スプートニク
(2023年6月15日)
制裁措置や貿易禁止をきっかけに、ロシアを含む多くの国々が、欧米による「武器化」の進む米ドルへの依存から脱却する取り組みを加速させている。BRICS諸国の最近の動きは、世界経済における米ドルの優位がいずれ根こそぎ失われることを期待させるものだ。
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— Sputnik (@SputnikInt) June 15, 2023
脱ドル化は、ほとんどの人が考えているよりもずっと早く起こる可能性がある。ネトリー・グループのマイケル・ゴダード社長は、サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPEIF)でそう述べた。
世界でも例のないグローバル経済・ビジネスイベントである同フォーラムは6月15日に2日目を迎え、米ドルの覇権を離れようとする国々の間で最近話題になっている「脱ドル化」に焦点を当てている。この動きはBRICS諸国が主導している。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカという世界最大の途上国経済圏で構成されており、米主導の経済秩序から脱却するために、共通通貨の導入を検討している。
アルゼンチン、イラン、インドネシア、トルコ、サウジアラビア、エジプトなど、BRICSへの加盟を希望する国が続々と現れており、脱ドルの流れはさらに強まりそうだ。
「BRICSの新通貨は、議論されているように、金や資産バスケットなど何らかの資産に裏打ちされたもので、貿易の基礎として、BRICS諸国や新加盟国がそれを用いて貿易すれば、貿易に使われるドルの量をほぼ直ちに減少させるだろう。そして数年の間に、それは大きく加速するだろう」。マイケル・ゴダード氏はスプートニクに語った。
しかし世界の準備通貨であるドルを捨てるという希望を抱くのであれば、「実際には〔ドルに代わる〕準備通貨が必要だ」とも明言した。現時点でのドルの圧倒的な優位は、米国の債券市場にあるとゴダード氏は述べ、こう付け加えた。
「BRICSがそれを再現し、さらにそれを置き換える方法の一つは、債券市場をリンクさせ、政府や国民が新しい通貨建ての債券を実際に購入することだ。そうすれば、多くの人が考えているよりもずっと早く、脱ドル化が実現すると思う」
BRICS通貨に懐疑的で、加盟国の経済が大きく異なることを警告する人たちに対して、ゴダード氏は、この「格差」をうまく克服する方法を列挙する。その一つは、BRICSが「金か信頼できる商品バスケットに裏打ちされた通貨」を作り、「世界の80%と取引する」やり方だ。
「米国、英国、欧州以外のほとんどの人は、ドルに代わる通貨を望み、制裁を受けたり、資産を凍結されたりするリスクを負いたくないと思っていると思う。その勢いが通貨を根付かせ、成長させると思う」とゴダード氏は締めくくった。
BRICSのメンバーであろうと、他の国であろうと、あるいは米国の現在の同盟国でさえも、米国の外交政策に反対するほど大胆であれば、米国はいつでもその国に対する制裁手段としてドルを振りかざすことができるし、実際振りかざす。それを認識する必要があると、ロシア安全保障会議のセルゲイ・バフルコフ副長官は警告する。
米国の直接の指示に従いたくない国は、様々な制裁や禁止措置に直面し、経済に深刻な影響を被る恐れがあると、バフルコフ氏はサンクトペテルブルク・フォーラムに合わせてスプートニクに語った。具体的には、ドルの流動性の制限、決済の問題、貿易の制限、課された制裁に伴う膨大な問題をもたらすかもしれない、と同氏は述べた。この脅威は米国の同盟国にも存在し、多くの国にとって米国の政策に縛られ続けることは経済的に不利になりつつあるとし、欧州の不況はその顕著な例だと付け加えた。
つまり重要なのは、主権の強化、国益に基づく交流、互いに利益のあるに重きを置き、ドル発行によって他人のルールを押し付けようとする試みを拒否することだ。そうバフルコフ氏は強調した。
今日、多くの人がすでに理解しているように、脱ドル化の流れは非常に活発に進行していると、バフルコフ副長官は述べた。
二つの国が交流し、貿易などを行う場合、なぜ片方が会計単位にすぎない別の手段の仲介を必要とするのかと、ロシア会計検査院の検査官、ドミトリー・ザイツェフ氏は考察する。ドルに代わるBRICS通貨は、試しに使ってみるには便利な仕組みかもしれないと同氏は同意したが、他の手段も含めて模索の幅を広げるよう勧めた。
「これこそ多極化、多中心的な考え方が求めるものだ」とザイツェフ氏は強調した。
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