英国のロック歌手ヴァン・モリソンが新たに発売したアルバムで、主流メディアを痛烈に批判し、話題になっている。
「LATEST RECORD PROJECT VOLUME 1(最新録音プロジェクト第一巻)」と題する二枚組の新アルバムは、全二十八曲を収録。このうち 「They Own the Media(メディアは奴らのもの)」という曲は、こんな歌詞だ。
奴らは物語を支配し、神話を終わらせない/君たちに嘘をつき続け、無知は至福だと言う/全部信じたら、決して賢くなれない/真実はわからない、奴らは君たちのすることすべてを支配するから
この曲以外の歌詞にも、「マインドコントロールで俺たちは一列に並ばされる」「主流メディアはクズだ」「メディアに利用される、奴らの計画のために」といった辛辣な言葉があふれている。
モリソンは昨年、エリック・クラプトンが参加した楽曲などで、英政府によるロックダウン(都市封鎖)を批判した。今回のメディア批判は、政府に協力してロックダウンを正当化した報道姿勢に向けたものだろう。
槍玉に上げられた欧米の大手メディアは、案の定、激しく反発している。ロサンゼルス・タイムズは「ヴァン・モリソンに何が起こったのか。奇矯な天才から陰謀論者への転落」と見出しを掲げた。
しかしモリソンの歌詞は、現実離れした荒唐無稽なものではない。それどころか、過去に大手メディアが政府のよからぬ陰謀に加担してきたのは、紛れもない事実だ。モッキンバード作戦しかり、イラクの大量破壊兵器疑惑しかり、ロシアゲートしかり。
ロックのことはよく知らないけれども、この反骨心こそロックの精神というものに違いない。日本でも、こんな歌手が現れてほしい。
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