2020-03-07

軍事型社会という現実(スペンサー)

英社会学者スペンサーによれば、平和な取引に基づく産業型社会では、国家による行政は存在しないか極度に分権化される。一方、暴力に基づく軍事型社会では、国家による義務教育、国家が設立する教会、国家による広範な産業規制などが特徴となる。これは19世期末の現実だった。
Herbert Spencer argued that in a militant type of society the state would become more centralised and administrative, as compulsory education clearly showed (1882) - Online Library of Liberty

英著作家ジョン・トレンチャードは古代ローマの歴史に詳しく、大規模な常備軍が将軍や政治家に利用され、市民を脅迫し、隷属させることを恐れた。トレンチャードによれば、たとえ良い君主であっても軍を利用する誘惑は残るし、常備軍が廃止されない限り、その誘惑は消えない。
Trenchard on the dangers posed by a standing army (1698) - Online Library of Liberty

米建国の父マディソンによれば、戦争の発生率を下げるには、国債を発行して将来の世代に戦争の費用をツケ回しするのではなく、現在の国民がすべての戦費をただちに払うようにすればよい。現在の世代が戦争の費用を本当に知っていれば、開戦を抑制し、戦争の発生率が低くなる。
James Madison on the need for the people to declare war and for each generation, not future generations, to bear the costs of the wars they fight (1792) - Online Library of Liberty

英法学者ダイシーは早くも1905年に、増税と政府支出の拡大を主張する左翼の台頭を警戒した。かつては国外における平和と、国内における政府の規模・費用の縮小とが結びついていたのに、それが放棄された。あらゆる増税は個人の財産権と自由の縮小であるとダイシーは指摘した。
A.V. Dicey noted that a key change in public thinking during the 19thC was the move away from the early close association between “peace and retrenchment” in the size of the government (1905) - Online Library of Liberty

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