ケイトー研究所主任研究員、マリアン・テューピー
(2017年3月2日)
特許専門家スティーブン・ヴァン・ダルケンは2002年に出版した本で、20世紀で最も重要な100の発明を挙げている。年に一つずつ。ほぼすべてが自由主義国から生まれたものである。
Karl Marx thought market competition would drive down profits, thus necessitating ever greater exploitation of workers. But in fact, real average global income per person rose by factor of 10 over the last 200 hundred years. https://t.co/LSoiaCv22F
— HumanProgress.org (@HumanProgress) January 29, 2020
発明者の出身地を見ると、米国47人、英国30人、フランス4人、カナダ3人、ドイツ3人、スウェーデン2人となっている。アルゼンチン、オーストリア、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、ソ連、スイスはそれぞれ1人ずつ発明家を輩出している。
特許を取得した国・地域を見ると、多少様子が変わるが、それほど大きな違いはない。米国が46件、英国が29件、世界知的所有権機関(WIPO)が11件である。ドイツは5件、フランスは2件、欧州連合(EU)全体では2件、カナダ、デンマーク、ハンガリー、日本、スイスはそれぞれ1件である。
ヴァン・ダルケンの選択は主観的だと反論する人もいるかもしれない。しかし、飛行機、エアコン、電気洗濯機、舗装道路、掃除機、ネオン照明、ステンレス鋼、食品の急速冷凍、テレビ、信号機、ナイロン、レーダー、テフロン、バーコード、コンピューター、ボールペン、電子レンジ、マイクロチップ、高強度素材ケブラーなど、誰だってリストに入れただろう。
言うまでもないが、ヴァン・ダルケンの挙げた発明家たちは、自国だけに利益をもたらしたのではない。発明の恩恵は世界中に広がり、すべての人々の生活を向上させた。その中には、専制政治のもとで暮らす人々や暮らしていた人々の多くも含まれる。
アフリカが独立した1960年から2015年までの間に、サハラ以南のアフリカ(SSA)と米国の所得格差は拡大した。1960年、SSAの一人当たり平均GDPは米国の6.31%に相当した。逆に、米国の一人当たり平均GDPはSSAの1586%だった。
その後55年間で、インフレ調整後のSSAの所得は55%伸びた。しかし、米国では203%の成長だった。つまり2015年にSSAの所得は米国の3.21%に相当し、米国の所得はSSAの3111%になったのである。ドルに換算すると、SSAの所得は1075ドルから1660ドルに増え、米国の所得は1万7037ドルから5万1638ドルへ増加した(数字はすべて2010年のドル)。
しかし、生活水準全般を示す最良の指標である平均寿命では、両者の差は縮まった。1960年にSSAの平均寿命は米国の58%だった。その逆は174%。その後55年間で、SSAの平均寿命は47%伸び、米国では14%伸びた。つまり2015年にSSAの平均寿命は米国の75%に伸び、米国はSSAの134%に縮まったのである。年数で言うと、SSAの平均寿命は40.17年から59年に伸びたのに対し、米国では69.77年から79.16年にしか伸びなかった。
つまりアフリカの人々は、より長く、より良い人生を送るために、金持ちになる必要はなかったのである。独立以来、多くのアフリカ諸国が社会主義や保護主義を試してきたことを考えれば、金持ちにならなくても不思議はない。
その代わり、アフリカ全土が自由主義国、つまり資本主義国で起こった技術進歩の恩恵を受けている。飛行機は米国の発明で、命を救う医薬品をコンゴの奥地まで運んでくれる。合成インスリンはカナダの発明で、南アフリカで命を救っている。コピー機も米国の発明で、アンゴラで貧しい子供たちが読み方を学ぶのに役立っている。
人類の進歩が持続するために最も重要なことは、経済学者ハイエクが言うように、地球上の少なくとも少数の人々が自由であり続けることだ。それは難しいことではないと思う。
(次より抄訳)
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