米国のスペインに対する戦争(米西戦争)を批判し、絶え間ない戦争、借金、課税、外交、大規模な政府制度、高慢な振る舞い、栄光、大きな陸海軍、浪費、汚職は、米国が意図したものとは正反対の結果をもたらすだろうと予言した。すなわち帝国主義である。
William Graham Sumner denounced America’s war against Spain and thought that “war, debt, taxation, diplomacy, a grand governmental system, pomp, glory, a big army and navy, lavish expenditures, political jobbery” would result in imperialsm (1898) - Online Library of Liberty

経済学者ミーゼスは、現代の戦争は限定戦争の時代に発展した国際法のルールからはるかに遠ざかったと嘆いた。妊婦や幼児にも情け容赦なく、無差別に殺害し破壊する。中立の権利を尊重しない。何百万人もが殺され、収容され、先祖の代から何百年も住んだ土地から追い出される。
Ludwig von Mises laments the passing of the Age of Limited Warfare and the coming of Mass Destruction in the Age of Statism and Conquest (1949) - Online Library of Liberty

米社会学者ロバート・ニスベットによれば、もし米建国の父たちが現代の米国を見たら、衝撃を受けるに違いないものが二つある。一つは、信じられないほど巨大な規模の軍事施設。もう一つは、怪物のように肥大し、州、都市、町の問題や個人の生活に介入する、中央政府の存在だ。
Robert Nisbet on the Shock the Founding Fathers would feel if they could see the current size of the Military Establishment and the National Government (1988) - Online Library of Liberty

2020-03-07

リヒテンシュタインの成功

リヒテンシュタインには11の村があり、それぞれ人口は400〜6000人である。村の自治権は強く、独自の法を制定し、税を課すことができる。各村には直接民主制が導入され、村民の5%の署名で住民投票が実施される。2003年の憲法改正で、すべての村に分離独立の権利が与えられた。
Why Liechtenstein Works: Self-Determination and Market Governance | Mises Wire

リヒテンシュタインは2度の世界大戦中、常備軍を持たない原則を貫いた。元首ヨーハン2世は第1次大戦中、オーストリア支援へ軍隊の復活を求める一部国民の圧力に抵抗した。強い親オーストリア世論やリヒテンシュタイン家とオーストリアの歴史的つながりからは驚くべきことだ。
Freedom and Prosperity in Liechtenstein: A Hoppean Analysis | Mises Institute

中世にフィレンツェとベニスが繁栄した当時、人口はそれぞれ7万人と11万5000人だけだった。海の交易路に恵まれ、小国のハンデを貿易で補った。現代のカリブ海の国バルバドスは人口30万人だが、経済は栄え、政治は安定し、子供はほぼ全員が高校まで卒業し、寿命は米国並みだ。
Is Iceland Too Small? An Icelander Says No. | Mises Institute

歴史上、小国が大国の侵略を防ぐためにとった手段は、一時的な連合や相互防衛である。たんに防衛条約・連盟・同盟を結ぶだけで、十分な抑止力になることもある。大国にとって多数の小国を征服するのは、ただでさえ難しい。小国が協力して自衛にあたれば、さらに手強いだろう。
Small Is Better: A Review of Human Scale Revisited | Mises Institute

軍事型社会という現実(スペンサー)

英社会学者スペンサーによれば、平和な取引に基づく産業型社会では、国家による行政は存在しないか極度に分権化される。一方、暴力に基づく軍事型社会では、国家による義務教育、国家が設立する教会、国家による広範な産業規制などが特徴となる。これは19世期末の現実だった。
Herbert Spencer argued that in a militant type of society the state would become more centralised and administrative, as compulsory education clearly showed (1882) - Online Library of Liberty

英著作家ジョン・トレンチャードは古代ローマの歴史に詳しく、大規模な常備軍が将軍や政治家に利用され、市民を脅迫し、隷属させることを恐れた。トレンチャードによれば、たとえ良い君主であっても軍を利用する誘惑は残るし、常備軍が廃止されない限り、その誘惑は消えない。
Trenchard on the dangers posed by a standing army (1698) - Online Library of Liberty

米建国の父マディソンによれば、戦争の発生率を下げるには、国債を発行して将来の世代に戦争の費用をツケ回しするのではなく、現在の国民がすべての戦費をただちに払うようにすればよい。現在の世代が戦争の費用を本当に知っていれば、開戦を抑制し、戦争の発生率が低くなる。
James Madison on the need for the people to declare war and for each generation, not future generations, to bear the costs of the wars they fight (1792) - Online Library of Liberty

英法学者ダイシーは早くも1905年に、増税と政府支出の拡大を主張する左翼の台頭を警戒した。かつては国外における平和と、国内における政府の規模・費用の縮小とが結びついていたのに、それが放棄された。あらゆる増税は個人の財産権と自由の縮小であるとダイシーは指摘した。
A.V. Dicey noted that a key change in public thinking during the 19thC was the move away from the early close association between “peace and retrenchment” in the size of the government (1905) - Online Library of Liberty

2020-03-06

徴兵という圧制(ジェファーソン)

米建国の父ジェファーソンは独立戦争の戦況が思わしくない時期でさえ、徴兵に反対し、徴兵は人民にとって「最も望まない圧制」だと述べた。国家の存続よりも個人の自由を重んじたからだ。徴兵される者にとっては、王制だろうと他の政府だろうと徴兵は徴兵であり、虐待である。
Thomas Jefferson on the Draft as "the last of all oppressions" (1777) - Online Library of Liberty

米建国の父マディソンによれば、宣戦布告とは事実上、平時における法の運用をすべて停止することであり、行政府の権限を大きく踏み外している。行政府の役割とは、立法府が認めた法を執行することだからだ。マディソンは、剣(行政府)と財布(立法府)を分けるよう強調した。
James Madison on the necessity of separating the power of “the sword from the purse” (1793) - Online Library of Liberty

米建国の父ハミルトンは、軍隊が市民よりも重要になると自由にとって脅威になると警告した。戦争が常態化すると、国家は戦争国家に変容する。財政への需要が莫大になり、人民は兵役に心身をすり減らす。権利が侵害され、軍隊を防衛の手段でなく服従の対象とみなすようになる。
Alexander Hamilton warns of the danger to civil society and liberty from a standing army since “the military state becomes elevated above the civil” (1787) - Online Library of Liberty

アダム・スミスは『国富論』で戦争について述べた。英本国の市民は戦地から遠く離れているため戦闘を直接経験せず、報道で国家の栄えある勝利を楽しむ。政府が戦費調達で大幅な増税を避けて国債に頼るため、増税は国債の利払い分にとどまり、戦争の真のコストを知らされない。
Adam Smith observes that the true costs of war remain hidden from the taxpayers because they are sheltered in the metropole far from the fighting and instead of increasing taxes the government pays for the war by increasing the national debt (1776) - Online Library of Liberty

2020-03-05

私立都市の構想

民間企業が防犯、法制度、独立した紛争解決などの政府サービスを供給する「私立都市」を構想してみよう。市民は契約で定めた年間手数料を支払う。政府サービス会社はこの契約を事後に一方的に変更してはならない。課税で成り立つ旧来の制度と違い、サービスと対価が直結する。
Private Cities: A Model for a Truly Free Society? | Mises Wire

民間企業が公的サービスを供給する「私立都市」は周りの地域に経済的な成長と価値をもたらす。これは周囲の国が都市への侵略を思いとどまる要因になる。軍事介入はライバル国にも介入の口実を与えるから、大国でも好き勝手に小国を占拠できない。現実に世界はそうなっている。
Can Free Private Cities Replace the State? | Mises Wire

リヒテンシュタインはかつてドイツ連邦の一員だったが、プロイセンを盟主とする帝国化に反対し独立した。ドイツにその後起こったのは戦争や革命、ホロコースト、東西分断だ。リヒテンシュタインは戦争も革命もなく、今や1人あたり所得でドイツを大きく上回り、犯罪も少ない。
What We can Learn from Liechtenstein | Mises Wire

法学者フランシス・バックリーによれば、フィンランドなど北欧の小国が豊かで国民が健康なのは、社会主義のおかげではなく、人口が少なく、社会の結束力が強いからだ。小国のほうが幸福だし腐敗も少ない。大国にメリットはあっても、コストが上回る。大きいことは悪いことだ。
Small Countries Are Better: They're Often Richer and Safer Than Big Countries | Mises Wire

2020-03-04

キューバ医療の幻想

キューバの識字率は1950/53年から2000年までに26%上昇したとされる。だがパラグアイでは37%も上昇している。キューバの公式統計で平均余命は1960年から2017年までに25%伸びたという。しかしメキシコでは35%、ドミニカ共和国では43%、貧困に陥ったハイチですら51%伸びている。
Senator Sanders Is Wrong on Cuban Education and Healthcare | Cato @ Liberty

キューバではカストロが社会主義革命を起こす前から、医療制度は整っていた。貧困層は無料で治療を受けることもしばしばだった。最近では医療と余命の改善が乏しい。首都ハバナでは病院が文字どおり崩れ落ち、患者は必要品を持参することもある。枕もシーツも薬もないからだ。
No, Fidel Castro Didn't Improve Health Care or Education in Cuba - Foundation for Economic Education

米国における社会主義の典型は安全保障国家である。北朝鮮やキューバと同じく戦後の米国は安全保障国家だ。国防総省、CIA、国家安全保障局は官僚が運営し、自由経済とは無縁。社会主義国におなじみの侵略戦争、クーデター、暗殺の支援、拷問がまかり通るのも不思議ではない。
Socialism in America – The Future of Freedom Foundation

政治家は何もしないほうが良いときでさえ、積極的に行動したがる。人を幸福にする道筋に反して行動する動機がある。政府支出の拡大は、経済成長を阻害しようと、目立ちやすいから選ばれる。海外での軍事介入は、事態を悪化させるかもしれなくても、目立ちやすいから選ばれる。
Enough of this Idea of Presidential Greatness – AIER

2020-03-03

ウイルスより怖いもの

コロナウイルスに対する政治的なスタンドプレーと「緊急対策」は、ウイルスそのものよりも多くの人々の命を奪うだろう。あらゆる「緊急対策」は経済活動の停滞というコストを押しつける。移動とビジネスの規制は物価高と失業をもたらし、感染時に医者にかかるのを困難にする。
The Politics of Panic are Far Deadlier Than the Coronavirus | The William Lloyd Garrison Center for Libertarian Advocacy Journalism

無政府社会では、危険なウイルスの感染者は、不動産の所有者が立ち入りを拒否する。もしある教会がこの感染者を受け入れたいなら、それは自由だ。無政府社会における隔離とは、不動産所有者の大半から進入を拒まれ、治療施設以外に行き場がなくなることを意味するにすぎない。
How the Free Market Would Handle Quarantines | Mises Institute

中国などの「国家資本主義」の台頭を恐れ、自由競争の国でも政府による統制経済を取り入れようという意見がある。コロナウイルス感染症に対する中国政府のお粗末な対応を見れば、そうした心配が無用とわかるだろう。社会主義に対抗するために自分も社会主義になる必要はない。
Three Cheers for the Coronavirus??? - Econlib

映画『パラサイト』の最大の矛盾は、貧しい人々が、邪悪で高慢で愚かな金持ちに煮えたぎるような憎しみを抱いているという物語だ。もしそれが本当なら、なぜ大金持ちのひしめくソウルが多くの貧困層を引きつけるのか。金持ちの住む土地は、貧しい人々にチャンスを与えるのだ。
“Parasite” Is a Preposterous Film Rooted in Class-Struggle Nonsense – AIER

2020-03-02

権力肥大の乳母(マディソン)

米建国の父マディソンは、大統領が議会に諮ることなく宣戦布告する権限を持つことを強く警戒した。マディソンは、合衆国憲法で最も思慮深い条項は、戦争開始の判断を行政府ではなく、立法府に委ねている部分だと指摘。戦争は国家権力を肥大させる「忠実な乳母」だと警告した。
Madison argued that war is the major way by which the executive office increases its power, patronage, and taxing power (1793) - Online Library of Liberty

米建国の父ジェファーソンは戦争好きな英国を、牛のように大きくなろうとして破裂するイソップ物語の蛙にたとえた。戦争と債務から成る英国の帝国組織は巨大すぎて破裂し、虐げられた国民は王侯の統治を脱し、より安上がりな共和政府の下、労働の成果を平和に楽しむと考えた。
The 8th Day of Christmas: Jefferson on the inevitability of revolution in England only after which there will be peace on earth (1817) - Online Library of Liberty

英経済学者ジェームズ・ミルは、国富創造に対する商業の貢献を強く擁護した。ナポレオン戦争のさなか、戦争は庶民に悲惨な経済的影響を及ぼすと批判。戦争による出費と経済停滞を、国の繁栄を枯らす「疫病をもたらす風」や、国の貯蓄を食い尽くす「むさぼる悪魔」にたとえた。
James Mill likens the expence and economic stagnation brought about by war to a “pestilential wind” which ravages the country (1808) - Online Library of Liberty

英政治家で自由主義者のジョン・ブライトは1854年、ロシアとのクリミア戦争に反対したが、四半世紀後の1878年、またもや英国内で対露開戦論が起こり、これにも反対した。ブライトは英外務省が昔から絶え間なく戦争を煽り、マスコミが好戦的な一派に牛耳られていると批判した。
John Bright denounces the power of the war party in England (1878) - Online Library of Liberty

2020-03-01

宋と都市の時代

中国の南東部に位置する、江西省・景徳鎮。千年以上の歴史を持つ、陶磁器の都である。この街が米中摩擦で大きな打撃を受けている。2019年6月25日に放送されたテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」によると、ある陶磁器メーカーでは、米国が前月、中国から輸入する陶磁製品の一部に対する関税を10%から25%に引き上げたことで、売り上げが約3割落ち込んだという。

景徳鎮は宋の時代に新しく興った都市である。以前は昌南鎮と呼ばれていたが、景徳年間(1004~1007年)に年号にちなんで景徳鎮と改称された。

ところで、景徳鎮の「鎮」は何に由来するか、ご存じだろうか。それは宋代の新興都市を指す「鎮市」である。この言葉は、宋代が中国史上、画期的な「都市の時代」だったことの名残である。大小多数の都市が、宋に空前の経済繁栄をもたらした。

中国の古代都市は、その多くが政治的理由から建設された。政府は都市の管理機能を維持するため、経済活動に対し、しばしば厳しい統制を行った。後述するように、唐の都・長安で、商人が決められた市場でのみ交易を許されたり、夜間の外出が禁止されたりしたことはその例だ。

これに対し、唐の滅亡後、五代十国の時代を経て全国を統一した宋(北宋)は、今の河南省に位置する開封に都を置いた。開封は周囲が平坦で攻められやすく守りにくい地勢のため、宋代以前には、ここに統一王朝の都が置かれたことはなかった。

しかし唐代中期以降、経済の中心が南の江南一帯に移ると、開封は大運河に面し、水上輸送の中枢であったため、経済的地位が大きく向上する。北宋を建てた太祖・趙匡胤は、地勢の険しい長安を放棄し、開封を国の首都とすることで、中央政府に十分な財政を確保しようとした。

著者 : 杭侃
創元社
発売日 : 2006-03-01

開封は、宮城と皇城(官庁街)からなる大内、その外側の内城(旧城)、一周26㎞あまりの外城(新城)という三重の城壁で囲まれた城郭都市に成長する。人口は最大で150万人にも達した。各城壁の周囲には運河兼用の堀が巡らされ、これらは城内を横断する汴河(べんが)や、城内に引き込まれたいくつかの小河と機能的に連結されていた。こうして首都開封は、大量の物資を満載した大小の船が運河を行き交う、商業・消費の大都市として繁栄する。

2020-02-29

一つの国にあらず

アメリカ合衆国は一つの国ではないし、過去に一つの国だったこともない。国々の連合だ。だから建国期の人々は合衆国を「これらの国々」と複数で呼んだ。合衆国は独立した国々(州)による連邦の盟約だ。それが忘れられたのは、合衆国内におけるナショナリズムが死んだからだ。
The United States Is Not a Nation: The Problem with "National Conservatism" | Mises Wire

経済学者ダグラス・ノースらが明らかにしたように、前近代の欧州では多数の政体が互いに競合し、物質の豊かさと政治の自由に重要な役割を果たした。単一の支配的な国家が存在しない、相対的な「無政府状態」のおかげで、政治の自由が広がり、経済の繁栄につながったのである。
Why Rothbard Wanted "Radical Decentralization" | Mises Wire

独裁的な中国政府が強権を発動しても新型コロナウイルスを封じ込めることができないのだから、西側諸国でできるわけがない。パンデミック対策に必要なのは政府への権限集中ではなく、治療の地方分権化だ。感染した人々は都心の大病院に押し込むよりも、引き離したほうが良い。
Does the Coronavirus Make the Case for World Government? | Mises Institute

独裁者カエサルは、ばらばらの属州からなっていたローマ共和国を、統一国家に変貌させた。それ以前、ローマの属州にはかなりの自治が認められていた。とくにイタリア本土は独立した地域と文化のモザイクであり、これを統一するために暴力と財産の収奪、内戦が推し進められた。
Political Centralization Ended the Roman Republic | Mises Wire

2020-02-27

シンガポールの教え / 忌まわしい制度(ウェブスター)

1965年、シンガポールがマレーシアから分離独立した際、大国こそが繁栄するという通念の中で、天然資源もない都市国家の成功を予想した者はほとんどいなかった。50年後、シンガポールは豊かさでマレーシアを引き離したばかりか、1人あたりGDPは旧宗主国の英国の2倍になった。
What an Independent Britain Could Learn from Singapore | Mises Wire

米政治家ダニエル・ウェブスターは徴兵制の導入に反対し、徴兵制は自由な国の政府にふさわしいか、市民の自由と言えるか、合衆国憲法に本当にふさわしいかと問いかけた。彼によれば、もちろん否である。そして徴兵制という「忌まわしい制度」は憲法に根拠がないと結論づけた。
Daniel Webster thunders that the introduction of conscription would be a violation of the constitution, an affront to individual liberty, and an act of unrivaled despotism (1814) - Online Library of Liberty

世界は小さな国の時代に向かっている。国の数はここ数世紀で最も多い。貿易の隆盛で、国境を広げ人口を増やす帝国主義のメリットが薄れた。国家はしばしば自給自足経済を求めるがそのコストは高い。グローバル経済のおかげで小国は繁栄し、租税競争によって大国に自制を課す。
Why Governments Hate Secession | Mises Wire

旧ソ連諸国が世界市場に相次ぎ参入した当時、米経済学者ゲーリー ・ベッカーが述べたように、小国は世界に向けて隙間商品を生産することで繁栄できる。大国のように広範な商品は提供できないが、グローバル経済と統合を深め、世界で需要のある何らかの商品に特化すればよい。
3 Reasons Why More Secession Means More Freedom | Mises Wire

2020-02-25

帝国の犯罪(コブデン)/ 無血の分離独立

英政治家リチャード・コブデンは穀物法の撤廃で自由貿易の確立に成功した後、反戦・反帝国主義の主張のせいで、議会でしだいに孤立した。彼は英国によるビルマ併合に反対し、大英帝国はいつの日か、過去のあらゆる帝国と同じく、「帝国の犯罪」ゆえに罰されるだろうと論じた。
Cobden argues that the British Empire will inevitably suffer retribution for its violence and injustice (1853) - Online Library of Liberty

英政治家コブデンによれば、英国で奴隷反対運動が起こる前、国民は奴隷貿易を支持し、高い収益性を誇った。同様に、国民は自国の利益を強いるために世界中で軍隊を使い、将軍たちの像を熱心に建て、ほめ称える。平和を実現するには、こうした戦争の精神を和らげる必要がある。
Cobden on the complicity of the British people in supporting war (1852) - Online Library of Liberty

バルト三国のソ連からの独立、チェコとスロバキアの分離、スロベニアのユーゴスラビアからの独立はいずれも実現した際、流血はきわめて限られた。チェコ人によるスロバキア人の虐殺もその逆も起こらなかった。それらの事実を無視して、国の分離独立は戦争を招くと非難される。
Nationalism as National Liberation: Lessons from the End of the Cold War | Mises Wire

アイルランド社会は有史以来、17世紀に至るまで無政府の原則で運営された。刑法と不法行為法に本質的な違いはなく、処罰は被害の修復が主眼で、賠償は国家ではなく被害者に支払われた。法の執行は保証と担保を通じ行われ、無法者は最終的には社会から追放され、保護を失った。
Reflections on Legal Polycentrism | Mises Institute

2020-02-22

軍隊の精神の害(コンスタン)

仏思想家・小説家のコンスタンが懸念したのは、長期にわたる戦争の後で、人々が「軍隊の精神」に侵されることだ。疑問を感じることなく命令に服従し、自分の頭で考えることを規律違反の始まりとみなす軍隊の精神。それは戦争によって守るはずだった自由そのものを蝕んでいく。
Benjamin Constant on the dangers to liberty posed by the military spirit (1815) - Online Library of Liberty

経済学者ミーゼスによれば、自由主義が究極の理想とするのは全人類の平和で完全な協力である。人類の一部だけが対象とは考えない。自由主義は国境を越え、全人類と全世界を取り込む世界市民の思想だ。自由主義はこの意味でヒューマニズムであり、自由主義者は世界市民である。
Mises on cosmopolitan cooperation and peace (1927) - Online Library of Liberty

米社会学者ウィリアム・グラハム・サムナーは、米国が米西戦争でスペインの植民地を奪い取ったことで、欧州の帝国列強と同類になりかねないと述べた。米国は戦闘でスペインを打ち負かしたかもしれないが、その代わり、スペインの征服と帝国の思想によって征圧されたと論じた。
Sumner and the Conquest of the United States by Spain (1898) - Online Library of Liberty

英政治家リチャード・コブデンは議会に対し、ロシアとオスマン帝国の紛争(クリミア戦争)に介入しないよう訴えた。世界中を見回り、目に入るあらゆる悪事を正す「欧州のドン・キホーテ」になるのは英国の仕事ではないからだ。コブデンは反戦の主張のせいで一時議席を失った。
Cobden urges the British Parliament not to be the “Don Quixotes of Europe” using military force to right the wrongs of the world (1854) - Online Library of Liberty

2020-02-21

常備軍廃止の夢(バスティア)

仏エコノミスト、バスティアは戦争、植民地主義(特にアルジェリアの仏植民地)、徴兵制、常備軍に強く反対し、こんな夢を語った。常備軍を廃止し40万人の国民を徴兵という奴隷制から解放するとともに税負担を年4億フラン減らす。常備軍は志願兵と米国流の民兵で置き換える。
Bastiat on disbanding the standing army and replacing it with local militias (1847) - Online Library of Liberty

英政治家ジョン・ブライトは、他国の問題に絶えず介入する英国の外交政策によって利益を受けるのは「猟官者」だと述べた。つまり、自分や家族、友人のために仕事を求める、支配階級のエリートたちだ。言い換えれば、英国の外交政策とは貴族階級のための巨大な福祉制度なのだ。
John Bright calls British foreign policy “a gigantic system of (welfare) for the aristocracy” (1858) - Online Library of Liberty

英政治家コブデンは内政不干渉の原則を堅く信じた。干渉する国の納税者の負担が増えるうえ、軍事占領される国民の生命と財産を破壊するからだ。干渉する側は秩序回復のためだと言うが、実際には彼ら自身、国内の秩序混乱に悩み、威嚇・侵略で他国に生み出した無秩序に苦しむ。
Cobden on the principle of non-intervention in the affairs of other countries (1859) - Online Library of Liberty

かつて戦争になると支配者は「臣民」をまるで家畜のように、意のままに使えると考えた。哲学者カントはこれに対し、人間には自身の権利と人生設計があるのだから、その生命と財産を危険にさらすいかなる戦争についても、議会を通じその都度同意を得なければならないと論じた。
Kant believed that citizens must give their free consent via their representatives to every separate declaration of war (1790) - Online Library of Liberty

2020-02-20

内なる敵(プライス)/ EU離脱の価値

英哲学者リチャード・プライスによれば、国には二つの敵がいる。国内の敵(自国政府)と国外の敵(外国政府)だ。自国政府のほうが抜け目なく、危険である。権力者はつねに権力の拡大をうかがい、権力は国民から負託されたもので権力者自身のものではない、という原理を嫌う。
Richard Price on how the “domestic enemies” of liberty have been more powerful and more successful than foreign enemies (1789) - Online Library of Liberty

なぜ社会では多数の人々が少数の支配者の命令に服従し、苦しむのか。16世紀フランスの思想家ラ・ボエシによれば、人は生まれ落ちた国家の制度を普通だと思い込む。正義と法の支配が必要ではと疑う能力をもつ者はわずかで、多くの人は臆病なまま暴君に服従することに甘んじる。
Étienne de la Boétie provides one of the earliest and clearest explanations of why the suffering majority obeys the minority who rule over them; it is an example of voluntary servitude (1576) - Online Library of Liberty

ブレグジットで問われたのは、関税は高いより低いほうがよいかどうかではない。関税を誰が、どこで、どのように決めるかだ。多くの人がブレグジットを単なる経済政策の議論にしようとしたが、主流経済学の数字いじりで、人々がEU離脱の価値をどう測ったか知ることはできない。
Brexit Voters Aren't As "Irrational" As Their Opponents Think | Mises Wire

英政治家ジョン・ブライトは自由貿易と平和を強く擁護した。ロシア帝国は野蛮な脅威だとして戦争を主張する英政府に反対し、戦争は人間が被りうるあらゆる恐怖、残虐行為、犯罪、苦しみをひとまとめにしたものだと警告した。開戦論は止まらず、悲惨なクリミア戦争が起こった。
John Bright on war as all the horrors, atrocities, crimes, and sufferings of which human nature on this globe is capable (1853) - Online Library of Liberty

2020-02-17

金の力 / 税の拒否(スプーナー)

金(きん)はインフレの防御策だ。歴史上、金本位制を採用した政府は、財政赤字になると金保有高の減少を余儀なくされた。見境ない政府支出には歯止めがかかった。政府が金を失いたくないからだ。金は、中央銀行が引き起こすインフレという病の害悪から個人が身を守る手段だ。
The Power of Gold | Mises Institute

民主主義の選挙が機能するのは地方や小国だけだ。米国がこれ以上の社会分断を避けるには、大胆な連邦主義と地方分権がカギとなる。それによって、勝った政党がすべてを得る国政選挙の弊害は劇的に軽減する。米国のような大国における大衆民主主義は果てしない争いをもたらす。
Politics Drops Its Pretenses | Mises Wire

米法理論家ライサンダー・スプーナーは、現代の税法を英国のコモンローに照らせば、認められないだろうと論じる。なぜなら課税される個人から、明確な合意を得ていないからだ。納税拒否者は処罰されない。米独立革命の求めた「代表なくして課税なし」を徹底した理論といえる。
Lysander Spooner argues that according to the traditional English common law, taxation would not be upheld because no explicit consent was given by individuals to be taxed (1852) - Online Library of Liberty

連邦国家内に「統一市場」をつくる場合、構成国(州)が自分から貿易や移民の規制を緩和するのなら、問題ない。問題は米連邦政府や欧州委員会などの中央政府が画一的な法を上から押しつける場合だ。規制が厳しい州に合わせて強化され、中央政府の権力拡大につながりかねない。
Why Open Borders Between States in America Might Lead to Disaster | Mises Wire

2020-02-15

民主主義は理想か / 世論による支配(ヒューム)

民主主義が理想に値しない理由。理想とは個人の権利を侵してはならない。人々の望みに敏感でなければならない。人々の選択が尊重されなければならない。政策についてよく知り、深く考える動機を与えなければならない。多数決で生活を左右しないよう限定的でなければならない。
Why Democracy Doesn't Give Us What We Want | Mises Wire

ハンザ同盟の非公式の首都は欧州一豊かなリューベックで、自身で5万人の傭兵を擁したが、政治権限はなかった。同盟には統一した政治組織はなかった。加盟・離脱は商人たちの取引の利益によって決定された。はっきりした行政施設は存在しなかったし、徴税の組織さえなかった。
The Hanseatic League: An "Empire" of Commerce | Mises Wire

デビッド・ヒュームは、なぜ権力者は少数なのに多数の人々を支配できるのか、と問いを立てた。彼の答えは「世論」である。つまり、多数の人々が支配者は正当だと信じているから、その座は安泰なのだ。だから支配者が多数の人々を従わせるためには、最小限の暴力でこと足りる。
David Hume ponders why the many can be governed so easily by the few and concludes that both force and opinion play a role (1777) - Online Library of Liberty

英社会学者スペンサーによれば、暴力に基づく軍事型社会は平和な取引に基づく産業型社会へと移行する。古い支配層は権力を手放すまいとして、外国人に対する「憎しみの宗教」を人々に吹き込む。それによって大規模な軍隊を正当化し、経済の主要部分への支配を続けようとする。
Herbert Spencer on the State’s cultivation of “the religion of enmity” to justify its actions (1884) - Online Library of Liberty

2020-02-14

社会の2集団(バスティア)/ 国境紛争の解決法

19世紀の仏エコノミスト、バスティアは戦争の本質と戦争で潤う者についてこう考えた。社会は二つの集団に分かれる。他人の生産活動に依存して生きる者と、生産活動に従事する者だ。言い換えれば、働き、平和に取引し、税金を払う者と、その税に依存し、しばしば軍で働く者だ。
Frédéric Bastiat, while pondering the nature of war, concluded that society had always been divided into two classes - those who engaged in productive work and those who lived off their backs (1850) - Online Library of Liberty

経済学者で自由主義者のルートヴィヒ・フォン・ミーゼスによれば、国は州や郡に対して「お前はこっちに属する。こっちに来い」と言う権利はない。州や郡は住民によって構成される。意見を尊重されなければならないのは、この住民だ。国境紛争の解決は、住民投票によるべきだ。
Mises on Secession | Mises Institute

スペンサーの国家社会学の核心は、「軍事型社会」と「産業型社会」の区別である。軍事型社会は暴力に基づき、産業型社会は平和な経済活動に基づく。この区別はセイ、バスティアら古典的自由主義者に共通するほか、ミーゼスらのオーストリア学派経済学でも重要な役割を果たす。
Herbert Spencer makes a distinction between the “militant type of society” based upon violence and the “industrial type of society” based upon peaceful economic activity (1882) - Online Library of Liberty

米国の司法制度はテロに関する限り、中国と変わらない。グアンタナモ湾収容所には裁判なしに10年以上も監禁されている人々がいる。被告人は有罪とみなされ、拷問を受ける。手続きの多くは秘密だ。裁判がある場合、判決を下すのは米軍の人間で、結果はあらかじめ決まっている。
Copying the Communists – The Future of Freedom Foundation

2020-02-13

政府の起源(ペイン)/ 住民投票の尊重

革命思想家のトマス・ペインは、広く読まれた政治パンフレット『人間の権利』で政府の起源を問い、こう答える。田舎を支配していたごろつきの強盗どもが、時とともに洗練され、惰弱になり、昔の欧州の支配階級になった。彼らは、現在私たちがひざまずく連中の祖先なのだ、と。
Tom Paine asks how it is that established governments came into being, his answer, is "banditti of ruffians" seized control and turned themselves into monarchs (1792) - Online Library of Liberty

カタルーニャ州が住民投票を行い、結果が「悪い」決定で、スペイン政府やEU、第三者が反対しても、その意思は尊重されなければならない。独立で損をするカタルーニャ住民もいるだろうが、得をするスペイン国民もいるはず。損得はきわめて主観的で、他人が決めることではない。
Let Catalonia Decide | Mises Wire

一部の経済学者によれば、経済学の任務は社会の全員か最大多数の満足を最大にすることだという。彼らは気づいていないが、様々な個人の満足度を測る手段は存在しない。自分では証明のつもりでも、恣意的な価値判断を表明しているにすぎない。価値判断は経済学の仕事ではない。
Do People Really Seek to Maximize Profit? | Mises Wire

ある地域が国から分離した結果、その新しい国で少数派になった人々が不満を感じたら、どうすればよいか。答えはさらなる分離だ。カリフォルニア州が米国から分離したなら、都市と郊外などでさらに分離を進めればよい。国は数が多いほど、個人の価値観に合わせて選択しやすい。
If the Majority Votes to Secede — What About the Minority? | Mises Wire

2020-02-09

ステークホルダー資本主義の問題

株主の利益だけでなく従業員や地域社会、環境にも配慮を求めるステークホルダー(利害関係者)資本主義の考え方は、問題をはらむ。経営者を評価する基準があいまいになることだ。経営者は本来の仕事であるはずの経営がお粗末でもクビにならず、慈悲深い人物として尊敬される。
Why Shareholders Are Better Than Corporate "Stakeholders" | Mises Institute

経済学者ミーゼスは著書『自由主義』で、国からの離脱権をあらゆる集団に認めよと論じた。地域の大小にかかわらず、自由な住民投票の結果、今属する国を離れ、独立や他の国への編入を望むなら、その意思は尊重・実現されなければならない。極端な話、それが1人であってもだ。
Mises, Rothbard, and Catalonia | Mises Wire

国家の犯罪性は目新しくもなければ驚くことでもない。人間の最初の寄生集団が集まり、国家をつくったとき以来、世界で国家が存在する限り、国家は犯罪集団であり、根本から反社会組織である。国家が何らかの社会目的に役立つため生まれたという考えは、歴史上の根拠が皆無だ。
The Criminality of the State | Mises Institute

米国が国際通貨体制の中心でなくなれば、米政府と国民は不利な状況に置かれる。ドル需要の減退は米国債への需要減につながる。すると金利に上昇圧力がかかり、政府の利払い負担が重くなる。中央銀行が金利を抑え込もうと国債を買い取れば、物価や資産のインフレが激しくなる。
The World Looks to Abandon the Dollar as US Sanctions Tighten Their Grip | Mises Wire

2020-02-08

1人1票の限界 / 政府は戦争が生む(ヒューム)

米上院の定数は州の人口にかかわらず各州2名だ。これを1票の格差と批判するなら、もし将来、中国、韓国、日本、ベトナム、インドネシアで「東アジア合州国」を結成したらどうなるか考えてみればよい。単純な人口比例で票数を割り当てれば、中国が他国を圧倒し、支配権を握る。
Why "One Man, One Vote" Doesn't Work | Mises Wire

生産のコストは商品の価格を決める最大の要因に思えるかもしれないが、そうではない。最終的には買い手の価値判断で価格は決まる。各人の生活や幸福にどれだけ役立つかで、払う金額を決める。もし生産コストが価格を決める最大要因なら、未開発の土地に価格は付かないはずだ。
What We Really Mean When We Talk About Values and Prices in the Marketplace | Mises Wire

デビッド・ヒュームは政府の起源について二つの重要な洞察をしている。⑴政府はしばしば戦争から生まれる⑵政府がいったんできると、自由と権力の間に絶え間ない闘争が起こる--。ヒュームは後年、英王室を支持したとされるが、初期の論文ではラディカルな物の見方をしていた。
David Hume on the origin of government in warfare, and the “perpetual struggle” between Liberty and Power (1777) - Online Library of Liberty

フランツ・オッペンハイマーは国家の起源を分析し、富を手に入れるには二つの根本から対立する方法があると論じる。強制による「政治的手段」と、平和な取引による「経済的手段」である。この国家理論は、J・B・セイら19世紀前半のフランスの自由主義者によく見られたものだ。
Franz Oppenheimer argues that there are two fundamentally opposed ways of acquiring wealth: the “political means” through coercion, and the “economic means” through peaceful trade (1922) - Online Library of Liberty

2020-02-05

解決策のコスト / 治安サービスの欺瞞(シニア)

トレードオフは経済学の核心だ。あらゆる行動は選択であり、より良い選択をするには、どのような選択肢があるかを知らなければならない。コストを考慮せずに解決策を示すことなら誰でもできるが、現実的な解決策とは言えない。後でむしろ問題を悪化させるかもしれないからだ。
The True Costs of Bad Economists, Explained | Mises Wire

自由な市場経済では、株主の利益のために生産すること自体、あらゆる関係者にとって利益となる。従業員を雇うには、他社より多くの利益を提供しなければならない。そうしなければ他社に行かれてしまう。企業が繁盛し、多くの人を高い賃金で雇うことは、地域が繁栄する基礎だ。
Shareholders, Not "Stakeholders" | Mises Wire

治安・防衛サービスの分業は奇妙だ。サービスを提供する政府は権力を持つ。サービスを受ける国民は自分を守る手段と意思をほぼ失う。この状況では、通常の取引原則は通用しない。政府は正当な対価だけでなく、暴力と恐怖でできるだけ巻き上げようとする。(ナッソー・シニア)
Nassau Senior argues that government is based upon extortion (1854) - Online Library of Liberty

今日、国家と社会の区別は、概念上も組織上もなくなった。国家という権力機構が実はむしろ社会の敵であり、国家と社会の利益が相反するとは、人は考えもしない。近代以前は、国家はつねに監視されなければならず、有害な性向が組み込まれていることは、自明の理とされていた。
What Is Statism? | Mises Institute

2020-02-04

己の無知を知れ

芸能人の仕事は芸能だ。その仕事が上手なら高い報酬を受け取るし、その資格がある。人は延々と続く授賞式でさえ喜んで観る。だがその式での政治演説にはあくびを噛み殺す。ソクラテスが己の無知を知れと戒めたように、一芸に秀でているからといって、何でも得意とは限らない。
When Ricky Gervais Meets Socrates: A Lesson on the Limits of Knowledge - Foundation for Economic Education

民主主義社会における根本問題は、経済に関する市民の無知である。市民が市場の働きや、利己的な人々の行動から有益な秩序が自然に生まれることを理解していなければ、物事を何でも政治で解決しなければならないと信じてしまう。政治と経済の間の正しい境界線を壊してしまう。
Economics: The "Other Side" of Politics | Mises Institute

同じ国に利害の対立する集団を一緒に住まわせると、問題が起きる。互いに政府の支配権を握ろうと熱狂し、相手を屈服させようとする。暴力の可能性を小さくするには、政府の力を最小限にすればよい。自由放任的な政府の下では、誰が政府を支配するか気にする必要がないからだ。
Secession in Virginia Would Defuse the State's Conflict over Guns | Mises Wire

気候変動に対処する最も有効な方法は、経済成長の促進だ。人口を制限する必要はない。途上国が豊かになるにつれ、出生率は自然に低下する。家族が子供の数を減らし、より多くの資源を投資しようとするからだ。資本主義をやめて社会主義を導入すれば、前近代の貧困に逆戻りだ。
Population Control Isn’t the Answer to Climate Change. Capitalism Is. – Reason.com

2020-02-02

自由の海、南シナ海

南シナ海といえば、現在は政治対立の舞台となっている。石油や天然ガスなどの資源が豊富で、海上交通の要衝であることが背景だ。各国がいくつかの島を占拠・占領するなどして、軍事衝突も含む対立が深刻化している。

2019年11月にタイの首都バンコク郊外で開いた東アジアサミットでは、南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶとする中国の主張を米国が真っ向から否定。中国は米国を念頭に域外国が介入しないよう要求し、応酬となった。

南シナ海を舞台とした国家間の対立は泥沼化し、容易に解決できないように見える。しかし、歴史には解決のヒントがある。かつて南シナ海には国家のくびきから解放されることによって、自由と繁栄を謳歌した時代があった。

中国の唐では875年、黄巣の乱が起こる。以前このコラムで触れたように、唐は財政を維持するために厳しい塩の専売を行なっていたが、これに反発する商人による密売が横行した。これをきっかけに唐は滅亡に向かう。

前回のコラムで、イスラム教徒(ムスリム)の商人がダウ船に乗って中国に到来し、唐最大の海外貿易港(港市)であった広州を拠点としたことを紹介した。黄巣の乱のさなか、南シナ海に面するこの広州が破壊される。このためムスリム商人は中国から撤退してマレー半島のクダに拠点を移した。ムスリム商人に代わり、南シナ海に進出したのが中国商人である。

中国商人がムスリム商人から造船・航海の技術を学び、建造した独特の帆船はジャンク船と呼ばれる。大きな船腹をもったジャンク船は、陶磁器や銅銭など新しく登場してきた重い交易品の積載に適していた。ジャンク船は遠洋航海のために開発された羅針盤を搭載し、外洋に繰り出していく。

多くの中国人が東アジア、東南アジアに渡航し、各地で中国人居留地を建設していった。東シナ海、南シナ海一帯はムスリム商人と中国人商人が共存する空間となった。国家間のぎすぎすした対立に覆われた今のアジアの海とは大きな違いだ。


船乗りたちの共通言語もマレー系の言葉に加えて中国語が広く使われるようになった。ちなみにジャンクという呼称は、中国語で船を意味するchuanがマレー語のjong、ポルトガル語のjuncoに転訛し、ポルトガル語が英語のjunkになったとされる。

2020-01-29

昔は良かったの嘘

欧州では19世紀まで、貧困層が着たのは洗いにくい毛織りの服や下着で、衛生状態が悪化。大半の人は鶏、牛、豚などの家畜と一緒に寝起きした。泥棒や獣から守るためだ。家畜の排泄物を肥料に使ったが、めったに手や服を洗わないので伝染病が流行し、死亡率上昇の一因となった。
The romantic idea of a plentiful past is pure fantasy - CapX

シュンペーターは、積極財政を唱えるケインズの理論をこう皮肉った。フランス革命前夜の歴史は書き直されるだろう。ルイ15世はたいそう見識ある国王で、財政支出を刺激する必要を感じ、ポンパドール夫人ら浪費の専門家を雇い、そのおかげで完全雇用と繁栄がもたらされた、と。
Joseph A. Schumpeter, Outsider Looking In – The Future of Freedom Foundation

経済学でいう、人は利己的に振る舞うとは、強欲、浅はかで視野の狭い物質主義者であるという意味ではない。人の自己利益はほぼその子供の利益を含むし、完全ではないにせよ、家族や友人、隣人、同僚の利益とも重なる。利己的とは、人には自分で選んだ目標があるということだ。
New and Improved Economics? Don’t Believe It – AIER

経済学者ハイエクは通貨と国家の分離を唱えた。憲法を改正し、宗教と国家の分離と同様の条項を盛り込むのだ。社会に自由・平和・常態・繁栄・調和をもたらすには、健全な通貨に基づく貨幣制度が欠かせない。自由市場の原則に基づく貨幣制度こそ、そのような社会を実現できる。
Freedom and Prosperity: The Importance of Sound Money – The Future of Freedom Foundation

2020-01-28

中東の新世俗主義

昔、トルコやイランで西洋化政策により脱イスラムが押し付けられた。今は国民の中から世俗化が起こりつつある。欧州の啓蒙時代、理性や寛容が支持されたのと似ている。これらの理念はイスラムと共存しうるが、政府が変化を拒めば、急進的な反宗教運動に直面するかもしれない。
Opinion | A New Secularism Is Appearing in Islam - The New York Times

ランチを500円のハンバーガーかサラダにしようと思い、ハンバーガーを選んだとする。そのときかかるコストは、サラダを選んだときに得られたはずの価値である。経済学ではこれを機会費用と呼ぶ。ハンバーガーに700円まで払うつもりだったとすると、差額の200円を利潤と呼ぶ。
"Cost" & "Price" are Not Interchangeable Economic Concepts | Libertarianism.org

一部の企業特権として関税を免除すると、企業は長期戦略を立てる際、商売上の計算にかける時間や人手を犠牲にして、政治上の計算に精を出さなければならなくなる。顧客を満足させる代わりに、規制官庁を満足させるのに追われる。関税は一部だけ免除するのでなく、全廃しよう。
Don’t Pick And Choose: Give Everyone An Exemption From Trump Tariffs

政府の与える特権による露骨な独占はその害が明らかなので、間接的な独占・準独占の手法が編み出されている。官製カルテル、事業の免許制、品質基準(消費者ではなく政府が品質を判断)、関税、移民規制、児童労働法、最低賃金法、労働時間規制、独禁法、法人税、特許などだ。
The Many Ways Governments Create Monopolies

2020-01-22

性格差への果てしない介入

STEM(科学・工学・技術・数学)教育における男女格差をなくそうという主張がある。だがもしそれが正しいなら、なぜ他の教科は放っておくのか。歴史、哲学、経営学にも男女格差があったら、是正しなければなるまい。あらゆる教科で意味もなく果てしない介入が続くことになる。
"Closing the Gender Gap" at Any Cost Threatens the Academic Integrity of STEM Education | Mises Institute

なぜ保守主義者は市場経済に反対し、資本主義を攻撃するのか。その理由を一言でいえば、変化だ。資本主義は変化をもたらすが、保守主義者は変化を根っから嫌う。米国の保守派は1950年代を理想化し、市場への規制を主張するが、当時国民の3分の1が貧しかったことを忘れている。
Conservatives Are Increasingly Wrong about Market Freedom | Mises Wire

米国のテレビ番組で「在宅教育をどう規制するべきか」という特集が放映された。番組では在宅教育で子供が虐待され面倒を見てもらえないめったにない例を挙げ、政府の監督がないからだと述べた。もちろんこれは、全国の公立学校ではびこる教職員による児童虐待を無視している。
“We” Should Not Regulate Homeschooling - Foundation for Economic Education

行動経済学者によれば、人間は不合理なので、自分が「本当に」望む行動を選べない。合理的に行動すれば、喫煙のような危険行為は選ばないという。政府の喫煙規制は人が本当に望むことを与え、自由への介入ではないという。馬鹿げている。喫煙を好む喫煙者がなぜ不合理なのか。
Economist: Your Freedom Is Dangerous Because You Might Set a Bad Example | Mises Wire

2020-01-16

真の税

政府の真の大きさを知るには、課税額ではなく、支出額を見よう。それが真の税だからだ。課税額が支出額に満たなければ、不足分をインフレや国債の形で間接的に払わされている。真の課題は所得に対する政府支出の額を抑えることで、それができれば政府債務は心配しなくていい。
Government Spending is the Real Tax – AIER

新製品の95%は失敗に終わる。新入社員の半分は使い物にならない。中小企業の20%は1年以内につぶれる。ささやかな事業の成功率がこの程度なら、大統領候補の売り込む大規模で過激な政策が計画通りに運ぶだろうか。案としては魅力的でも、現実の世界では失敗するのではないか。
Politicians are only human - The Boston Globe

人々は民主主義で選ばれた政府に無邪気に期待する。政府が輸入品に関税をかけるのは国民の福祉のためで、政治力のある製造業に特権を与えるためではないと信じる。政治家が炭素税で気候変動と闘うと約束すると、それは厳密な科学に基づき、メリットがコストを上回ると信じる。
Donald Boudreaux: Some hopes for 2020 & beyond | TribLIVE.com

どんな売り手も自分の売り物を所有する。労働力を所有するのはそれを売る人、つまり労働者自身だ。最低賃金を決める権利を持つのは労働者本人しかいない。自分が労働力の所有権を行使するのに最低賃金法はいらない。必要な唯一の理由は、他人に安い賃金を提示させないことだ。
The Best Argument Against Minimum Wage Laws - Foundation for Economic Education

2020-01-12

寛容の土壌

同性愛は今でも多くの国で犯罪とされる。同性愛への寛容な態度は、都市化、教育、所得水準と相関関係にある。相対的に裕福な人々は、自身の生存を心配しなくて済み、公正を気にかける。性的少数者に対する寛容な態度は、社会が豊かになることに伴う、歓迎すべき副産物なのだ。
Progress on gay rights is real, but far from uniform - CapX

あらゆる人間社会は農業の開始以来、社会集団の分断が生じた。一方は支配集団で、権力の行使によって収入と地位を手に入れる。もう一方は生産集団で、取引と生産によって富を生み出す。もちろんこの分断はそれほどはっきりしているわけではないが、現実に存在するのは確かだ。
Why We Are Wealthy – AIER

行動経済学では、企業年金に加入したい従業員だけが加入する場合、全員に加入させ嫌なら退会する場合に比べ加入率が低いのは、人間が不合理だからと言う。しかし加入の是非を考えるコストは今必要なのに、受給のメリットは将来の話だ。ならば決定先送りは不合理とは言えない。
Why Paternalists Keep Calling Us "Irrational" | Mises Wire

民間企業や個人、慈善団体による就業支援が失業者に復職のチャンスを与えることに力を入れるのに対し、政府は納税者のお金で「セーフティネット」をつくるが、受給者の自立には役立たない。むしろ給付を維持するために増税しなければならず、企業や労働者から働く意欲を削ぐ。
Lyft’s Job Access Program Shows How the Market Provides Help Government Can’t – AIER

2020-01-10

価格の役割

価格は経済的に持続可能なやり方で物を生産し、消費するよう人々を促す。価格は情報を運ぶのである。もし物を余らせたければ、政府の法律で、本来の価格より高い最低価格を定めればいい。もし物を不足させたければ、政府の法律で、本来の価格より低い最高価格を定めればいい。
Politicians Are Addicted to Price Controls, by Veronique de Rugy | Creators Syndicate

一部の国では環境保護派の心配と裏腹に、経済成長にもかかわらず金属や水など物の消費が減っている。英国では2000〜2017年に1人あたり消費資源量が12.5㌧から8.5㌧に3分の1減った。飲料水の缶に含まれるアルミの量は1959年の85㌘から今は13㌘で、その大半はリサイクルされる。
We’ve just had the best decade in human history. Seriously | The Spectator

関税は輸入税であり、大半を負担するのは米国の消費者だ。工場は生産コストが上がるから、従業員を雇い、維持するのが難しくなる。関税に関する方針が行き当たりばったりに出されるため、企業は先行きが見えなくなり、せっかく法人減税をしたのに投資が減り、賃金が増えない。
It's Resolution Time for Congress and the Administration, by Veronique de Rugy | Creators Syndicate

真の民主主義が全国民の同意だとすれば、課税の強制は民主主義に反する。暗号通貨は通貨に対する政府の支配を脅かす。もし政府通貨から暗号通貨への移行で課税が不可能になれば、軍隊は新しい爆撃機を買うために寄付イベントを開かなくてはならなくなる。その未来を待ち望む。
Real Democracy Requires a Separation of Money and State | The William Lloyd Garrison Center for Libertarian Advocacy Journalism

2020-01-06

マイナス金利の害毒

マイナス金利政策によって時間は価値を失う。苦労して稼いだ金の一部を万一の備えや子供の教育に取っておいても、殖えるのではなく、日々減っていく。物をつくり貯蓄する意味がもはやなくなる。朝起きて勤勉に働き、暮らし向きを良くする意欲が奪われ、消費するしかなくなる。
How Today's Central Bankers Threaten Civilization | Mises Wire

人類の生活水準が史上最大の改善を見せている。50年超前に世界人口の60%を占めた貧困層の比率が初めて10%を切ったし、アフリカとアジアの高度成長で富の格差が縮小した。乳幼児死亡率は過去最低となり、飢餓はほぼなくなった。マラリア、ポリオ、心臓病はともに減少している。
Beware the miserable, regressive, leftist government central planners - Washington Times

医療を自由競争に任せると「市場の失敗」が起こるから政府の介入が必要だと初めて主張したのは、米経済学者ケネス・アローである。アローの均衡理論が前提とする市場モデルは、完全な情報、均質な財、外部性の欠如などを条件とし、動的で不確実な市場の現実とかけ離れていた。
Healthcare and "Market Failure" | Mises Wire

「お客様はいつも正しい」はお客に対する売り手の敬意を示す言葉だ。開かれた市場では、魅力に乏しかったり値段の高かったりする商品を無理に買わせることはできない。一方、私たちは消費者として「ご主人様」になる。暴力ではなく、お金によって売り手に言うことを聞かせる。
The Miracle of the Free Market – The Future of Freedom Foundation