(仏作家コンスタン、軍隊の精神が自由にもたらす危険について)より抜粋。
戦時の政治(politics of war)は、社会にある種の人々を大量に生み出す。彼らの考え方は国民全体とは大きく異なる。
市民生活(civil life)の型、司法の組織、あらゆる人の権利の尊重、いかなる形式の政府の下でも侵してはならない平和と秩序ある自由の原理。戦時の政治が生み出す人々の習性は、危ういことに、これら諸原理と対照的である。
古今東西を問わず、軍隊で長期間過ごした人々は、国民全体から切り離される。ほかならぬ自由の戦士(soldiers of freedom)が、自由のために戦ううちに、暴力の行使に敬意の念を抱くようになる。自由という目的のために戦っているにもかかわらずである。
兵士が知らず知らずのうちに感染する道徳、理念、習慣は、彼ら自身が守る大義〔=自由〕を破壊する。戦争の勝利を確実にする政策は、法の崩壊(collapse of the law)を導く。
軍隊の精神(military spirit)は横柄で、迅速で、高慢である。法は穏やかで、しばしば緩やかで、保護をもっぱらとする。軍隊の精神は、考える能力を無規律の始まりとして嫌う。
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