ジャーナリスト、ダニエル・ラリソン(2022.4.20)
米国とその同盟国は、ウクライナ戦争に対応して、ロシアの「孤立と弱体化」を目指す「長期戦略」を進めていると報じられている。制裁や脅しによって標的の国家を孤立させる他の「戦略」と同様に、この戦略も懲罰的な手段を用いて、自らの目的のために経済的苦痛を与えるものである。
西側諸国政府は、もはやロシアが自国に対する経済戦争を終わらせるために何かできるような素振りすら見せず、経済戦争を恒久的な状態にするための下準備を進めているのだ。このことは、交渉による解決の可能性にとって悪い兆候であり、ウクライナでの戦争が長期化することを保証しているに等しい。
大国を弱体化させるために、その大国の首を絞めようとすれば、標的となった国家を刺激し、最悪の場合、より大きな戦争を引き起こす危険がある。たとえそうならなかったとしても、孤立政策は何も解決せず、既存の不一致や紛争を何年も何十年も悪化させるだけだ。
集団的な罰は常に間違っており、不十分な定義や不可能な目標のためにその罰を課すことはさらに良くない。ロシアの指導者は国民の知らないところで、あるいは同意もなく、この戦争を始めた。戦争に対する「集団的責任」という無謀な言葉は、罪のない人々を苦しめることを言い訳にするための合理化である。
制裁を受け孤立した国の政治指導者とその仲間は、経済戦争によって生じた欠乏を利用して自分たちの利益を図り、他の国民はより大きな収奪を経験することになる。孤立政策は民族主義的な感情を助長し、政府が国内問題に対する非難をそらすことを容易にする。
ロシアを孤立させることで到達すべき目標が明確でないため、孤立政策は恒久化してしまうだろう。長期的な孤立は、別の目的を達成するための手段にはならない。孤立のための孤立となる。米国のキューバやイランに対する政策が示唆するように、プーチン亡き後もロシアを孤立させ続ける可能性がある。
米国とその同盟国は、ロシアと西側諸国の関係を今後数十年にわたり凍結させるような道を進んでいる。後に政府が他の重要な問題でロシアと協力する必要があるとあらためて気づいたとき、関係を再構築するのは格別に難しいだろう。
長期的な「戦略」を立てるという割には、ロシアの孤立を求めるのは近視眼的だ。この孤立化の道がロシア、欧州、米国をどこに連れて行くのか、真剣に考えたことがないように見える。孤立政策の多くの失敗は、米国とその同盟国に対して、この行き止まりの道を歩むことをやめるように警告している。
(次より抄訳)
Isolating Russia Is a Dead End - Antiwar.com Original
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