2018-07-21

国際収支はいらない

国際収支はいらない
経済に対する誤解の根源、国際収支(balance of international payments)。取引相手の所在地に経済的な意味はない。取引主体を国家で分けた結果、重商主義という誤った考えを生んだ。輸出は善、輸入は悪という誤解。アダム・スミスが『国富論』で重商主義の誤りを指摘し、自由貿易を説いたのは240年も前なのに。
Against the Whole Concept and Construction of the Balance of International Payments

貿易赤字は「モノ黒字」
貿易赤字は悪いことのように言われる。しかし「差し引きでモノを多く手に入れたのはどちらか」に着目すれば、貿易赤字とは「モノ黒字(stuff surpluses)」である。米国の対中貿易赤字が年3750億ドルなら、3750億ドルのモノ黒字ということ。それはめでたいことで、中国を非難するのはおかしい。
The 'mercantilist-in-chief' still suffers from upside-down thinking about imports, exports, and trade deficits ('stuff surpluses') - AEI

悪い貿易赤字
政府は国内外の借金先に、国家の「十分な信頼と信用(full faith and credit)」を約束できる。これは将来の税金を担保にすることを意味する。貿易収支の赤字は〔通常は悪いことではないが〕政府の無責任な借り入れと支出によって生み出される場合がある。
Trade Deficits Don’t Matter – Unless Caused by Government

関税と貿易収支
国の貿易収支と経済の豊かさ、関税率(tariff rate)は無関係。シンガポール 、スイス、香港は関税ゼロで大幅な貿易黒字。イタリアとアイルランドはどちらもEU加盟国で低関税、貿易黒字だが、25年前にイタリアの半分だったアイルランドの1人当たりGDPは、今やイタリアの2倍近くに。
Destructive information - Washington Times

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