2020-09-03

貯蓄の理由

経済学者メンガーは、水、食品など不満を直接和らげる財を一次財と呼んだ。消費財とも呼ばれる。獣を捕らえる罠や樽など、一次財の生産を助けることに価値のある財は、高次財、生産財、資本財などと呼ばれる。
Gene Callahan, Economics for Real People: An Introduction to the Austrian School

人は高次財(資本財)を作ろうと決心すると、貯蓄を始める。貯蓄とは、たとえもっと早く満足することができるとわかっていても、将来の満足に向けて行動するという決定である。
Gene Callahan, Economics for Real People: An Introduction to the Austrian School

人が消費できるのは今だけである。今不満だから、それを和らげたいと思う。快楽と苦痛を感じるのは今だ。無限の未来の消費のために貯蓄するのは、貯蓄ではない。まったくの損失だ。
Gene Callahan, Economics for Real People: An Introduction to the Austrian School

消費できるのが今だけならば、なぜ人は貯蓄するのだろう。未来に消費することはできなくても、それを想像することはできるからだ。未来を心に描き、それに不満を感じ、その不満を和らげたいと望むのだ。
Gene Callahan, Economics for Real People: An Introduction to the Austrian School

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