2020-11-16

マスク強制の帰結

米国で当初、マスクは論争の種ではなかった。コロナ拡大とともに国民の多くは公の場でマスクを着け始めた。意見が割れ始めたのは、政府が着用を求め、それが暴力沙汰を招くようになってからだ。政府の着用命令は、市民と警察の衝突という、意図しない結果をもたらしたのだ。

コロナ対応のロックダウン(都市封鎖)は、青少年にウイルス自体よりも大きな害を及ぼしている。米国では18〜24歳の半分近くが、少なくとも中度のうつ状態にある。大人全体で自殺念慮の率は3.4%前後だが、青少年は10月時点で36.9%に達し、ロックダウンが増えた5月の32.2%に比べても高い。

豪州アデレードで4週間のうちに心臓疾患のある4人の新生児が死亡した。政府のコロナ規制で、手術可能なメルボルンまでの輸送を断られたからだ。メルボルンまでの飛行時間が75分なのに対し、代わりのシドニーまでは2時間近い。心臓を病む赤ん坊にとって45分の差は大きい。

ノルウェーとフィンランドでコロナの死亡率は世界で最も低水準で、それぞれ百万人当たり54人と66人。隣国スウェーデンの605人を下回る。しかしスウェーデンを批判する人が見逃しているのは、ノルウェーとフィンランドのロックダウンがスウェーデンよりも緩やかという事実だ。

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