2018-10-22

仮想通貨の官営化

先日、ロシアが独自の仮想通貨「クリプトルーブル」の発行を決めました。GIGAZINEによれば、プーチン大統領が非公開の政府閣僚会議で指示し、ニキフォロフ通信情報相が明らかにしたとのことです。

プーチン大統領はかねて、ビットコインなどの仮想通貨はマネーロンダリング(資金洗浄)や脱税、テロ資金の調達に利用されるとして批判していました。それが今回、みずからその発行に乗り出すわけです。

クリプトルーブルは通常の通貨であるルーブルといつでも交換できますが、出所が証明できない場合、13%の税を課されるもようです。マネーロンダリングなど不正行為の手段として使われないようにするためです。

ニキフォロフ通信情報相によれば、仮想通貨導入を決めた一つの理由は「もしロシアがやらなければ、ユーラシア経済共同体に加盟する近隣諸国が2カ月後に行うため」といいます。同共同体はロシアのほか、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタンなどが加盟しています。

ロシアによる政府公認の仮想通貨導入は、中国に続く動きです。中央銀行である中国人民銀行は7月、政府公認の仮想通貨の導入を検討すると表明しました。サンケイビズによると、同銀系の金融時報は9月19日付で、政府公認での早期発行を期待するとの評論を掲載し「ビットコインなどが国家の通貨発行権に挑戦することは許されない」と断じています。

日本ではロシアや中国の経済政策というと、「社会主義」「全体主義」と馬鹿にする声が多いのですが、仮想通貨に関する限り、考えに大差はありません。1円でも多く税金が欲しいときに国民に財産上のプライバシーは許したくないでしょうし、誰もがビットコインしか使わなくなればリフレ政策などできなくなります。

中ロにならって仮想通貨が政府の管理下に置かれる日は、そう遠くないかもしれません。(2017/10/22

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