2023-05-14

徴兵制という奴隷制

自由の未来財団(FFF)代表、ジェイコブ・ホーンバーガー
(2023年5月12日)

ロシアとウクライナの戦争で興味深いのは、両国の政府が、兵士が「国に尽くす」ために徴兵制をとっていることである。戦争が正当なものであれば、市民が強制的に戦わされる必要はないと考えるのが普通だろう。
徴兵制では、政府は市民に軍事施設への出頭を命じ、そこで市民は政府の定めた賃金で、政府の従業員になることを強制される。さらに悪いことに、その強制労働とは人を殺すことである。したがって、徴兵制は軍事的な奴隷制の一種である。市民が政府による殺戮のために自分の時間と労働力を提供するよう強制されるからである。

米国はロシアやウクライナとは違う、と結論づけたくなるかもしれない。違わない。この両国と同じように、米政府も徴兵制に頼っている。

たしかに、米政府は現在徴兵制をとっていないが、それは単に、絶え間なく続く対外戦争向けに「大砲のえじき」(使い捨ての兵士)が今は必要ないからにすぎない。米政府は、十分な数の男女を自発的に「国に尽くす」よう仕向けることに成功している。

しかし、ロシアやウクライナと同じように、ここ米国にも徴兵制は存在するのが事実である(選抜徴兵登録制度)。そのため、若い男性は18歳になると徴兵の登録をしなければならない。

もしそれを怠ったり拒否したりすれば、逮捕・起訴され、有罪判決を受け、投獄されることになる。ベトナム戦争で徴兵拒否者に行われたのと同じことだ。(ボクシング世界王者の)モハメド・アリ氏は、強制労働のからくりに従うことを拒否したら、政府がその人々をどのように標的にするかを示す好例(起訴され地裁で有罪判決)である。

間違ってはいけないのは、このことだ。もしペンタゴン(米国防総省)と米中央情報局(CIA)が、米国をロシアや中国、あるいはその両方との戦争に巻き込むことに成功したら、米当局はためらうことなく、ロシアやウクライナがやっているようなことをやるだろう。ただちに米国人の男女を「国に尽くす」ために徴兵するだろう。

その日が来れば、「なぜ自分は米国の対外介入主義を前にして受け身でいたのか」と嘆く親が続出することは必至である。もちろん、戦争が核戦争に発展しなければの話だ。逆の場合、悲嘆にくれる親たちは死んでいる可能性が高い。

Involuntary Servitude in Russia, Ukraine, and the U.S. – The Future of Freedom Foundation [LINK]

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