2020-05-10

政府への幻想

コロナ下でわかったのは、政府に対する人々の幻想だ。政府は神のような、人間を超える存在だと信じている。現実は違う。政府を構成するのは人間で、他の人間と同じく誤る可能性があり、実際に誤りやすいし、利己的だ。またコロナウイルスの特質についてほとんど何も知らない。
Public Choice and the Lockdowns – AIER

人を殺すのは無知ではなく、傲慢である。ハイエクの言う「致命的な思い上がり」である。それは現代の社会科学と政治に浸みこんでいる。十把一絡げの政策、気ままな権力、白か黒かで割り切る思考……。全員に何が最善か、わかる人はいない。社会問題に万人向けの解決策はない。
It Is Not Our Ignorance that Will Kill Us, But Our Arrogance – AIER

車で移動すると、死傷する機会は増える。それでも車を選ぶのは、それによって生じる命の危険よりも、利便やスピードを重んじている証拠だ。だからといって科学を拒否しているわけでも、不合理なわけでもない。人間が重んじるのは健康や安全だけではないということにすぎない。
Science and the Pandemic – AIER

1968-69年に流行した香港風邪は米国で10万人、世界で100万人もの死者を出した。しかし今ではほぼ忘れられている。学校や企業はほとんど休みにならず、バーやレストランにも行けた。株は暴落せず、政府の経済対策もなかった。伝説のウッドストック音楽祭はその最中に開かれた。
Woodstock Occurred in the Middle of a Pandemic – AIER

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