2022-06-08

ロシアが欧州を脱NATO化する方法

ムーン・オブ・アラバマ
(2022年6月6日)

ロシアがNATOを1997年の国境まで後退させるには、どうすればよいか。経済制裁だ。米国は従わない国々に制裁を加えてきた。このような制裁は国際法上何の根拠もない。にもかかわらず、米国は欧州などの諸国に対し、イランやベネズエラと取引すれば制裁するという、二次的制裁まで発動した。

ロシアも同じことができる。つねに国際法に従っているため、少し違った方法が必要だろう。ロシアは、西側が必要とするあらゆる種類の原材料を生産する超大国だ。欧州、特にドイツは、ロシアの天然ガスと石油に依存する。ロシアの供給を完全に断てば、ドイツのエネルギー価格は少なくとも3倍になる。

ロシアのエネルギー供給を制限する現在の欧州の政策が続くなら、化学大手のBASFやバイエルはどこか他の国に移らなければならないだろう。フォルクスワーゲン、メルセデス、BMWは欧州での生産をすべて停止しなければならないだろう。鉄鋼の生産はゼロになるだろう。

大量の失業者が続出するだろう。計画停電、凍えるアパート、ハイパーインフレに抗議するため、何百万人もの人々が街頭に立つだろう。ロシアはいつでもこれを実現することができる。欧州へのガスと石油の供給を止めればいいだけだ。

欧州はロシアに対し6つの制裁パッケージを発動しているが、ロシアはまだ報復していない。欧州が米国によって命がけのゲームを戦わされていると気づくよう期待しているのだろう。イデオロギーに凝り固まった欧州の指導者は、ドイツ現実政治の伝統に従ったクリーンな指導者と交代しなければなるまい。

新しいまともな指導者がいてこそ、欧州は正気を取り戻すことができる。ロシアはNATO問題の解決と一石二鳥で、その達成に貢献できる。このように公に宣言すればいい。「欧州が米政府と決別するまで、いかなる種類のロシア製品も欧州に供給しない」

その後、何が起こるだろう。寒さと空腹に苦しむ欧州の家庭で、ろうそくの灯りの下、何百万回となく議論が交わされることになる。政治的な意見も変わるだろう。政府は、より現実的な政権に取って代わられるだろう。

フランスとドイツはNATOを脱退するか、貧しく無力になるかのどちらかだ。欧州に駐留する米軍は退去を求められるか、激怒した国民に攻撃され、追い出されることになるだろう。ドイツは、米軍が自国の領空を使用することを禁止するだろう。米国は欧州大陸に対する支配力を失うだろう。

ロシアは、欧州に対する米国の覇権という現行システムの破壊を必要としている。欧州は脱NATO化されなければならない。そのためには欧州諸国の政権交代が必要だろう。ロシアの指導者たちは今、その目的を達成する百年に一度のチャンスに恵まれている。

米国は、ロシアの販売ボイコットやその影響を防ぐことも、それらに対抗することもできない。欧州の政治家やその背後にいる人々は、いつになったらこの事実に目を覚ますのだろうか。

(次より抄訳)
MoA - How Russia Can (And Will?) De-NATO-size Europe [LINK]

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