2020-11-30

中央銀行が格差を生む

金融政策による所得再分配は勝者と敗者を生む。中央銀行がお金を増やすと物価が上がる。物価上昇は一様ではなく、お金の供給元の近くから波状に広がる。最初にお金を受け取った人々が最初に使い、すると物価が上がる。最後の人が受け取る頃には収入増が物価高で帳消しになる。

米国では1973年を境に99%の人々は実質所得の増加が止まり、1%の富豪は所得が急増し始めた。その原因は1971年のニクソンショック(金本位制廃止)だ。連邦準備銀行が創造した大量のお金は、まず官僚や銀行家など1%の人々が手にし、99%が受け取る頃には物価高で価値が薄まった。

米連邦準備銀行は毎年、通貨発行の利益を財務省に納付しており、政府の重要な財源となっている。もし納付金がなければ、議会はフードスタンプの支給をやめ、NASAを解散し、社会保障の給付を減らさなければならないだろう。大きな政府に反対なら、中央銀行の納付金を止めよう。

20世紀初め、米国では銀行制度が大混乱だった。預金準備金を一部しか積まずに貸し出しを増やしたせいで、銀行は取り付け騒ぎに見舞われた。連邦準備銀行の創設(1913年)で通貨の供給が柔軟になり、取り付けは減った。すると銀行業界は一斉に貸し出しを増やし、目一杯稼いだ。

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