2020-09-10

自由貿易と平和(コブデン)

英政治家リチャード・コブデンは議会に対し、ロシアとオスマン帝国の紛争(クリミア戦争)に介入しないよう訴えた。世界中を見回り、目に入るあらゆる悪事を正す「欧州のドン・キホーテ」になるのは英国の仕事ではないからだ。コブデンは反戦の主張のせいで一時議席を失った。
Cobden urges the British Parliament not to be the “Don Quixotes of Europe” using military force to right the wrongs of the world (1854) - Online Library of Liberty

英政治家コブデンは1846年の演説で、未来の世界の夢を描いた。そこでは完全な自由貿易が指導原理となる。強大な帝国、巨大な陸海軍、生命と労働の果実を破壊する道具を欲しがる気持ちは消え失せるだろう。人類は一つの家族となり、労働の果実を同胞と自由に交換するだろう。
Richard Cobden’s “I have a dream” speech about a world in which free trade is the governing principle (1846) - Online Library of Liberty

英政治家コブデンは内政不干渉の原則を堅く信じた。干渉する国の納税者の負担が増えるうえ、軍事占領される国民の生命と財産を破壊するからだ。干渉する側は秩序回復のためだと言うが、実際には彼ら自身、国内の秩序混乱に悩み、威嚇・侵略で他国に生み出した無秩序に苦しむ。
Cobden on the principle of non-intervention in the affairs of other countries (1859) - Online Library of Liberty

英政治家コブデンによれば、英国で奴隷反対運動が起こる前、国民は奴隷貿易を支持し、高い収益性を誇った。同様に、国民は自国の利益を強いるために世界中で軍隊を使い、将軍たちの像を熱心に建て、ほめ称える。平和を実現するには、こうした戦争の精神を和らげる必要がある。
Cobden on the complicity of the British people in supporting war (1852) - Online Library of Liberty


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