この数週間、トランプ大統領はアメリカ本土から1500マイル離れたカリブ海域で、スピードボート4隻を無警告で攻撃し、乗船者を皆殺しにするよう命じた。被害者は「ナルコ・テロリスト」とされ、違法薬物輸送の計画者と見なされたというが、裁判で有罪判決を受けた者はいない。記事は、憲法上、超法規的な殺害は許されず、議会が宣戦布告しなければ大統領は軍事行動を起こす権限を持たないと主張する。憲法第一の役割は、議会に法制定と宣戦の権限を与え、大統領はその法に基づいて行動すべきである。さらに、憲法修正第5条・第14条により「人の命・自由・財産は適正手続きなしには奪われてはならない」と規定されており、これらの原理は国籍を問わずすべての人に適用される。記事は、今回の命令を正当化するために作成されたという法的覚書が分類扱いとされている点を批判し、秘密の「殺害許可理論」が憲法および司法判断を無視する危険性を警告する。
When Presidents Kill - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスとの和平交渉中にトランプ大統領が要求したガザへの爆撃停止を無視していると著者は指摘する。トランプは「和平交渉の間は即時停戦を認めなければならない」と公式に強く主張し、西岸の併合も許さないという姿勢を示したが、イスラエル側はこれに従っていない。この記事は、ネタニヤフがアメリカの要求を事実上無視し、軍事行動優先の立場を固めていることを批判し、トランプ政権との関係の亀裂が露呈していると論じている。
Israel Ignores Trump Demand To Stop Bombing During Peace Discussions - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
ジャスティン・ライモンドが提唱した「リバタリアン・リアリズム(自由主義現実主義)」は、介入主義・帝国志向の外交政策に対する体系的批判の枠組みを提供しようとする思想である。記事は、この理論を、パブリック・チョイス理論(公共選択理論)と、不侵略原則(Non-Aggression Principle:NAP)の二本柱で構成されると説明する。ライモンドによれば、外交政策は「国家の利益」の抽象的な話ではなく、政治家・官僚・ロビー団体ら個人の利害・動機から生まれるものであり、選挙・権力・特権を狙うエリートが戦争と介入を歯車として使ってきたという。さらに、NAP を外交政策に適用することで、侵略・前方展開・条約による強制などを拒否し、国家間関係は非干渉・自己防衛を原則とすべきと論じる。記事は、この立場が「リバタリアニズム」でありながら現実的(realistic)な国家観をもたらし、帝国主義志向の政治勢力を批判・予測できる視座を与えると結語している。
Libertarian Realism: Justin Raimondo's Challenge to Empire | The Libertarian Institute [LINK]
著者ダグ・バンドウは、NATOと欧米が現在露呈している対ロシアへの態度を「狂気(mad)」と呼び、同盟国が戦争拡大を煽る方向へ暴走していると批判する。まず、ヨーロッパ諸国は依然として米国に安全保障を全面移譲したまま、軍事支出を増やすことなく他国依存の体質を続けており、NATOの創設当初の理念(欧州自身で防衛を担う)は実現されていないと指摘する。さらに、NATO加盟国の政府がロシアを「敵視」し、空域侵犯や無人機・風船飛行、サボタージュなどの疑いをもたらす事案を理由に、ロシアとの全面戦争を準備させようとしていると論じる。特に、ウクライナ支援を通じて、米欧は代理戦争(プロキシ戦争)を越えて、ロシア本土に攻撃を仕掛けるよう求める段階へ移行しつつあると警告する。著者は、もしヨーロッパが米国主導の戦争に巻き込まれ、核戦争になればその被害は計り知れず、米国も自殺的行為を選ぶことになると結論付け、「今こそアメリカファーストを明確に打ち出すべき時だ」と訴える。
NATO Goes Mad - The American Conservative [LINK]
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