2018-11-15

起業という革命

衆院選が終わった後も、政治の世界はなにやかやと騒がしい毎日です。しかし政治がどうなろうと、その間に社会では静かな革命が日々進行しています。起業家という革命家たちによってです。

国政選挙をはじめ、政治に関する出来事は派手で目を引きます。あたかも政治が社会の変化をリードしているかのように見えます。そう信じて政治の世界に飛び込む人もいます。

しかし政治は社会の変化を先取りするのでなく、せいぜい後追いするものでしかありません。最初に変化するのは経済であり、政治ではありません。政治は受け身です。もし人々が新しい製品やサービスを支持し、経済のしくみが変われば、社会は変わり、政治も変わらざるえなくなります。その変化を起こすのが起業家です。

起業によって社会や政治を変える方法はたくさんあります。最近でいえば、ライドシェアはタクシーの地域独占を揺さぶります。民泊は政府の都市計画に再考を迫ります。仮想通貨は中央銀行に操作される国営通貨や高コストの古い決済制度に挑戦します。ホームスクールやオンライン教育は政府の教育制度を根底から問い直します。

日経産業新聞で始まった連載「Startup X」によれば、貧富や地域による格差を情報技術(IT)でなくすエドテック(Education Tech)が急成長しています。スマホを使って授業を無料配信する葵(東京・新宿)は、登録者数が30万人を超えたそうです。創業者が保険の営業マン時代、娘の教育に悩むシングルマザーと出会い、今の教育に疑問がわいたのが、起業のきっかけだったといいます。

あらゆる起業は、規制で守られ税で維持される既得権益に対する革命です。暴力でなく、人々を満足させることによって実現される革命です。創造的破壊とも呼ばれます。スタートアップ企業はすべての政治運動を合わせた以上に、創造的破壊によって社会のより良い変化に貢献していくことでしょう。(2017/11/15

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