2022-04-15

米政府は最後のウクライナ人までロシアと戦う

ケイトー研究所主任研究員、ダグ・バンドウ(2022.4.14)

ロシアのウクライナに対する戦争は激化している。米国と欧州はウクライナ政府を支援し続けている。しかし、和平のためではないようだ。むしろ同盟国は、ウクライナが最後の一人までロシアと戦う限り、ゼレンスキー政権を支持する用意がある。これはウクライナ政府に対する米欧側のいつものやり方だ。

同盟国はウクライナ政府に豊富な武器を提供し、ロシアに耐えがたい制裁を課しているが、これはすべてウクライナを戦争に巻き込むためのものだ。米欧は戦闘に参加するつもりはないと明言している。

最も気がかりなのは、ウクライナの人々が最も必要としている平和を、同盟国が支援しないことだ。ある作家がいうように、戦争を始めることに次いで非難されるべき行為は、事態が好転する望みもないのに戦争を続け、死ぬ人を増やすことだ。証拠が示すように、米国はウクライナの外交的解決を阻害している。

もちろん、いつ戦闘をやめるかはウクライナが判断する。しかし米欧政府は少なくとも戦争と同程度に和平を支持するべきだ。米欧は長い間、和平よりもウクライナにおける支配を優先してきた。2014年の一連の対立の後、和平の機会が訪れたときもそうだった。ミンスク合意を守らせることもできなかった。

現在米政府は、ウクライナの指導者が平和に向け妥協することを妨げ、ウクライナ人が死すべき大義に関するありがたいお説教を好むようになったようだ。国務省のプライス報道官は、ウクライナに自国の外交政策を決める権利があることをしぶしぶ認めつつ、NATOに加盟する権利を諦めさせまいとした。

バイデン政権は現状、ウクライナに和平の可能性を無視して戦争を続けろと求めてはいない。専門家はそう遠慮がちではない。「ウクライナは勝たなければならない」とアトランティック誌のアン・アップルバウムは宣言した。エコノミスト誌によれば、ウクライナの勝利は「西側にとっての賞」だそうだ。

戦争で破壊されているのはウクライナだ。紛争の停止を最も求めているのはウクライナ人だ。恒久的で安定した解決策がいる。それは紛争の原因、特にロシアの安全保障上の懸念に対処する合意によって達成するのが最善だ。米欧はロシアの利益と脅威を無謀にも無視し、ウクライナにその代償を支払わせた。

(次より抄訳)
Washington Will Fight Russia to the Last Ukrainian - The American Conservative

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