カール・マルクスは、経済の自由を擁護したことで知られているとは言えない。しかしそんなマルクスですら、保護主義の害悪(evils of protectionism)を理解していた。
親友エンゲルス(Frederick Engels)の引用によれば、マルクスは保護主義をこう定義した。「製造業者をでっち上げ、独立した労働者から収奪し、国の生産・生活手段に対する投資を促し、生産の近代化を無理に短縮するための人為的手段」
トランプ次期米大統領は輸入品に関税(tariffs)をかけることで、米国製品を相対的に安くし、国内での生産を促そうとしている。これがマルクスの言う「製造業者をでっち上げ」ることだ。
マルクスが述べたとおり、保護主義は労働階級に損害を与える。海外との競争から守られている企業やその従業員を除き、誰もが損をする。トランプが全輸入品の関税を上げれば、米国の平均的労働者は生活費(cost of living)が急増するだろう。
マルクスは、最低賃金などの規制で雇用のコストが上がると、機械を使うほうがより儲かることを理解していた。トランプが中国製品への関税を上げても、雇用が米国に「戻る」とはいえない。米国人よりロボット(robots)を使うほうが安いからだ。
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