法人税の最低税率の導入で税の国際競争を妨げる主要7カ国(G7)と、反競争的な行為をしたとされるデジタル・プラットフォーマーに、大きな違いはない。先進諸国の提案は、どの国もその製品(国内でビジネスを行う許可)の値段(税率)を引き下げることができないようにする。
民間企業が結託して製品の最低価格を決めたら、カルテルと非難され、社長らは国会に呼び出され喚問されるだろう。ところが法人税の国際的な最低税率を決めた各国政府首脳らは、記者会見で厳しく追及されることすらない。それどころかマスコミはこのカルテルをほめ称えている。
法人税を実際に支払うのは企業ではない。労働者と消費者が賃金の低下と物価の上昇を通じ、そのコストの大半を負担する。おまけに法人税は投資を妨げ、経済成長を鈍らせ、雇用を減らす。だから国々が企業を呼び込もうと減税を競い合うのは、労働者や消費者にとって良いことだ。
小国が大国と競う手段の一つは、法人税率の引き下げだ。フランスの32%、ドイツの29.9%に対しポーランド、チェコは19%、ルーマニアは16%。欧州連合(EU)の政治家は税金競争を「EUへの脅威」だと不平を鳴らしてきた。豊かな西欧諸国は、税率を低く抑える貧しい小国と税金で争いたがらない。
国々が税の安さを競う「税金戦争」を始めよう。左翼は「底辺への競争」だと心配するけれど、それは左翼が大きな政府を好み、人々の所得は国家のものと考えているからだ。「税金戦争」は良いことだ。政治家が互いに争い、世界経済を元気にする減税という弾を撃ち合うからだ。
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