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2025-12-17

ミレイ氏が中央銀行を廃止しない理由

オスカー・グラウ氏によるこの記事は、ハビエル・ミレイ大統領の「中央銀行(BCRA)廃止」という看板公約が、実際には実行されず、中央銀行と金融業界の利益を守る結果に終わったと厳しく批判しています。著者は、ミレイ政権の行動が、自由市場の原則や道徳的立場と矛盾していると指摘しています。

1. ペソの歴史的背景と中央銀行廃止の公約の矛盾

  • ペソへの不信: アルゼンチン・ペソは、長年のインフレと政治的不安定により、国民の信頼を完全に失っており、人々はドルで貯蓄・計算しています。ペソは「ハイパーインフレ通貨」として分類されるべきです。

  • ミレイの公約: ミレイ氏は、中央銀行は「人類史上最大の窃盗の一つ」であり、廃止すべきだと公約し、ドル化計画を示唆しました。

  • 公約の転換: 2024年12月までに、ミレイ氏は中央銀行廃止には「少なくとも4年」かかり、「通貨競争」が目標だと主張を修正。財務大臣は2025年10月にはドル化が「もはや選択肢ではない」と公言しました。

  • ドル化計画の矛盾: ミレイ氏の当初の計画(外国資本の助けを借りて流通ペソをドルに交換する)は、ペソに価値がないという彼自身の見解と矛盾しています。また、他者の犠牲の上にペソをドルに交換する道徳的・経済的必然性はないと論じています。

2. 失敗した「内生的ドル化」とマネーサプライの拡大

  • 「内生的ドル化」の破綻: ペソの「不足」により、ドルへの需要が増加し、徐々にドル化が進むという政権の理論は実現しませんでした。

  • インフレ的政策: ミレイ政権下でマネタリーベースは2025年7月までに約4倍に増加し、これはペソの「不足」とは真逆の事態です。これは、予算支出、公的債務、為替市場への介入など、政府活動の資金調達のために行われました。

  • 史上最大のドル購入: カプート財務大臣自身が、自政権がアルゼンチン史上最大のドル購入を行ったと認めました。これは、ペソを過小評価し、可能な限り安価なペソで多くのドルを獲得しようとする政権の意図を示しています。

  • BCRAの資産重視理論の誤り: ミレイ氏が重視するBCRAのバランスシートの健全化は、ペソの価値を決定するものではありません。ペソの価値の欠如の真の原因は、BCRAの資産の質ではなく、ペソに対する真の需要の欠如にあると指摘しています。

3. 銀行家を救済する行動

  • 「時限爆弾」の神話: ミレイ氏が就任時、BCRAは市中銀行に対する多額の債務(利息付き債券)を抱えていましたが、これは銀行が自行のペソを、リターンを得るために運用していたものです。この債務が「ハイパーインフレを引き起こす時限爆弾」だったという見方は根拠がないと否定しています。なぜなら、銀行側には、それらを一斉に現金化してペソを暴落させるインセンティブがなかったからです。

  • 銀行家の救済: ミレイ政権は、これらの利息付き債務を財務省が支払う長期債務に変換しました。これにより、BCRAのバランスシートは「整理」されましたが、これは「アルゼンチン経済のためではなく、銀行家のために事態を救った」行為であると結論付けています。

  • 金融セクターの復活: その他の金融統制的な措置(金利引き下げやペソの月次切り下げペースの義務化など)により、銀行セクターが再活性化し、「キャリー・トレード」が復活しました。

4. 真のBCRA閉鎖の可能性と結末

  • 閉鎖の影響: 中央銀行の真の閉鎖は、通貨発行の停止とすべての市場介入の終了を意味します。不信感のあるペソと既にドルで機能している経済のため、閉鎖は想像よりもはるかに外傷が少ないはずだと主張しています。

  • ペソへの信頼回復の可能性: BCRAを閉鎖し、通貨供給量の拡大が止まれば、人々はペソに再び信頼を取り戻し、ペソのハイパーインフレ的性質が逆転する可能性すらあると論じています。

  • 結論: 経済的、道徳的理由から、BCRAの閉鎖は常に最善の政策ですが、ミレイ氏と彼の側近にとって、BCRAは「極めて重要な資産」となってしまいました。彼の経済チームの主要ポストが、以前の政権と同じ銀行出身者で占められていることが、彼らが特権的な利益に奉仕している証拠だと結論付けています。

    (Geminiを利用)
    How Milei Saved Argentina’s Central Bank, by Oscar Grau - The Unz Review [LINK]

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