元米下院議員、ロン・ポール
(2023年1月30日)
今回公開された「ツイッター文書」のおかげで、2016年にドナルド・トランプ氏が大統領に当選した後に起こった、「ロシアの偽情報」騒動全体が、米国の選挙を弱体化させ、おそらく米国内の「体制転換」を後押しするための大規模な情報操作だったことが、間違いなく判明した。
The Real Disinformation Was The ‘Russia Disinformation’ Hoaxhttps://t.co/wZ1nMXieMQ pic.twitter.com/n7a13LdlWl
— Ron Paul Institute (@RonPaulInstitut) January 30, 2023
以下はその背景である。選挙直後の2016年11月、ワシントン・ポスト紙は、「ロシアのプロパガンダ活動が選挙中の『フェイクニュース』拡散に貢献。専門家が語る」と題する記事を掲載した。記事の目的は、トランプ大統領をロシアの「偽情報」キャンペーンの産物として委縮させることだった。
「ロシアの作戦がトランプ当選の決め手となったかどうかは分からないが、研究者は、米国の民主主義とその指導者に不信感を植え付ける広範に有効な戦略の一部であると描いている」とクレイグ・ティンバーグ氏は書いている。ロシアの作戦がトランプ氏を選んだのであって、米国民が選んだのではない、という含意は明らかである。
この報告書が引用した「専門家」の中には、「プロップ・オア・ノット」と呼ばれる匿名の組織があり、その言葉によると、「選挙期間中にロシアのプロパガンダを売り込んだ、合わせて少なくとも1500万人の米国人の読者がいる、200以上のウェブサイトを特定した」という。
この組織の報告書はあまりにも荒唐無稽で、ワシントン・ポストは、ゼロヘッジやアンチウォー・ドットコム、さらには私のロン・ポール研究所といった独立系ニュース機関を「ロシアの偽情報」として誤って告発したこの報告書へのリンクを載せたことで、後に釈明を発表せざるをえないほどだった。
2016年のワシントン・ポストの記事には、元米連邦捜査局(FBI)防諜官で、米国で「ロシアの偽情報」を狩ると主張する別の組織、「ハミルトン68」プロジェクトを設立した「専門家」、クリント・ワッツ氏も登場した。このプロジェクトはウィリアム・クリストル、ジョン・ポデスタ、マイケル・マクフォール各氏らネオコン(新保守主義派)のトップが名を連ねる、非常に資金力のある組織「民主主義確保連合」によって立ち上げられた。
「ツイッター文書」の新たな公表により、ジャーナリストのマット・タイービ氏は、600の「ロシアの偽情報」ツイッターアカウントを監視すると主張したハミルトン68プロジェクトが、まったくのデマだったことを明らかにした。同プロジェクトはどのアカウントを監視していたかは明らかにせず、その手法も明かそうとしなかったが、ツイッター社はリバースエンジニアリングを用いて、600余りの「ロシアとつながりのある」アカウントを特定できたという。その結果、ハミルトンの主張とは裏腹に、これら「ロシア」アカウントの大半が英語を話す人々であることを突き止めた。ロシアで登録されていたアカウント(その数は644件中わずか36件)のほとんどが、ロシアのニュース番組「RT」の従業員だった。
すべてが嘘であり、最新のツイッター文書は、マスク氏以前の「覚醒した」ツイッター社員でさえ、疑いの目を向けていたことを裏付けている。しかし、このデマには重要な目的があった。このネオコンの組織は、匿名の後ろに隠れて、完全に正当な組織や個人を「ロシアの工作員」として中傷し、誹謗する記事を何百と作成することができたのである。それは承認されたネオコンのシナリオに従わない人物を悪魔化する、非常に便利な方法を提供した。
ツイッター社の新しいオーナー〔イーロン・マスク氏〕は、そのカーテンの裏側を見せてくれたが、週末のツイートでそれをうまく表現していた。「米国の団体が米国の選挙を妨害するために、ロシアの選挙干渉について虚偽の主張をした」
「ロシアの偽情報」というデマは、1950年代のマッカーシズムに戻ったような衝撃的なもので、ある意味ではもっとひどいものだった。米国の個人や非営利団体を外国人に雇われているとして標的にし、「抹殺」するためのリストを作ることは、卑劣な行為だ。このような詐欺的な行為は、対処すべき現実的な被害をもたらしている。
(次を全訳)
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The Real Disinformation Was The ‘Russia Disinformation’ Hoax [LINK]
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