2016年7月24日日曜日

木村草太『テレビが伝えない憲法の話』



世界に軍は存在しない!?

憲法9条は日本特有の異常な規定などではない、国際法というグローバルスタンダードに則った「普通の」内容にすぎない――。憲法学者の著者は護憲派の人々が喜ぶようなことを言う。だがこの無理のある解釈は、異様な結論を導く。

著者は言う。憲法9条の条文は、一見すると、武器を用いる組織の設立を完全に禁じているように読める。しかし「法律の文言は、日常用語とは異なる」。実は、9条の内容は、国際法を理解しないとわからないと言う。

結論を言えば、現在の国際法は戦争を含む武力行使を禁止し、例外的に個別的・集団的自衛権の行使と国連の集団安全保障への参加を認める。憲法9条はこの原則を確認したものだと著者は述べる(ただし集団的自衛権の行使は除く)。

だが何かおかしい。国際法が戦争を違法とし、憲法9条2項と同じく「陸海空軍」を禁じるのなら、世界中の国が現に持つ軍隊は、何なのか。著者は驚くべきことを言う。「憲法9条2項の意味での『陸海空軍』を持つ国はないはずだ」

世界最強の米軍も、やっているのはあくまで自衛権の行使で、戦争ではないと考えれば、軍ではないことになるらしい。理屈は合っても、現実離れしすぎだろう。これで憲法によって国家権力の暴走を防げるのか、はなはだ心もとない。

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