2020-06-16

分業の驚異(マンデビル)

著作家マンデビルいわく、商品を作るには驚くほど多くの協力関係が必要だ。真紅のドレスを作るには紡績工、染物屋、梱包業者らのほか水車大工、化学者ら。無用の贅沢品に見えても多くの人に価値をもたらす。アダム・スミスが『国富論』で分業の意義を説くより50年前のことだ。
Mandeville on the social cooperation which is required to produce a piece of scarlet cloth (1723) - Online Library of Liberty

英経済学者ジェームズ・ミルが説明するように、市場で商品を買うためには、その代金を払う財源がなければならない。その財源となるのは自分が作り出す商品だ。商品を多く作り出すほど、商品を多く買うことができる。これが「供給は自らの需要を作り出す」というセイの法則だ。
James Mill’s formulation of “Say’s Law” (1808) - Online Library of Liberty

米法哲学者スプーナーによれば、政府は民間企業と違い、利益を生む意欲がないから、安くて便利なサービスで顧客をつなぎ止めようとしない。代わりに求めるのは快適な職場、公務員の名誉、権力、大統領の笑顔だ。スプーナーは郵便会社を設立し政府に挑戦し、撤退を強いられた。
Lysander Spooner on why government monopolies like the post office are inherently inefficient (1844) - Online Library of Liberty

米社会学者サムナーによれば、平和な生産活動による資本の蓄積は、人間を野蛮な貧困から救い、文明を創り出した。そこでは単に十分な食べ物を見つけたり、捕食者・略奪者を避けたりする以上のことに打ち込めるようになった。やがて奴隷制やカースト制、ギルドから解放された。
Sumner on the industrial system as an example of social co-operation (c. 1900) - Online Library of Liberty

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