2020-06-08

収穫の犠牲(マディソン)

米建国の父は、国会議員らの利己的な行動をよく知っていた。マディソンは「収穫」のたとえを使い、事情通で政府にコネのある個人が、規制や法律を利用して利権を得る様子を述べた。抜け目ない一握りの金持ちが政治的な収穫を手にするとき、犠牲になるのは勤勉で無知な大衆だ。
James Madison on the “sagacious and monied few” who are able to “harvest” the benefits of government regulations (1787) - Online Library of Liberty

英経済学者ジェームズ・ミルは、権力者の意図をとことん疑った。政治権力者は監視されないと必ず、「邪な関心」を抱く。見識ある有権者によって適切に選ばれ、厳しく監督されない限り、政治権力者は必ずその地位を利用し、普通の納税者を犠牲にして私利私欲を満たそうとする。
James Mill on the “sinister interests” of those who wield political power (1825) - Online Library of Liberty

英哲学者ベンサムは議会を賭博場に例えた。政治家はばくち打ち、市民の財産は賭けの賞品。不誠実、嘘、偽善、詭弁が勝つための戦術だ。現職者は当面有利で、次を狙う連中は順番が早く来るよう願う。公共の利益という問題について、ばくち打ちたちが考慮することは決してない。
Bentham on how “the ins” and “the outs” lie to the people in order to get into power (1843) - Online Library of Liberty

米政治哲学者ジョン・カルフーンによれば、社会は対立する二つの集団(階級)に分かれる。一方は、税金を支払う人々(納税者)。政府のあらゆる活動は最終的にはその税金を頼りにする。もう一方は、税金に生活を頼る人々(税消費者)。マルクスの混乱した階級論とは大違いだ。
John C. Calhoun notes that taxation divides the community into two great antagonistic classes, those who pay the taxes and those who benefit from them (1850) - Online Library of Liberty

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