政府は恐怖心を煽り、自分の都合のいいように国民を操ろうとする。恐怖にとらわれず、正常な判断力を失わないためには、どうすればいいだろうか。
米著作家コナー・ボヤック氏が、著書『恐怖による支配』(未邦訳)で、国民の側に立った対策を提案している。対策は五つの段階に分かれる。
第一段階。権力者に対する健全な懐疑心を養う。権力を委ねられた者はそれを濫用する恐れがあるから、つねに警戒する必要がある。
第二段階。情報の選別眼を育てる。政府当局やマスコミに対する懐疑心を養うと、メディアの構造がより客観的に見えるようになり、信頼に値する情報とそうでない情報を賢明に見分けることができるようになる。
第三段階。情報源を多様化する。偽りのニュースは蔓延している。多くの情報を集め、情報源を広げれば、政治家や評論家に騙される可能性を小さくできる。
第四段階。真実を知ったら、それを広める。信頼できる情報を入手することはそれだけで有益だが、知らない人たちに広く伝えてあげれば、もっと役に立つ。
第五段階。政府に反対する人々を悪魔に仕立て上げようとする政府のやり口に同調しない。人にはつねに愛をもって接する道徳心を忘れない。
ボヤック氏の提案を一言でいえば、正しい意味のメディアリテラシーだろう。政府広報やそれを広げる大手メディアの論調をうのみにせず、少数意見にも耳を傾けること。至ってまっとうな指摘だ。
ところが今は政府の公式見解に反することを言うと、それだけで危険視され、「陰謀論」とレッテルを貼られる。とても健全な言論とは思えない。
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