国際的な気候変動対策の多くと同じく、エアコンに対する規制は環境への利益よりも経済に弊害を及ぼす危険が大きいAir conditioning saves lives. According to one study, AC has prevented 18,000 heat-related deaths annually in the U.S.
— HumanProgress.org (@HumanProgress) June 7, 2022
Now, billions of people in tropical regions are on the verge of affording AC — so long as climate regulations don't jack up the price.https://t.co/UlSmdVnNVR
競争企業研究所主任研究員、ベン・リーバーマン
(2022年6月7日)
もしエアコンが医学の進歩なら、その開発者は多くの命を救い、改善したことでノーベル賞を受賞したことだろう。エアコンは途上国にも浸透しつつある。そこには熱帯地方に住む何十億もの人々が含まれる。彼らはエアコンの恩恵を最も受けられるにもかかわらず、市場普及率は世帯の10%未満にすぎない。
エアコンは公衆衛生上の利点があるにもかかわらず、その普及は必ずしも良いニュースと受け止められていない。電力消費の増加とそれに伴う温室効果ガス排出の増加のせいだ。国連、世界銀行、国際エネルギー機関、多くの非政府組織(NGO)は、エアコンの普及についてせいぜい両論併記だ。
米国は最初に冷房が普及した国で、冷房の効用を最もよく証明している。エアコン普及前は、多くの地域で夏の気温に伴い死亡率が著しく上昇していたが、住宅にエアコンが90%普及し、この傾向はほぼ解消された。ある研究によると、エアコンの普及は暑さによる死亡を年間1万8000人防いでいる。
米国より夏が厳しいにもかかわらず、冷房の効いた住宅や建物の少ない地域では、人口が10倍近くも多いことを考えると、冷房の利点はケタ違いに大きい。近代シンガポールの父といわれるリー・クアンユーによれば、同国が熱帯の他の国々と比べて成功した最大の要因はエアコンの普及である。
気候活動家はエアコンの電力使用量だけでなく、冷媒にも関心を寄せる。1987年のモントリオール議定書でオゾン層を破壊する冷媒が規制された後、多くの冷媒にハイドロフルオロカーボン(HFCs)が使用されるようになった。当初は歓迎されたが、その後、温室効果ガスとして問題視されるようになった。
たしかにHFCは、分子あたりではCO2二酸化炭素の数百倍、場合によっては数千倍の温室効果ガスだが、大気中に存在する量はCO2の100万分の1程度だ。米国海洋大気庁は、人為的な温暖化に対するHFCの寄与度を1.37%としている。
それでも2016年にルワンダのキガリでモントリオール議定書が改正され、HFCに規制がかかることになった。冷媒の切り替えを強制されることでコストが上がる可能性は高い。皮肉なことに、HFCsが実際には効率の悪い冷媒に置き換えられるため、効率にも悪影響を及ぼす可能性がある。
気候変動対策の多くは、特に発展途上国にとって、環境への良い影響よりも、経済に悪影響を及ぼしかねない。化石燃料の制限によるエネルギーコストの大幅な上昇と引き換えに、将来の気温がわずかに低下するだけだろう。何十億人もの人々がまだエアコンを買う前に、そのようなコストを課してはならない。
(次より抄訳)
The Global War on Air Conditioning - HumanProgress [LINK]
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