2016年5月18日水曜日

〔本〕『平清盛の闘い』


貿易立国の夢

平清盛といえば、テレビの歴史ドラマではたいてい悪役。しかし本書では、進取の精神に富み、貿易立国の夢を描いた清盛像が浮かび上がる。平家が滅びなければ、その後の日本はもっと豊かになっていたかもしれない。

<抜粋>
大輪田・兵庫は日宋・日明貿易の舞台としてつねに脚光を浴びてきた。神戸には、国際貿易港としての伝統と生命力がある。その神戸を、初めて国際貿易の舞台として歴史に登場させたのが清盛である。(第2章)

畿内の一画にまで宋船が進入できた原因の一つが、後白河院の貿易に対する支援・協力にあったことは疑いない。清盛と後白河という、王朝の制法・因習を無視する大胆な個性の結合によって日宋貿易は軌道に乗った…(第2章)

(遷都の)候補地は、清盛の長年の根拠地として、そして軍事拠点であるとともに、日宋貿易の舞台として宋にもつながる国際都市福原以外に考えられない。ここに強引な福原遷都を計画した原因があったと考えられる。(第5章)

貿易を通して彼ら(=宋商人や宋船の乗組員)と密接な関係にあった清盛は、宋船を自由に利用できたのである。港湾に面し、異国人が居住する宮都など、異国をケガレの対象と見なす王朝貴族には、想像もつかないこと…(第5章)

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