2022-04-27

ウクライナ戦争は詐欺

元米下院議員、ロン・ポール(2022年4月25日) 

1935年、米海兵隊のスメドレー・バトラー将軍は「戦争は詐欺である」と記した。彼はこう説明した。「見かけとは大違いだ。内部の小さな集団だけが、その正体を知っている。ごく少数の人々の利益のために、多数の人々を犠牲にして行われる。戦争から少数の人々が莫大な富を得る」 

プロパガンダが描き続けるウクライナの戦争は、巨人(ロシア)が無実の少年(ウクライナ)をいわれなく打ち殺そうとするもので、米国とNATOはウクライナに大量の軍備を提供しなければならない。プロパガンダの常として、特定の人々の利益のために感情的な反応をもたらすように操作されている。

この戦争で大きな利益を得る特別な利益団体の一つが、米国の軍産複合体だ。レイセオン社のヘイズCEOは最近、株主総会でこう述べた。「今日ウクライナに輸送されているものはすべて国防総省やNATO同盟国の備蓄品からで、これはすばらしいニュースだ。いずれは補充しなければならないし、ビジネスにも利益をもたらすだろう」 

レイセオンは、ロッキード・マーチンや他の無数の兵器メーカーとともに、ここ数年見たこともない幸運を手にしている。米国はウクライナに30億ドル以上の軍事援助を約束している。政府はそれを援助と呼んでいるが、実際には企業助成だ。米国は武器メーカーに何十億ドルも支払い、武器を海外に送り出しているのだ。

多くの人によれば、ジャベリン対戦車ミサイル(レイセオンとロッキードが共同製造)のような兵器がウクライナに到着するとすぐに爆破される。レイセオンはまったく気にしていない。ウクライナでロシアに爆破される兵器が増えれば増えるほど、国防総省から新たな注文が増えるからだ。

旧ワルシャワ条約機構加盟国で、現在NATOに加盟している国も、この詐欺に加担している。彼らは三十年前のソ連製兵器を廃棄し、米国や他の西側NATO諸国から最新の代替品を受け取る方法を見つけたのである。

ウクライナに同情する多くの人々が歓声をあげているが、この数十億ドルの兵器一式はほとんど何の変化ももたらさないだろう。元米海兵隊情報将校のスコット・リッター氏が語るように、「援助が戦場に届いたとしても、戦いに与える影響はゼロだと断言できる。バイデン大統領もそれを知っている」。

ロシアは、米国やNATOの最新兵器を大量に捕獲し、ウクライナ人を殺すために使っている。何という皮肉だろう。何千トンものハイテク兵器が欧州を漂い、テロリストに機会を与える。米政府は、ウクライナに送っている武器を追跡して悪人の手に渡らないようにする方法がないことを認めている。

戦争はたしかに詐欺だ。米国は冷戦終結後からウクライナに干渉し、2014年には政府を転覆させるまでに至り、現在のような戦争の種をまいてきた。穴から抜け出すただ一つの方法は、穴を掘るのをやめることだ。すぐにそうなるとは思わないほうがいい。戦争はあまりにも儲かるからだ。

(次より抄訳)
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The Ukraine War is a Racket

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