交通事故死を自動車メーカーのせいにする論者があるが、欠陥自動車のせいで死ぬ人はめったにいない。ほとんどは見通しが悪く、歩車分離すらない政府の欠陥道路によるものだ。政府がなければ誰が国民を守るのかと問う論者があるが、政府はむしろ無用の戦争に国民を駆り立て、その生命を危険にさらす。
民間企業ならできることが政府にはできない。なぜか。著者が指摘するように、政府はその本質からして非効率だからだ。以下、表題作のエッセイより抜粋。(数字は位置ナンバー)
政府は役に立たない。道路の効率を維持できず、いつも渋滞ばかりで、幹線道路の死亡事故発生率も下げられない。死亡率は恥ずべき高さで、もし道路が私有だったら、責任者は投獄ものだろう。(1006)
政府は役に立たない。国民を外国の侵略から守ると誓いながら、若者を徴兵して送り出し、他国の敵と戦わせ、戦死させた。米国の海岸に対する脅威はほとんどないのに、多数の米国民が戦争で死傷し、巨額の資金を費やした。(1016)
政府は市場のルールを決め、審判のように振る舞うと思われているかもしれない。しかし実際にはルールは気まぐれ、あいまいで、しょっちゅう変わる。しかも「審判」はいつも、政治力の強いチームをひいきするように見える。(1037)
政府が役立たずだとわかったら、改善の方法はただ一つ。政府の規模を小さくすることだ。法律を廃止し、政策をやめ、政府支出と税を減らし、政府をできるだけ小さくするのだ。(1042)
政府は小さければ小さいほどいい。政府をもっと効率よく、人間らしく、利用者にやさしくしようとしても、改善を遅らせるだけだ。強制は効率的でないし、人間らしくもなければ、もちろんやさしくもない。(1056)
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