2023-04-02

シリアの米軍を守る最善の方法

元米下院議員、ロン・ポール
(2023年3月27日)

先週シリア北東部を占領する米軍への攻撃が急増し、米軍基地への無人機攻撃は「親イラン」勢力によるものとされ、米国の反撃で少なくとも19人が死亡したとされる。米国の報復の後、「親イラン」勢力による別の攻撃で、シリアの米国拠点が多数攻撃された。シリアの意向に反してシリアに駐留する900人の米軍に対し、攻撃が増えるのは時間の問題かもしれない。前回は米国の請負業者が1人殺された。次回はもっと多くの米国の人々が犠牲になるかもしれない。
突然の戦闘激化の背景には何があるのか。数カ月間の中東の根本的な変化は、米国がシリアとイラクを占領し続けていることに、いかに弁解の余地がないかを浮き彫りにしている。

たとえば、かつての宿敵であったサウジアラビアとイランの関係が、米国の宿敵である中国によって仲介され、歴史的な修復がなされたことである。米国の中東政策は、少なくとも1980年代のイラン・イラク戦争以降、長い間「分割統治」であった。米国が中東戦争に参戦したことで、大量の血が流され、憎しみが煮えたぎることで永続的な和平が望めなくなった。

そして米国は20年前にイラクに侵攻し、イラクをイランの同盟国に変えてしまった。これがネオコン(新保守主義者)の外交政策だ。100%の失敗率である。

そこで今月、イランを含む地域の輸送回廊を作ることに関心をもつ中国がやってきて、米国のやり口である爆撃、侵略、占領の代わりに、実際にサウジとイランの国交回復の仲介をした。

米国の共和党と民主党はともに中国を攻撃するのが大好きだが、中国は米国が何年も抵抗してきたこと、つまり地域の平和を実現したのである。米国が中東で占領を続けていることが、歓迎されていないことに驚くべきだろうか。

米国は、石油と農業があるシリアの巨大な一帯を占領している。その目的は、盗んだ天然資源から米国の多国籍企業に利益をもたらし、シリアの自然の富がその国の再建に使われるのを阻止することにあるようだ。米国が中東で不人気なのはなぜだろうか。

バイデン政権が1000億ドルも国民のお金を使い、ロシアをウクライナから追い出そうとするのは、なんと偽善的なことだろう。米国がシリアで占領している領土より、ロシアがウクライナで占領している領土の割合が少ないのに。そして米国は「ルールに基づく国際秩序」を支持すると主張しながら、私たちを攻撃しなかったイラクとアフガニスタン、その前は私たちを脅かそうとしても脅かすことができなかったセルビアを壊滅させたのである。

米国による中東占領の終焉は目前に迫っており、そのことに早く気づけばよいのだ。私たちは中東の政治に干渉したり、領土を占領したり、資源を盗んだりする必要はない。米国人は国内外のあらゆる敵から米国を守るために米軍に入隊したのに、腐敗したワシントンの高官に操られ、外国の土地を占領し、その石油を盗んでいる。米軍が採用目標を達成できないのは、このためかもしれない。

シリアにいる米軍を、さらなる「イラン連合」の攻撃から守る簡単な方法がここにある。米軍を帰還させるのだ。明日だ。それ以上待ってはいられない。

The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The Best Way to Protect US Troops in Syria [LINK]

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