2022-06-22

嘘が戻ってくるとき

元米陸軍大佐、ダグラス・マクレガー
(2022年6月17日)

ウクライナ戦争の起源と遂行について、米国民に何カ月も大嘘をついてきたメディアは、今や米英など西側諸国の国民にウクライナの軍事的崩壊を覚悟させようとしている。

西側メディアは、ウクライナの防衛が実際よりもはるかに強力であるかのように見せるために、あらゆる手段を講じてきた。注意深く観察すれば、ロシア軍の戦車が攻撃を受けている同じビデオクリップが繰り返し流されていた。現地での反撃は、あたかも作戦行動であるかのように報道された。

ロシアのミスは誇張された。両軍の損失の程度は歪曲・捏造され、あるいは単に無視された。だが戦況は時間とともにほとんど変化しなかった。ウクライナ軍が市街地や(東部)ドンバス地方中心部の動きのない防衛拠点に釘づけにされると、ウクライナの立場は絶望的となった。しかし、この展開はロシア側が「目的」を達成できなかったものとして描かれた。

防衛陣地で動けない地上戦部隊は、遠距離から識別され、狙いをつけられ、破壊される。上空からの情報・監視・偵察装置が、正確な照準データに基づく精密誘導攻撃兵器や最新砲兵システムと連携すれば、「地上待機」はあらゆる地上軍にとって致命的である。ウクライナではなおさらだ。ロシアが最初の行動から、都市の占領やドニエプル川以西のウクライナ領土の獲得ではなく、ウクライナ軍の破壊に重点を置いていることは明らかだからである。

ウクライナはロシアとの戦争に敗北した。ウクライナ軍は失血死しつつある。訓練された代替要員は戦闘に影響を与えるほどの数は存在せず、状況は刻々と絶望的になっている。米国と北大西洋条約機構(NATO)の地上軍による直接的な軍事介入をしない限り、米国と同盟国の軍事援助や支援をいくら受けても、この厳しい現実を変えることはできない。

今の問題は、ロシアがすでに支配している東ウクライナの領土と住民をロシアに譲り渡すかどうかではない。ドンバス地方とともに(南部)ヘルソン地方とザポロジエ地方の将来は決まっている。またロシアは、歴史的・言語的に関係の深いハルキウ、オデッサの両都市と、それらに隣接する領土を確保する可能性が高い。これらの作戦で、紛争は夏まで拡大するだろう。問題はこの戦闘をどう止めるかである。

欧州の人々は、経済不況の深淵をすでにのぞいている。バイデン(米大統領)の思いつきの政策の結果に対処しなければならない米国人とは異なり、欧州各国はバイデンのウクライナに対する永久戦争計画から手を引くことができる。

米国の平均家庭で昨年と同じ商品やサービスを今年も購入するために、インフレで毎月460ドルの追加コストがかかるとすれば、ウクライナが米国の有権者の関心を引くことなく、タイタニック号のように静かに波の下に沈んでいく可能性は十分にある。経験豊富な政治家たちは、米国人の海外問題への関心が非常に低いことを知っているので、ウクライナの敗北を認めても、おそらく目先の影響はほとんどないだろう。

11月になると、米国民は(中間選挙の)投票に行く。この選挙は、米国の選挙手続きの健全性を試す以上の意味を持つ。バイデンは1932年のハーバート・フーバー(大統領、共和党)のように、軌道修正することを拒否し、その頑固さを記憶されることになりそうだ。

(次より抄訳)
When the Lies Come Home - The American Conservative [LINK]

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