政府は戦争を欲する。民主主義政府であっても、それは変わらない。政府は自分では富を生み出せないので、富を手に入れるには、他人の富を奪うしかない。その対象が国内に向かえば課税であり、国外に向かえば戦争となる。
しかし自分や家族が戦場に送り込まれる普通の人々は、戦争を好まない。それでは政府はどうするか。ニュルンベルク裁判で死刑判決を受けた直後に服毒自殺したナチスドイツの元国家元帥、ヘルマン・ゲーリングが米軍の心理分析官に語った有名な言葉がある。
国民にむかって、われわれは攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。
ゲーリングの発言のポイントは二つある。一つは国民全体に対し、外敵から攻撃されそうだと恐怖心を煽ること。もう一つはそうした扇動にもかかわらず戦争を拒む平和主義者に対し、愛国心がないと非難することだ。
この手口は、コロナ対策への協力を強いる今の政府のやり方ときわめて似通っている。国民全体に対しては、感染への恐怖心を煽る。協力を拒む人々に対しては、時短営業の要請に応じない飲食店に東京都が突きつけた命令のように、「感染リスクを高める」と非難する。
あの世のゲーリングは現在の日本を見て、満足そうにうなずいていることだろう。彼は国民を操縦する秘訣を語ったさきほどの発言に、こう付け加えている。「このやり方はどんな国でも有効ですよ」
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