2018年5月6日日曜日

沖縄独立という選択

大東亜戦争はアジア諸国の独立を助けたと、保守派言論人は胸を張る。その当否はともあれ、もし独立を望む人民を助けることが義にかなうと信じるのであれば、今こそ助太刀すべき人々がいる。沖縄県民である。

周知のように同県では先月、うるま市の女性会社員の遺体を遺棄した疑いで元米海兵隊員の米軍属が逮捕される事件が発生。米軍基地の集中を改めない中央政府への不満があらためて強まっている。

これに伴い注目されるのが、かねて一部で主張される沖縄独立論である。沖縄タイムズが3月に報じたところによると、現役大学生への意識調査で、政治、経済、安全保障が成り立つならば沖縄独立に賛成と答えた学生の割合が38%を占めたという。

沖縄独立など荒唐無稽と思うかもしれない。しかし少なくとも歴史的、法的には根拠のある話である。琉球新報社・新垣毅編著『沖縄の自己決定権』(高文研)に詳しい。

ところが維新後、明治政府は武力を背景に、琉球を沖縄県として強制的に日本へ併合する(琉球処分)。琉球側は密航して清国政府に直訴するなど救国運動に手を尽くし、一時は国際問題にまで発展するが、日清戦争での清の敗北で万策尽きる。約500年続いた琉球王国は滅んだ。

この琉球併合は法的にどう評価すべきか。同書によれば今日の国際法研究者は、琉球が3カ国と結んだ修好条約を根拠に「国際法に照らして不正だ」との見解を示す。

それによると、3条約締結の事実から、琉球は国際法上の主体であり、日本の一部ではなかったといえる。その琉球に対し、軍隊や警察が首里城を包囲し、沖縄県設置への同意を尚泰王に迫った日本政府の行為は、当時の国際慣習法が禁じた「国の代表者への強制」に当たる。

しかも、慣習法を成文化したウィーン条約法条約51条を基に、さかのぼって主権の保障を要求できるという。つまり沖縄独立論には十分な正当性がある。

もちろん政治的には困難だろうし、沖縄内でも独立論はまだ少数にとどまる。しかし沖縄の意思が無視される状況が続けば、現実味を増す可能性はある。スコットランドの独立運動など世界にも同様の潮流がある。

かつてアジア諸国が独立を果たした歴史を称えるなら、沖縄が自らの意思で同じ道を選ぶことに反対する理由はないはずである。

(2016年6月、「時事評論石川」に「騎士」名義で寄稿)

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