ランドルフ・ボーン研究所主任研究員、テッド・ガレン・カーペンター
(2023年5月2日)
どの国の政府も、外交政策の側面から欺瞞に満ちたプロパガンダを行う。しかしジョー・バイデン米政権は、嘘の数とその大胆さの両方で、ある種の記録を作ろうとしているようだ。その中でも、大胆さの面で際立っているのが3つある。
Washington’s Egregious Deceptions About the Russia-Ukraine War
— Antiwar.com (@Antiwarcom) May 2, 2023
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嘘「世界はロシアに反対し、ウクライナを支援することで一致団結している」。この自慢は、ロシア・ウクライナ戦争が始まった当初から信憑性に乏しかったが、時間が経つにつれて、よりほころびが大きくなっている。米政府の主張は、2022年3月と2023年2月の2回の国連総会の議決に基づいている。これらの措置は、ウクライナに侵攻したロシアを批判するものではあったが、国連加盟国に何らかの行動を約束するものではなかったため、純粋に象徴的なものだった。それでも、強国である米国の怒りを買うとわかっていながら、総会の2割以上の国が反対票を投じたり棄権したりした。
内容のある政策としては、北大西洋条約機構(NATO)圏と米国の長年にわたる安全保障上の依存先である東アジア以外では、反露政策への支持はほとんどない。インドや中国などの大国がロシアへの制裁を拒否しているだけでなく、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの圧倒的多数の国々がその姿勢を維持している。ウクライナへの経済的(ましてや軍事的)援助という点では、支持者の層はさらに薄くなっている。バイデン政権関係者の独りよがりな主張とは裏腹に、このような問題では、欧米対その他の国々ということになる。
嘘「ロシアとウクライナの戦争は、民主主義と権威主義の存亡をかけた世界的な戦いの一部である」。政権幹部や欧米ニュースメディアの閉鎖空間にいるその支持者は、何度もそのような主張をしている。ウクライナが合理的な基準で民主主義国家ではないという現実もさることながら、いくつかの理由でそれは誤りである。2022年2月のロシアの侵攻後、ウォロディミル・ゼレンスキー政権がさらなる弾圧政策をとる以前から、ウクライナは蔓延する汚職を理由にトランスペアレンシー・インターナショナル(非政府組織)から悪い評価を受け、政治的自由に関してはフリーダムハウス(同)から平凡な評価を受けていた。
それ以来、ゼレンスキー大統領は野党やメディアを非合法化し、その他の報道機関には厳しい検閲を課し、ロシア正教会や「ロシアとのつながり」を持つその他の宗教団体を事実上禁止し、反逆罪の疑いで多数の個人(元上級顧問らを含む)を収監した。さらに、国内外の批判者を「情報操作テロリスト」や「戦争犯罪人」と非難する「ブラックリスト」まで作成された。
バイデン政権が、ロシア・ウクライナ戦争を民主主義と権威主義の重要な闘いとして描くのは不条理である。どちらの国も民主主義ではないからだ。フロリダ州のロン・デサンティス知事は、この紛争を米国の関与を必要としない平凡な「領土問題」と表現したが、これははるかに的を射ていた。しかし残念なことにデサンティス氏が後にこの正確な説明を撤回したのは、戦争に関する議論を支配する親ウクライナの物語に異を唱える者をウクライナ・ロビーがいかに効果的に威圧するかを示すものであった。
嘘「米国はロシアとウクライナの戦争に直接関与していない」。ロシアの侵攻が始まったとき、バイデン政権幹部はすぐに、米国とそのNATO同盟国はウクライナの防衛努力を支援するが、ウクライナに米国の「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(地上軍)」は存在しないと米国民に保証した。しかし2023年4月に流出した国防総省の文書によると、米国と他のNATO諸国がウクライナに数十人の特殊部隊を配置していることが確認された。その事実を皮肉ったコメントで、ある識者は「米軍はブーツの代わりにスリッパを履いているのではないか」と推測している。
地上部隊の駐留がなくても、米国は(他のNATO加盟国とともに)ロシアとウクライナの紛争に深く関与してきた。米政府が公式に唱える非交戦国としての地位は、茶番である。米国を中心とするNATOは、ロシアに対して本格的な代理戦争を仕掛けているのである。しかもその目的は、ウクライナがロシアの侵略を食い止めるのを助けるにとどまらない。ロイド・オースティン国防長官が率直にも「ロシアを弱体化」させ、ウクライナや他の国にとって安全保障上の脅威とならないようにすることが目的だと述べたことは、この点を端的に示している。米国はウラジーミル・プーチン露大統領を戦争犯罪で訴追するよう国際刑事裁判所(ICC)に働きかけている。バイデン大統領を含む政権幹部は、NATOの根本的な目標はロシアの政権交代だとほのめかしている。
西側諸国は長距離ミサイルや重戦車など、ますます強力な武器をウクライナに供給している。また米国はウクライナに標的データを含む戦場情報を提供してきたことも明らかになっている。そのおかげで、ウクライナ軍は数百人が乗ったロシア軍の輸送機を撃墜し、多数のロシア軍将兵を殺害し、ロシアの黒海艦隊の旗艦を沈めるなどの戦果を挙げている。このような関与は米国を交戦国にし、核武装したロシアとの信じられないほど危険な衝突を引き起こす危険性がある。
米国民は、自国の政府に騙される心配をする必要はないはずだ。しかしロシア・ウクライナ戦争に関して、バイデン政権とその同盟国は、いくつかの重要な問題について国民を組織的に欺いた。このような行動は、民主主義の根本規範をまったく軽んじていることを示している。
Washington's Egregious Deceptions About the Russia-Ukraine War - Antiwar.com Original [LINK]
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