2023-02-22

ウクライナ支援のコスト

経済学者、デビッド・ヘンダーソン
(2023年2月18日)

2022年、米政府はウクライナへの援助に1130億ドルの支出を承認した。非営利団体「連邦予算責任委員会」によれば、次のとおりだ。
議会予算局(CBO)の推計によると、計1130億ドルのうち66億ドルが2022年度に、377億ドルが2023年度に支出される。さらに、承認された予算の半分以上が2024年度末までに、4分の3以上が2026年度末までに使われると見積もっている。
一般家庭にはどれくらいの負担になるのだろうか。米国には約1億3120万世帯がある。つまり、1世帯あたりの平均負担額は、1130億ドル÷1億3120万で861ドルということになる。

もちろん、平均値は情報不足であることが多い。今回の件もそうだ。ブルッキングス研究所によると、2018年に高所得世帯(所得分布の上位20%に属する世帯)は、連邦政府が徴収した税収の約68%を支払っている。その年、上位5分位に入るには、15万3301ドル以上の所得が必要だった。

インフレ調整後のこの数字は、現在もほぼ同じだと仮定する。また、嘘だとわかっていても、この1130億ドルは新たな借金ではなく、すべて税金から支払われると仮定することにする。これは見た目ほど悪い仮定ではない。新たな負債から支払われ、将来の税金でその負債を返済する限りにおいて、現在のような累進課税構造に基づくと、かなり良い仮定と言えるだろう。

つまり、上位5分位が1130億ドルの68%、768億ドルを負担することになる。上位5分の1の世帯は約2600万世帯ある。つまり、上位5分の1の世帯あたりのコストは768億ドル÷2600万で、2956ドルだ。

他人の戦争に参加するのは大変なことだ。

妻と私の場合を考えてみよう。2018年に私たちの所得は上位5分位、おそらく上位10%のすぐ下に位置している。つまり、私たちは上位10%と同じ程度に高い所得税率に苦しめられているわけではないので、コストは2956ドルよりも2000ドルに近いと考えられる。2200ドルくらいだろう。

このように考えてみよう。戦争が始まった最初の1カ月、妻と私はウクライナ人を助けるために「何かしたい」と思った。友人が、ウクライナに親戚のいる地元のレストラン経営者にお金を渡すことを勧めてくれた。友人は経営者を信頼し、私たちも友人を信頼している。そこで私たちは経営者100ドルを贈った。たいした額ではないことはわかっているが、上記の2200ドルという数字が、いかに「たいした額ではない」かを物語っている。私たちは自発的に寄付した額の約22倍を、連邦税で支払うことになるのだ。

How Much Is US Aid to Ukraine Costing You? - Antiwar.com Blog [LINK]

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