2016年10月25日火曜日

〔翻訳〕ゼロ金利政策の病理

*Emile Woolf, Six Things to Consider About Inflation(インフレについて考えるべき6つの事柄)より抜粋。

中央銀行は、金利を押さえ込めば生産活動が活発になると期待する。しかしそれはセイの法則(Say’s Law)を無視している。セイの法則が示すとおり、消費するためにはまず生産しなければならない。

セイの法則の反対は、ばかげた「需要管理」(demand management)である。需要を刺激すれば、その需要を満たす生産を魔法のように生み出すという。もしそれが正しければ、今ごろベネズエラやジンバブエは世界一豊かな国として羨望の的だろう。

金利を押さえ込むと、長期のインフラ投資計画(infrastructure investment plans)が手控えられる。民間のインフラ関連企業はコストの見通しが立たなければ、事業に踏み出せないからだ。金利がいつ上昇するかなどが不透明だと、動きが取れない。

資金配分を誤るリスクは、民間建設会社には大きすぎる。公共工事の混乱ぶり(cock-ups)を見るがいい。飛行機が着陸しないスペインの空港。車の走らないポルトガルの高速道路。英国で計画中の新高速鉄道(HS2)……。

ゼロ金利政策で促進されるのは、最小限の資本で済む短期の生産計画だ。安い製品ならリスクを小さくできる。だからみすぼらしいアウトレット店が郊外の目抜き通り(high street)に立ち並ぶ。するとインフレなど起こっていないように見えるのだ。

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