ジャーナリスト、ネボイサ・マリッチ
(2022年6月2日)
米欧が現実を無視し、ウクライナ紛争はウクライナ側に有利に進行中だと主張し続けているにもかかわらず、主要メディアは経済戦争の状況に不安を強めている。米国と同盟国が課した禁輸措置が、当初意図したようにロシア経済を潰すのではなく、むしろ自国の経済を潰していることを認める論者が増えている。
「ロシアは経済戦争に勝っている」。英ガーディアン紙の経済エディター、ラリー・エリオットは木曜日(6月2日)、こう宣言した。「西側がロシアに対し経済戦争を仕掛けて三カ月になるが、計画通りには運んでいない。それどころか、実にひどい状況になっている」
エリオットは、最近米国がウクライナにロケットランチャーを送ると発表したのは、制裁が功を奏していない証拠だと述べる。「エネルギー禁輸やロシア資産の差し押さえではこれまでできなかったこと、つまりプーチン(露大統領)による軍隊の撤退を、米国からの最新の軍事技術で達成するよう期待される」
この現実は、毎週のようにロシアの敗北を予言することで有名になった英テレグラフ紙の国防エディター、コン・コフリンでさえも無視できない。コフリンは今や、ウクライナにはさらに多くの武器が必要だという自説のためではあるが、ロシアが「衝撃的な勝利」を収めるかもしれないと述べている。
欧米がロシアの壊滅に失敗したことは、ロシアに同情的とは言えない英エコノミスト誌にすら明らかだ。同紙は一カ月前、ロシア経済が最初の制裁ショックから立ち直ったとしぶしぶ認めた。一方、エネルギー不足、生活費の高騰、記録的なインフレに対処しなければならないのは、西側諸国である。
欧米の制裁政策に対する不満が噴出しているのは、欧州だけではない。米ニューヨーク・タイムズ紙は火曜日(5月31日)、クリストファー・コールドウェルの論説を掲載し、バイデン政権がウクライナに大量の武器を送ることで「交渉の道を閉ざし、戦争を激化させている」と批判した。
「米国は、同盟国を武装させるのと戦闘に参加するのは同じではないという虚構を維持しようとしている」とNYタイムズは書き、この区別は情報化時代において「不自然さを増している」と指摘した。その翌日、米サイバー軍のトップが、ウクライナのためにロシアに対し攻撃的な作戦を実施したと認めた。
NYタイムズのコールドウェルによれば、米国は「激化する戦争で勝てると信じる理由をウクライナに与えてしまった」。実際、ダボス会議でキッシンジャー(米元国務長官)が紛争の早期解決を論じようとすると、ゼレンスキー政権から罵倒され、ただちにウクライナ国家の敵に指定された。
(次より抄訳)
As sanctions fail to work and Russia's advance continues, Western media changes its tune on Ukraine — RT Russia & Former Soviet Union [LINK]
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