2020-02-22

軍隊の精神の害(コンスタン)

仏思想家・小説家のコンスタンが懸念したのは、長期にわたる戦争の後で、人々が「軍隊の精神」に侵されることだ。疑問を感じることなく命令に服従し、自分の頭で考えることを規律違反の始まりとみなす軍隊の精神。それは戦争によって守るはずだった自由そのものを蝕んでいく。
Benjamin Constant on the dangers to liberty posed by the military spirit (1815) - Online Library of Liberty

経済学者ミーゼスによれば、自由主義が究極の理想とするのは全人類の平和で完全な協力である。人類の一部だけが対象とは考えない。自由主義は国境を越え、全人類と全世界を取り込む世界市民の思想だ。自由主義はこの意味でヒューマニズムであり、自由主義者は世界市民である。
Mises on cosmopolitan cooperation and peace (1927) - Online Library of Liberty

米社会学者ウィリアム・グラハム・サムナーは、米国が米西戦争でスペインの植民地を奪い取ったことで、欧州の帝国列強と同類になりかねないと述べた。米国は戦闘でスペインを打ち負かしたかもしれないが、その代わり、スペインの征服と帝国の思想によって征圧されたと論じた。
Sumner and the Conquest of the United States by Spain (1898) - Online Library of Liberty

英政治家リチャード・コブデンは議会に対し、ロシアとオスマン帝国の紛争(クリミア戦争)に介入しないよう訴えた。世界中を見回り、目に入るあらゆる悪事を正す「欧州のドン・キホーテ」になるのは英国の仕事ではないからだ。コブデンは反戦の主張のせいで一時議席を失った。
Cobden urges the British Parliament not to be the “Don Quixotes of Europe” using military force to right the wrongs of the world (1854) - Online Library of Liberty

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