インドの田舎町で小さな工房を共同経営するラクシュミ(アクシャイ・クマール)は、新妻のガヤトリが生理の際に古布を使っていることを知り、市販のナプキンが高くて使えないという妻のために、安くて清潔なナプキンを作れる機械の研究を始めます。ところが没頭するあまり、常識外れな行動をしてしまい、町の人々から非難され、妻からもやめてほしいと言われる始末。諦めきれないラクシュミは一人都会に旅立ち、そこで成功の手がかりをつかみます。
日本を含め、世界の企業トップは男性が多く、だから資本主義は女性に冷たいと言われがちです。けれども重要なのは企業トップが男性か女性かよりも、ビジネスを通して女性の役に立ちたいという気持ちがあるかどうかでしょう。不潔な古布は不妊や命にかかわる病気を招く場合があります。ラクシュミは妻への愛から起業家としてナプキンの製造を実現させ、妻だけでなく、インドの多数の女性を救いました。
映画で印象的なのは、生理をタブー視する伝統的価値観の強さです。妻のガヤトリが涙ながらに夫に訴える「恥をかくより死ぬほうがまし」という言葉は、それを象徴しています。けれどもラクシュミは妻が実家に去り、親戚や町の人々から変人扱いされても、めげることなく初志を貫きます。世間の圧力に負けないこの意志の強さは、優れた起業家に欠かせない資質でしょう。
アジアの生理用品市場では、日本企業もシェアを伸ばし、活躍しています。資本主義がこれからも世界の女性を笑顔にしていくことを願ってやみません。劇場内は多くの女性客でにぎわっていました。
<東京・TOHOシネマズ シャンテ>
(note 2019/01/20)
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