2020-06-30

国家権力の源泉

国家は自分の金を持たないから、自分の力も持たない。国家のあらゆる力は社会が与えたか、国家があれこれ口実をもうけて社会から奪ったかしたものだ。それ以外に国家が力を得る源泉はない。だから国家による力の掌握はすべて、社会の力の低下につながる。
Albert Jay Nock, Our Enemy, the State

国家が社会に言うには、「お前は緊急事態に対応するのに十分な力を行使しなかったり、力の使い方がまずかったりする。だからお前の力を奪い、私に合ったやり方で使わせてもらう」。このため人は、物乞いから小銭を求められると、それは国家に頼んでくれよと言いたくなる。
Albert Jay Nock, Our Enemy, the State

政党がどれほど競争しようと、結果は変わらない。それは支配権をめぐる争いであり、もたらされるのは、中央集権化、官僚主義の拡大、補助金を求める有権者への譲歩である。これは歴史が証明しているし、物の道理からしてもそうなる。
Albert Jay Nock, Our Enemy, the State

ファシズム、ボルシェビズム(ソ連共産主義)、ナチズムは一見違っても、根本の思想は一つしかない。社会の力をことごとく国家の力に変えることだ。ヒトラーやムッソリーニの神秘主義は、哲学者ヘーゲルの「国家は神聖なる理念を地上に体現している」という言葉を思わせる。
Albert Jay Nock, Our Enemy, the State

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