トランプ政権の外交政策において、マルコ・ルビオ国務長官が主導権を握り、ネオコン(新保守主義者)が復権を果たした。これは、トランプ大統領がウクライナ・ロシア戦争の仲介者としての立場を放棄し、ロシアの石油部門への制裁を課すという決定に現れており、結果として紛争のエスカレーションを容認する姿勢へと傾倒したことを意味する。同時に、ネオコンの長年の悲願であったベネズエラへの「政権転覆」作戦が再び動き出し、麻薬密輸対策を名目とした公海上の武力行使を経て、間もなくベネズエラ本土への攻撃が始まると発表された。2002年のサダム・フセインによる大量破壊兵器の捏造と同様に、ニコラス・マドゥロ大統領がコカインおよびフェンタニル工場の首領であるという虚偽情報が、主要メディアによって米国民に伝えられている。「テロとの世界戦争」が「麻薬テロとの半球戦争」に衣替えし、軍産複合体は新たな利益を見込んでいる。トランプ政権はネオコン排除を公約していたにもかかわらず、彼らは再び主要な役割を担うこととなり、このままではトランプ大統領の2期目の任期、そして米国自体をも破滅させかねないとの懸念が高まっている。
The Rubio Doctrine: Neocons Are Back! - Antiwar.com [LINK]
トランプ大統領は、ベネズエラのマドゥロ政権を「麻薬テロリスト」の温床と断定し、同国大統領が麻薬カルテルの首領であると主張した上で、麻薬密輸阻止と政権転覆を目的とする大規模な艦隊をカリブ海に展開させている。しかし、米国政府の現・元当局者は、この軍事行動の根拠に強く異議を唱えている。当局者らの見解では、ベネズエラは米国へのフェンタニル供給源ではなく、軍事作戦の標的となっている航路も、米国向け麻薬輸送にはほとんど使われていないという。国連などの国際機関の報告も、ベネズエラが国際的な主要麻薬回廊ではないことを裏付ける。また、米情報機関の「コミュニティの総意」メモは、マドゥロ大統領が麻薬カルテルの首領であるという政権の主張を明確に否定した。さらに、対ベネズエラ作戦を監督する米南方軍の司令官が軍事行動への懸念を理由に辞任するなど、政権と情報・軍事当局の間で深刻な政策的緊張が表面化している。ベネズエラ政策の正当性に異議を唱えた複数の当局者が、職を追われる事態となっている。
US Officials Disagree With Trump on Venezuela - Antiwar.com [LINK]
トランプ大統領のガザ和平案は、イスラエルの国際的な信用回復を主眼としているが、同案に基づく停戦は形骸化しており、イスラエルはガザ地区の一部からしか撤退せず、人道支援物資の搬入も計画の15%に留まっている。イスラエルによる日常的な殺害行為は減ったものの、これは真の停戦とは言えず、ガザの200万人の住民は食料、水、シェルターを求めて死活をかけた闘いを続けている。一方で、国際社会はイスラエルへの責任追及を強化している。国際司法裁判所(ICJ)は、イスラエルによるガザでの飢餓の兵器使用を強く非難し、占領国としての基本ニーズ確保を命じる新たな判決を下した。これを受け、ノルウェーは国連総会でICJの指示を履行するための決議案を提出する意向を示し、制裁を含む具体的な行動の可能性が開かれている。また、欧州では、英国議会で違法な占領に加担する企業への年金基金からの投資撤退を求める改正案が提出され、EUもイスラエルとの自由貿易協定の一時停止を検討するなど、イスラエルへの説明責任を求める動きが加速している。しかし、米国議会では、ガザでの破壊に対する米国の関与に関する議論を避ける形で、イスラエルとの新たな軍事同盟強化を推進する法案が進行している。
The World Confronts the Genocide Washington Is Trying To Bury - Antiwar.com [LINK]
ロシアのドローンや戦闘機がポーランドなどのNATO加盟国の領空を繰り返し侵犯している事態を受け、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定すべきだという危険な提案が再燃している。2022年のロシアによる全面侵攻直後、ウクライナのゼレンスキー大統領がこれを要求した際、当時のバイデン大統領やNATO外相らは、ロシアとの直接的な軍事衝突につながるリスクから採用を見送った経緯がある。その後も、ウクライナ側は領空の一部に対する限定的な飛行禁止区域の設置を繰り返し求めてきた。ロシア側は、NATOがウクライナへの高度な兵器供給や標的データの提供など、事実上の代理戦争を仕掛けていると公然と非難しており、NATOとロシア間の緊張は極めて危険なレベルまで高まっている。このような不安定な政治・軍事環境下で飛行禁止区域の設定を試みることは、火遊びに等しく、第三次世界大戦を引き起こす深刻なリスクを伴う。NATOが、ウクライナのNATO加盟や軍事資産化がロシアの安全保障にとって「越えてはならない一線」であるという警告を無視した過去の過ちを繰り返すことは、破滅的な結果を招きかねない。
NATO Must Say No to Ukraine No-Fly Zone - The American Conservative [LINK]
0 件のコメント:
コメントを投稿