ドイツの感染症学者バクディとライス夫妻の共著『コロナパンデミックは、本当か?』は、世界保健機関(WHO)や各国政府、大手メディアの発するコロナ情報がいかに歪み、誤解を招くものかを丹念に述べる。
たとえば、感染を発症と同一視し、PCR検査の増加に伴う感染者数の急増を大きな脅威であるかのように伝えたこと。また、死亡者のうち、コロナウイルスに感染していたと確認された人全員を、たとえ癌で死亡した患者であっても、コロナによる犠牲者として公式記録したことなどだ。
注目したいのは、恐怖心を煽った背後に、政府の明確な意図があったことを明らかにしている点だ。機密扱いが解かれたドイツの政府文書によれば、同国のコロナ対策会議では、実際の死者数を発表しても「たいしたことがないという印象を与える」だけなので、数としては大きな感染者数を意図的にアナウンスしたという。
それ以外に、具体的な手法として①コロナによる死をゆっくりと溺れ死ぬイメージで詳細に記述する②子供たちが死のウイルスをまき散らし親を殺す危険な感染源だと人々に告げる③正式に証明されていなくても後遺症に関する注意喚起を拡散する——が挙げられていた。
著者らはこれを「狂気の計画」と呼ぶ。まさにそのとおりだろう。
ナチスに追われた哲学者ハンナ・アレントは、本書に引用されたように、「国民に不安と恐怖の念を抱かせる者は、彼らをどのようにでも操ることができる」と喝破した。政府は自分たちが正しいと考える目的のためなら、いつの時代も手段を選ばない。
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