2018-09-30

走れフードトラック

東京・大手町のオフィス周辺で、フードトラック(移動式屋台)をよく見かけるようになりました。東京の他の街でも同じことが起こっているようです。

ビジネスインサイダー・ジャパンの記事によれば、都内でフードトラックの数は右肩上がりで増えています。2009年、都の規制緩和でオフィスビルが貸し出せる公開スペースが広がり、敷地内でイベントの開催やオープンカフェ、フードトラックの出店が増えたのです。

都心のオフィスビルは賃料が高く、店舗を構えられるのはチェーンの飲食店かコンビニがほとんどです。フードトラックなら、100万〜200万円の初期費用で比較的簡単に開業できるといいます。ビルを運営する不動産会社は使われないスペースを数時間単位で賃貸でき、お客は毎日違う味を安価で楽しめます。

米国でも同様のようです。ウォールストリート・ジャーナルによると、首都ワシントンは2013年にフードトラックの駐車規制を緩和。交通量の多い地区の一部でも販売できるようになり、ランチの選択肢が大幅に広がっています。

いい話ばかりではありません。米教育団体、自由の未来財団の記事によれば、今月フロリダ州を大型ハリケーン「イルマ」が襲った際、同州グリーンコーブスプリングスをフードトラックが訪れ、飢えた市民にランチを販売し、清掃作業員には無料で振る舞おうとしたところ、警察から立ち退きを命じられたそうです。無許可だという理由からです。

今の世界では、自由主義経済を標榜する国でさえ、規制が原則、自由は例外でしかありません。起業家はせっかく良い製品・サービスを届けようとしても、規制の壁にしばしば阻まれます。しかしそれに負けず、がんばってほしいものです。消費者という強い味方がついています。(2017/09/30

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